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真実はいつもひとつ?
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(よく、わかんねんだよなぁ…)
レイノルドの考えていることが、龍之介にはいまいち掴めない。
独占欲のような片鱗を見せることもあれば、他の男に体を触らせることを許したりもする。
恋人の様に甘やかすこともあれば、手酷く甚振られることもあった。
どちらにしても、レイノルドは性的な目でしか龍之介を見ない。
だから龍之介を一個人として認めていない節があった。それは最初からずっと、龍之介が感じていたことでもある。
「あの方は、この国での振る舞い方をよくわかっているなと感じました」
「うん?」
龍之介の髪をすすぎながら、狼くんが躊躇いがちに口を開く。
「この国は力無き者に対して容赦がない。身分制度もはっきりしているし、上に立つ者が下から搾取するのは当たり前、他国から来た者たちに対しても同等の対応を貫きます」
「と、言うと…?」
「奴隷を連れて入国された場合、その奴隷に対する対応はこちらの国での作法に乗っ取ったものとなるのです」
つまり、奴隷には何時、誰が、何をしても構わない。
獣人国での奴隷の扱いは、概ねそういうものなのだと狼くんは言った。
「ですが、例外もあります。それは主人、もしくは主人から委託された護衛が傍にいる時です」
「護衛…」
もしかして、と龍之介は思う。洗髪の途中だが顔を上げると、バチリと目が合った。
「最初に馬車の中で性行為を見せつけられた時は驚きましたが、彼処で我々にも手を出させることで自分たちがあなたの護衛に相応しいかどうか、見定めていらっしゃったのだと思います」
「俺はてっきり、そういう趣味があるのかと…」
「まあ私たちもあなたの色香にあてられて、すっかりのめり込んでしまったわけですが」
「(色香)」
なんだかすごく、恥ずかしいことを言われた気がする。
が、今重要なのはそこではない。ということはつまり、馬車の中での行為は自分を守る為のものだったということなのだろうか…?
「その後行為に混ぜて頂いたのも、我々に対するガス抜きだったのではないかと思います。流石にずっと一緒にいると、こちらも多少は意識してしまうので…」
「俺相手にムラムラしてたってこと?」
「…まあ、言葉を選ばずに言うと、そういうことになりますね」
それでも結局、こうして手を出してしまったわけですがと狼くんは項垂れた様子をみせる。
あれはこっちから誘ったようなものだから気にすることないよと慰めたが、狼くんは「いいえ」と首を横に振るばかりだった。めっちゃこの子頑固やん。
「あの方が不在の時に手を出すのはルール違反でした。以後気をつけます」
「まじめ…」
「え?」
「じゃあレイノルドがいれば、前みたいに俺に触ったりするってこと?」
「……それは、あなたが、嫌でなければ」
いや、嘘です。と狼くんはすぐに言い直す。
「あなたが嫌でも、きっと我慢出来ずに触れてしまうと思います」
「ハハッ、正直!」
思わず笑ってしまった。素直なのは良いことである。
でもまあ、今まで自分が無事に過ごせていたのもこの狼くんと虎くん、うさぎさんのおかげなのかと思うとふつふつと感謝の気持ちが込み上げてくる。
(まあいちばんは、やっぱりレイノルドに対してなんだけど)
考えてくれていないようで、考えてくれていたのだ。
それを、第三者の口から聞けたことが、龍之介は何より嬉しかった。
まあこの後、狼くんとイチャこいた分のお仕置きを、たっぷりされることになるわけだが…
レイノルドの考えていることが、龍之介にはいまいち掴めない。
独占欲のような片鱗を見せることもあれば、他の男に体を触らせることを許したりもする。
恋人の様に甘やかすこともあれば、手酷く甚振られることもあった。
どちらにしても、レイノルドは性的な目でしか龍之介を見ない。
だから龍之介を一個人として認めていない節があった。それは最初からずっと、龍之介が感じていたことでもある。
「あの方は、この国での振る舞い方をよくわかっているなと感じました」
「うん?」
龍之介の髪をすすぎながら、狼くんが躊躇いがちに口を開く。
「この国は力無き者に対して容赦がない。身分制度もはっきりしているし、上に立つ者が下から搾取するのは当たり前、他国から来た者たちに対しても同等の対応を貫きます」
「と、言うと…?」
「奴隷を連れて入国された場合、その奴隷に対する対応はこちらの国での作法に乗っ取ったものとなるのです」
つまり、奴隷には何時、誰が、何をしても構わない。
獣人国での奴隷の扱いは、概ねそういうものなのだと狼くんは言った。
「ですが、例外もあります。それは主人、もしくは主人から委託された護衛が傍にいる時です」
「護衛…」
もしかして、と龍之介は思う。洗髪の途中だが顔を上げると、バチリと目が合った。
「最初に馬車の中で性行為を見せつけられた時は驚きましたが、彼処で我々にも手を出させることで自分たちがあなたの護衛に相応しいかどうか、見定めていらっしゃったのだと思います」
「俺はてっきり、そういう趣味があるのかと…」
「まあ私たちもあなたの色香にあてられて、すっかりのめり込んでしまったわけですが」
「(色香)」
なんだかすごく、恥ずかしいことを言われた気がする。
が、今重要なのはそこではない。ということはつまり、馬車の中での行為は自分を守る為のものだったということなのだろうか…?
「その後行為に混ぜて頂いたのも、我々に対するガス抜きだったのではないかと思います。流石にずっと一緒にいると、こちらも多少は意識してしまうので…」
「俺相手にムラムラしてたってこと?」
「…まあ、言葉を選ばずに言うと、そういうことになりますね」
それでも結局、こうして手を出してしまったわけですがと狼くんは項垂れた様子をみせる。
あれはこっちから誘ったようなものだから気にすることないよと慰めたが、狼くんは「いいえ」と首を横に振るばかりだった。めっちゃこの子頑固やん。
「あの方が不在の時に手を出すのはルール違反でした。以後気をつけます」
「まじめ…」
「え?」
「じゃあレイノルドがいれば、前みたいに俺に触ったりするってこと?」
「……それは、あなたが、嫌でなければ」
いや、嘘です。と狼くんはすぐに言い直す。
「あなたが嫌でも、きっと我慢出来ずに触れてしまうと思います」
「ハハッ、正直!」
思わず笑ってしまった。素直なのは良いことである。
でもまあ、今まで自分が無事に過ごせていたのもこの狼くんと虎くん、うさぎさんのおかげなのかと思うとふつふつと感謝の気持ちが込み上げてくる。
(まあいちばんは、やっぱりレイノルドに対してなんだけど)
考えてくれていないようで、考えてくれていたのだ。
それを、第三者の口から聞けたことが、龍之介は何より嬉しかった。
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