王国公認ホストクラブ 【完結】

あくの

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1. 婚約破棄のこと

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 アンドレ・ラブノーが17の頃、ステファニー・ノアイユは14で領地に帰ってしまった。その頃のステファニーは金と茶の混じったような髪色のか細いそして背の低い少女で、アンドレは初等科の生徒にも見える女児としか思ってなかった。
 年回りが丁度良く家格も同じ侯爵家、母親同士が遠い親戚で親友と言う縁から決まった婚約だった。向こうは過去に王女の降嫁があった家で筆頭侯爵家であり、また、国内有数の鉱山を持っていて余裕もある家であったので一人娘の婿にと望まれ、アンドレも否やはなかった。



 ただ、ステファニーを女児と思っていたのでステファニーが17になった時に婚約式をあげるまでは女遊びを控える気はなかった。
 17の時には3年続いた女生徒が学園にいて公然の恋人と呼ばれていた。男爵令嬢で、3年前に男爵に引き取られた庶子のアリシアという娘だ。
 アリシアは豊満な肉体にを駆使して学園の複数の男と交流を持っていたがアンドレが本命でアンド以外とは手も繋いでいないと言う。アリシアと結ばれて溺れきっていた頃、ステファニーが領地に帰ったと聞いたがアンドレは

「そうか」

だけで済ませた。婚約者用の費用も含めた歳費では足らず家の骨董品を売ったり親戚がお金を借りたり、とあいかわらずアリシアに溺れきっていた。




「貴方、ステファニーに手紙も誕生日のプレゼントもカードもなにも贈ってないって?」

母親からの詰問だった。

「え?毎年侍従に贈らせてますよ?」

母親は冷たい目でアンドレを見ると鉄の入った扇子の鉄の部分でアンドレの頬を打った。

「ばが息子」

母親はため息をつく。

「では向こうからの婚約破棄の申し入れを受けます。……貴方のための婚約だったのに。婚約者に対する最低の礼儀すら守れない息子だとは思わなかった」

アンドレは愕然とした。ゆくゆくはノアイユ家の財産を自由にできると言うことで親に言えない筋の借金もかなりの額になっていた。

 アリシアは贅沢好きで、分かりやすい高級品を好んだ。有名宝飾店の品や超のつく高額なワインや食べ物、もちろんドレスはアンドレの母親マノンでさえ年に一回頼むか頼まないかのような高級ブティックで毎回誂える。

 「あら無理なら良いのよ。他の人に頼むから」

とアリシアは宰相令息や大商人の息子に声をかける。アリシアを失いたくないアンドレの首はどんどん締まって行った。


 「母上、それは」

ステファニーの母親ナタリーの娘は私の娘も同然なの。貴方が傷つけることは許さない」

アンドレは焦る。

「別に傷つける気はなかった」

「は?」

マノンは冷たい目をする。

「私はノアイユの人間でもあるのよ?同じ侯爵家と言う家格であっても、ラブノーのような新興の侯爵家ではないの、ノアイユは」

マノンはすぅと息を吸った。

「ラブノーを潰してでもノアイユの利益を保持するわよ、私は。母親でなくノアイユの親戚のベル=イルの一人娘の立場を取るわよ?その上で判断したの。あのアバズレに入れ込んで借金でそろそろ人生が終わりそうな息子はもういらないの」






 
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