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ただの八つ当たりでした
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「レイノルドに愛想尽かしたら、いつでも嫁にこいよ」
「愛想尽かされたら、の間違いでは…」
「いや、まあ、………色々頑張れよ!」
「…………?(不審な顔)」
と、別れ際不穏な台詞を残しつつ、王様とはそこで別れた。
レイシャの石像問題はどうなったのかと言うと「アイツも少しは痛い目みたほうがいいだろ」とのことであの状態のまま三年放置、それ以上は心身に異常をきたす可能性があるのでその頃また石化解呪の魔法をかけるという約束をレイノルドとの取り決めとしたらしい。そんなんでええんか。
「いいんだよ、正直レイシャがいない方が国政はやりやすいんだ」
「問題児なん…」
「でもアイツには借りがあるから、出来るだけ尊重はしてやりたいわけ。まあ限度はあるけどな」
「?ふうん…」
なんだか複雑なんだなと思いつつ、俺が口出しすることでもないよなと思いそれ以上は口を挟まないことにした。
それにこれ以上王様と話していると後ろからの視線で殺されそうな気がしたので、龍之介はそそくさとその場を離れる。
「賢明な判断ですね」
「…エルヴィンさんは、うさぎさんとちゃんとお別れしたわけ?」
「しましたよ。子種が欲しいと言われましたので、丁重にお断りしました」
「ええ…」
なんちゅう会話だ、と思ったが、まあやってることは自分も大差ないので龍之介はダンマリを決め込んだ。王様とのアレコレは絶対に墓まで持っていく所存である。男の沽券に関わる重大な問題だ。
虎くんと狼くんとは既に別れの挨拶を済ませていたので、これでもうこの国に思い残すことはない。
帰り道は王様が魔法で国境まで送ってくれたので、馬車に揺られることもなければ飛竜に乗る必要もなかった。ほんと、魔法って有難いよ…俺も使えるようになりたいよ…
「ではこれからどうしますか?このまま屋敷に直行しますか?それとも観光がてら寄り道でもしましょうか」
「えっ、エルヴィンさんがそんなこと言うの珍しくない?いつもなら速攻帰って書類仕事の続きをしますよ、とかなんとか言うのに」
「……まあ私も鬼ではないので、たまにはおふたりに羽を伸ばして頂こうかな、と」
「そういや俺って、自分のいる国のこと何にも知らないかも」
「そうでしょう、そうでしょう」
「………………?」
「(にこにこにこ)」
いや、これあきらかに何かおかしいでしょ、と龍之介は確信する。絶対よからぬことを考えている。画策している。なんの理由もなくエルヴィンがこんなに気を遣ってくれるはずがない。
「なあレイノルド、どうす…」
る、と言い終わる前に、龍之介は嫌な予感に襲われる。
(あ、これ駄目なやつ)
話しかけようとしたレイノルドの様子を見て、一瞬で察する。
これは、絶対えっちなことで頭がいっぱいになっている時の顔だ、と…
(に、逃げたい、)
正直今そんな気分じゃない。
性奴隷のくせに仕事を放棄するのかと言われそうだが、こっちにも精神的不調の時があるのだ。
龍之介はなんとかレイノルドの気を逸らそうと、他愛のない会話を振り続ける。
少しでもセックスから離れた話題をと喋り倒す龍之介であったが、生憎当のレイノルドは話を聞いているのかいないのか、龍之介の顔を凝視したままうんともすんとも言わない。
(…………うう、これダメかも…)
全然響いてない。それどころかじわじわと距離を詰められている。
所詮俺との会話なんてその程度のものなのか?やっぱりレイノルドにとって必要なのは俺の体だけのか?コミニュケーションなんて端から取るつもりがないのか??
…なんてことを考えていたら、腹が立ってきた。
「……………もういい」
龍之介はそこで、手首を捲り上げた。そして、中指の爪を手首に思い切り突き立てる。
「家出してやる!!!」
その瞬間、時が止まったかのように、レイノルドの動きが停止した。
「愛想尽かされたら、の間違いでは…」
「いや、まあ、………色々頑張れよ!」
「…………?(不審な顔)」
と、別れ際不穏な台詞を残しつつ、王様とはそこで別れた。
レイシャの石像問題はどうなったのかと言うと「アイツも少しは痛い目みたほうがいいだろ」とのことであの状態のまま三年放置、それ以上は心身に異常をきたす可能性があるのでその頃また石化解呪の魔法をかけるという約束をレイノルドとの取り決めとしたらしい。そんなんでええんか。
「いいんだよ、正直レイシャがいない方が国政はやりやすいんだ」
「問題児なん…」
「でもアイツには借りがあるから、出来るだけ尊重はしてやりたいわけ。まあ限度はあるけどな」
「?ふうん…」
なんだか複雑なんだなと思いつつ、俺が口出しすることでもないよなと思いそれ以上は口を挟まないことにした。
それにこれ以上王様と話していると後ろからの視線で殺されそうな気がしたので、龍之介はそそくさとその場を離れる。
「賢明な判断ですね」
「…エルヴィンさんは、うさぎさんとちゃんとお別れしたわけ?」
「しましたよ。子種が欲しいと言われましたので、丁重にお断りしました」
「ええ…」
なんちゅう会話だ、と思ったが、まあやってることは自分も大差ないので龍之介はダンマリを決め込んだ。王様とのアレコレは絶対に墓まで持っていく所存である。男の沽券に関わる重大な問題だ。
虎くんと狼くんとは既に別れの挨拶を済ませていたので、これでもうこの国に思い残すことはない。
帰り道は王様が魔法で国境まで送ってくれたので、馬車に揺られることもなければ飛竜に乗る必要もなかった。ほんと、魔法って有難いよ…俺も使えるようになりたいよ…
「ではこれからどうしますか?このまま屋敷に直行しますか?それとも観光がてら寄り道でもしましょうか」
「えっ、エルヴィンさんがそんなこと言うの珍しくない?いつもなら速攻帰って書類仕事の続きをしますよ、とかなんとか言うのに」
「……まあ私も鬼ではないので、たまにはおふたりに羽を伸ばして頂こうかな、と」
「そういや俺って、自分のいる国のこと何にも知らないかも」
「そうでしょう、そうでしょう」
「………………?」
「(にこにこにこ)」
いや、これあきらかに何かおかしいでしょ、と龍之介は確信する。絶対よからぬことを考えている。画策している。なんの理由もなくエルヴィンがこんなに気を遣ってくれるはずがない。
「なあレイノルド、どうす…」
る、と言い終わる前に、龍之介は嫌な予感に襲われる。
(あ、これ駄目なやつ)
話しかけようとしたレイノルドの様子を見て、一瞬で察する。
これは、絶対えっちなことで頭がいっぱいになっている時の顔だ、と…
(に、逃げたい、)
正直今そんな気分じゃない。
性奴隷のくせに仕事を放棄するのかと言われそうだが、こっちにも精神的不調の時があるのだ。
龍之介はなんとかレイノルドの気を逸らそうと、他愛のない会話を振り続ける。
少しでもセックスから離れた話題をと喋り倒す龍之介であったが、生憎当のレイノルドは話を聞いているのかいないのか、龍之介の顔を凝視したままうんともすんとも言わない。
(…………うう、これダメかも…)
全然響いてない。それどころかじわじわと距離を詰められている。
所詮俺との会話なんてその程度のものなのか?やっぱりレイノルドにとって必要なのは俺の体だけのか?コミニュケーションなんて端から取るつもりがないのか??
…なんてことを考えていたら、腹が立ってきた。
「……………もういい」
龍之介はそこで、手首を捲り上げた。そして、中指の爪を手首に思い切り突き立てる。
「家出してやる!!!」
その瞬間、時が止まったかのように、レイノルドの動きが停止した。
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