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ハーレムの維持は大変
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責任を感じてなのか、スピネルは事件以降それはそれは慎重に行動するようになった。恐らくは、屈辱でもあったのだろう。自分の庇護下に於いてこのような事態に陥ったことも、王妃たちの変調に気付けなかった己に対しても…
(悪いことを、したな…)
平和だったこの国に、自分というイレギュラーが紛れ込んだことで不和を招いてしまった。やはりロジアンの言う通り、ハーレムなんてただ気を遣うだけの代物なのかもしれない。全員を平等に愛するなんて、土台無理な話なのだ。
(…って、この言い方だと俺に寵愛が偏ったみたいな感じになっちまうな)
そういうことではない、と思う。ただ自分のそばにいるのが気楽であったことは確かかもしれないと、龍之介は考える。いくら王様だって、妃たちの機嫌は取りたいだろうから。
(その点俺の機嫌は取る必要ないもんな。そりゃ、気軽に足を運びたくもなるさ…)
だがそんな事情は彼女たちの知ったことではない。今回のことは、情報をしっかり開示しなかったことが原因であり、問題だったのだ。ただそれだけのことなのである。
「まあ、結果こうしてピンピンしてるんだし、もういいじゃん」
「よくはないが、あれ以降父上が頻繁に後宮に籠るようになった。おかげでこうして貴様と会う時間が取れるようになったのは僥倖だったな」
「………ロジアンてさ、そうは言いつつも手出してこないよな?」
なんで?と率直な疑問を口にする。と、「そういうことは夫婦になってからするべきだ」とまさかの返答がかえってきた。
「もしかして童…」
「そんなわけがないだろう」
「でっ、すよねー」
「今貴様を抱いても父上から奪ったことにはなるまい。比較されるのも父上を喜ばせるのも御免だ」
「ごもっとも…」
今ロジアンが自分に手を出せば、スピネルは嬉々として乱入してくるだろう。なんというか、あの王様は単に複数プレイが好きなだけなのかもしれない…疑惑…
「相手には困っていないからな。それより貴様とはこうして顔を合わせて話をしていたい」
「体目当てじゃないのって新鮮…」
「勿論抱いて欲しいのなら吝かではないが」
「いえ、結構です」
そもそも嫁にもなりませんし、と付け足すと、そこはスルーされる。どないやねん。
「それで、件の事件に関与した王妃は判明したのか?」
「ああー…それなんだけど、追求しないで欲しいってお願いしたんだ」
「何故だ?いくら王妃といえど、罪は罪だ。当然犯した罪は償わねばなるまい」
「罪っていってもさ、実際はちょっと嫌がらせしてやろうくらいの気持ちだったんだろ?俺が虚弱だったからこうなっちまっただけでさ」
「大事なのは経緯ではなく結果だ。貴様が死にかけたことは揺るぎない事実だろう」
「こうして今元気に問題なく過ごせてるのも結果だろ?兎に角あんまり大事にしたくないんだ、スピネルだって……ああ見えて気にしてるだろうしさ…」
「父上が気にするのは当然のことだ。自らの蒔いた種だからな」
「し、辛辣ぅ」
これが5才の言うことだろうか。
しかしまあ、自分の心配をしてくれていることだけは確かだろう。龍之介はそこだけは「ありがとな」と気持ちを受け取ることにする。そのついでに白いたてがみのような髪の毛を撫でてやると、存外気持ち良さげに目を瞑るので、それが可愛くて暫く頭を撫で撫でしながら過ごす。こうしていると、随分子供らしくも見えるんだけどなあ、なんて思ったりしながら。
(悪いことを、したな…)
平和だったこの国に、自分というイレギュラーが紛れ込んだことで不和を招いてしまった。やはりロジアンの言う通り、ハーレムなんてただ気を遣うだけの代物なのかもしれない。全員を平等に愛するなんて、土台無理な話なのだ。
(…って、この言い方だと俺に寵愛が偏ったみたいな感じになっちまうな)
そういうことではない、と思う。ただ自分のそばにいるのが気楽であったことは確かかもしれないと、龍之介は考える。いくら王様だって、妃たちの機嫌は取りたいだろうから。
(その点俺の機嫌は取る必要ないもんな。そりゃ、気軽に足を運びたくもなるさ…)
だがそんな事情は彼女たちの知ったことではない。今回のことは、情報をしっかり開示しなかったことが原因であり、問題だったのだ。ただそれだけのことなのである。
「まあ、結果こうしてピンピンしてるんだし、もういいじゃん」
「よくはないが、あれ以降父上が頻繁に後宮に籠るようになった。おかげでこうして貴様と会う時間が取れるようになったのは僥倖だったな」
「………ロジアンてさ、そうは言いつつも手出してこないよな?」
なんで?と率直な疑問を口にする。と、「そういうことは夫婦になってからするべきだ」とまさかの返答がかえってきた。
「もしかして童…」
「そんなわけがないだろう」
「でっ、すよねー」
「今貴様を抱いても父上から奪ったことにはなるまい。比較されるのも父上を喜ばせるのも御免だ」
「ごもっとも…」
今ロジアンが自分に手を出せば、スピネルは嬉々として乱入してくるだろう。なんというか、あの王様は単に複数プレイが好きなだけなのかもしれない…疑惑…
「相手には困っていないからな。それより貴様とはこうして顔を合わせて話をしていたい」
「体目当てじゃないのって新鮮…」
「勿論抱いて欲しいのなら吝かではないが」
「いえ、結構です」
そもそも嫁にもなりませんし、と付け足すと、そこはスルーされる。どないやねん。
「それで、件の事件に関与した王妃は判明したのか?」
「ああー…それなんだけど、追求しないで欲しいってお願いしたんだ」
「何故だ?いくら王妃といえど、罪は罪だ。当然犯した罪は償わねばなるまい」
「罪っていってもさ、実際はちょっと嫌がらせしてやろうくらいの気持ちだったんだろ?俺が虚弱だったからこうなっちまっただけでさ」
「大事なのは経緯ではなく結果だ。貴様が死にかけたことは揺るぎない事実だろう」
「こうして今元気に問題なく過ごせてるのも結果だろ?兎に角あんまり大事にしたくないんだ、スピネルだって……ああ見えて気にしてるだろうしさ…」
「父上が気にするのは当然のことだ。自らの蒔いた種だからな」
「し、辛辣ぅ」
これが5才の言うことだろうか。
しかしまあ、自分の心配をしてくれていることだけは確かだろう。龍之介はそこだけは「ありがとな」と気持ちを受け取ることにする。そのついでに白いたてがみのような髪の毛を撫でてやると、存外気持ち良さげに目を瞑るので、それが可愛くて暫く頭を撫で撫でしながら過ごす。こうしていると、随分子供らしくも見えるんだけどなあ、なんて思ったりしながら。
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