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帰ります
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「娼館に戻りたいって…」
正気か?と問われて暁斗は頷く。するとヴィリはあきれたと言わんばかりの顔で肩をすくめる。
「てっきりこのまま囲い者になる気だと思ってたわ」
「いや無理だろ。そろそろ潮時だってわかってたさ」
「へーえ」
あんなに愛されてんのに?とヴィリは薄ら笑いで寝乱れたシーツを横目で見やる。あー悪かったよマジで今から洗濯するから…と寝具を丸めながら暁斗は続ける。「お前だって、侯爵家からなんか言われてんじゃないの?」と。
「まあ言われてはいるな」
「だろ?俺だって暗殺とかされたくないし、分をわきまえてるよ」
「…それが娼館に戻るってことに繋がるわけ?」
「そうだよ。だって俺には他に就ける仕事がないし」
戸籍がないから、と呟くとヴィリは少しばかり驚いた顔をした。
「そうなんだ?てっきりどっかの貴族の落とし種かと…」
「はあ?なんでそうなるんだよ」
「だって妙に肌艶が良いし、所作も綺麗で洗練されてるから」
それなりの教育を受けた人間なんだと思ってた、と言うヴィリにまあそれはあながち間違いではないけど、と思う。こちとら義務教育も受けてるしブラックとはいえ社会人経験だってあるのだ。それなりにキチンとした大人であるという自負はある暁斗である。
「身分を証明する術がない奴は、奴隷か水商売しか出来ないんだろ?だったら娼館に戻るしかないじゃん」
「…………………」
「悪いけど、娼館の近くまで送ってくれない?道がよくわかんなくてさ」
「それは構わないけど、戻ってどうするんだ?何か考えがあるのか?」
「考えって言うほどのものはないけど…」
俺の帰る場所はあそこしかないからなぁと言う暁斗に、ヴィリはなんだか変な顔をする。なんだその顔、バカにしてんのか?
「今度こそ酷い目に遭うぞ」
「かもしれないけど、でもしょうがないじゃん」
「随分物分かりがいいんだな」
「え、なに、喧嘩売ってる??」
やめろよどうせ勝てないんだからさと自虐しながら笑い話にもっていこうとする暁斗に、ヴィリは面白くなさそうな顔で溜息を吐く。やめろ、人の顔を見て溜め息を吐くのは。感じわるぅ
「坊…アーデルベルトにはなんて言うつもり?」
「また客として来てよって伝えてよ。大金払わせちゃったし、サービスするからって」
「…………(殺されそう)(俺が)」
とにかく戻るにしても一度話し合ってくれ、とヴィリは言った。「でないと俺が殺される」と
「えーでも、絶対引き止められるし…」
「だからって黙って出て行ったら血を見るぞ」
「………………」
ヴィリの物騒な発言に、それもそうか…と思う暁斗であった。
正気か?と問われて暁斗は頷く。するとヴィリはあきれたと言わんばかりの顔で肩をすくめる。
「てっきりこのまま囲い者になる気だと思ってたわ」
「いや無理だろ。そろそろ潮時だってわかってたさ」
「へーえ」
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「まあ言われてはいるな」
「だろ?俺だって暗殺とかされたくないし、分をわきまえてるよ」
「…それが娼館に戻るってことに繋がるわけ?」
「そうだよ。だって俺には他に就ける仕事がないし」
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「考えって言うほどのものはないけど…」
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「だからって黙って出て行ったら血を見るぞ」
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ヴィリの物騒な発言に、それもそうか…と思う暁斗であった。
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