「無能」と切り捨てられた令嬢、覚醒したら皆が土下座してきました

 「リリアーヌ。君には……もう、婚約者としての役目はない」

 静まり返った大広間に、元婚約者である王太子アランの冷たい声だけが響く。

 私はただ、淡々とその言葉を受け止めていた。

 驚き? 悲しみ?
 ……そんなもの、とっくの昔に捨てた。

 なぜなら、この人は——私をずっと“無能”と笑ってきた男だからだ。
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