異世界で高級男娼になりました

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豊穣祭のごはん

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「なにこれうっま…!」
「アキト、こちらも美味しいよ」
「マジでっ?うわっ、肉汁すご!」

露店最高…!と暁斗は差し出された肉をむさぼりながら祭りに参加出来たことを心から感謝する。普段食べてる食事とは比べ物にならないくらい美味い。肉の厚みからして全然ちがう。

「いい食べっぷりだな」
「あっ、悪い、下品だったか?」
「いいや、見ていて気持ちが良い。食べさせ甲斐がある」
「えへ、あはは」

なんだろうこれ、子供扱いされているような…?


(ま、いっか、………奢ってもらってるのは事実だし)

それに何よりアーデルベルトも楽しそうである。娼館にいる時と同じように距離が近いのはちょっと…と思わないではないが、彼のおかげでさっきから屋台で肉を購入する度おまけの量がえぐいことになっていた。さすがアーデルベルト、何処に行っても誰が相手でも人気者である。おこぼれとっても美味しいです。



「アーデルベルトは食べないの?あっちにはお酒もあるみたいだけど」
「俺はこの後仕事だから」
「あ、そっか」
「でもアキトは飲んでも構わないよ。これで好きなお酒を買ってくるといい」
「ええっ」


いいの?いいんですか?あなたが神か??

(アーデルベルト、マジ良い奴……!!)

暁斗はアーデルベルトから貰ったお金を握りしめ、酒の販売をしている露店へと向かう。正直、ひとりで来ていたらこんな豪遊は出来なかっただろう。少しは財布の紐を緩めようとは思っていたが、ここまで好き勝手に飲み食い出来るほどの財力は暁斗にはない。


暁斗はウキウキしながらお目当ての酒を購入し、アーデルベルト用にと果実水も注文することにした。確か、アーデルベルトはミントとオレンジが香る所謂デトックスウォーターのようなものを愛飲していた気がする。随分洒落たものを飲んでいるなぁと思った記憶があるので間違いない。

彼が飲んでいるものとは違うかもしれないが、少しでも好みに合うものを選んだ方がいいだろう。そう思い購入した酒を片手に頼んだものを店の隅で待っていると、ふと見覚えのあるシルエットが視界を掠めていった。

「ヴィリ…?」

それは殆ど反射だった。姿形がハッキリと見えたわけではない。ただ、黒い人影の輪郭が目の端に映った。ただそれだけのことだった。

だからそれは、何か確信があって呟いたものではない。
それなのに、気が付いたら口から出てしまっていた。その、友人の名前が。
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