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宦官の陰謀
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トパーズが自らの倍体である杖を振り上げた。
「いい加減まだるっこしい、そこの魔導士、障壁は張れるな」
その場にいたトパーズ以外の全員がバジリコの背後に回る。
バジリコは全身全霊で前方に障壁を張り巡らせた。
衝撃も何も感じなかった。ただすべてが真っ白に塗り替えられた。
あまりに大きな力は巨大故に知覚できないのだとバジリコは初めて知った。
漸く感覚が元に戻った時感じたのは異様な熱さだった。
石造りのはずの床が泡立っていた。あまりの高熱に床の表面が溶け沸騰したのだと悟ったバジリコは慌てて冷却の札を取り出して周囲を冷やす。
「うあ」
直撃を受けた石像は半ば溶解し半ば原形を保っていた。
「これ、普段はどうしてたの?」
ジャスミンが素朴な疑問を口にした。
「確か、許可されたものだけが持つ首飾りがあったはずだ。おそらく首飾りを持たないものが近づいたときだけこのように動き出す仕掛けだったのだろう」
サファイアの言葉にバジリコは首をかしげる。
「なら、どうして私たちにそれを貸してくれなかったのでしょう」
「さあ、確かその首飾りを持てるのも宦官のみだったが」
「いや、それ駄目でしょう、どう考えても任務失敗を狙ってるよ」
ミントがうがったことを言う。物事をねじ曲がった方向に受け取るのはミントの常だがこの場合はそれほど間違っていない気がした。
「まあ、このまま後宮が果たして再建されるか大いに怪しいだろうな」
サファイアの言葉にバジリコも納得する。
外から見ても後宮の建物は巨大と言ってもいい規模だった。
そこに百と数十人の女たちが生活していたのだ。
再建には巨額がつぎ込まれることになる。その金額を今の赫王家が出せるのだろうか。
「この後宮は百数十年ほど前、国が今より数倍豊かだった時に建てられたと聞いておりますから、今ではとてもとてもですわ」
オパールはさっきよりはるかに破壊された壁を物悲し気に見つめる。
さぞや壮麗だったであろうそれはろくに見てもらうこともなく空しくその場にあり続けついには無残に破壊されたのだ。
「ですが、これから急がねばなりません。後宮の最奥帝王様をお迎えする場所ではありますが、さらにその向こうには帝王様の住まわれる場所があります。今はおそらく固く扉が閉ざされておりますでしょうが、それでもそれを突き破っていく化け物が出るかもしれません」
オパールはそう言ってそっと手の中の磁石を見た。
進む方向を確かめる。
「確かに帝王様にもしものことがあればお仕えする我らの罪、死んでお詫びすることも考えなければな」
サファイアの言葉に側室たちは全員頷く。
「でも宦官が一番悪いよね」
いままでは不親切だと思っていたが、もはやこれは妨害行動ではとバジリコは思っていた。
「いい加減まだるっこしい、そこの魔導士、障壁は張れるな」
その場にいたトパーズ以外の全員がバジリコの背後に回る。
バジリコは全身全霊で前方に障壁を張り巡らせた。
衝撃も何も感じなかった。ただすべてが真っ白に塗り替えられた。
あまりに大きな力は巨大故に知覚できないのだとバジリコは初めて知った。
漸く感覚が元に戻った時感じたのは異様な熱さだった。
石造りのはずの床が泡立っていた。あまりの高熱に床の表面が溶け沸騰したのだと悟ったバジリコは慌てて冷却の札を取り出して周囲を冷やす。
「うあ」
直撃を受けた石像は半ば溶解し半ば原形を保っていた。
「これ、普段はどうしてたの?」
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「確か、許可されたものだけが持つ首飾りがあったはずだ。おそらく首飾りを持たないものが近づいたときだけこのように動き出す仕掛けだったのだろう」
サファイアの言葉にバジリコは首をかしげる。
「なら、どうして私たちにそれを貸してくれなかったのでしょう」
「さあ、確かその首飾りを持てるのも宦官のみだったが」
「いや、それ駄目でしょう、どう考えても任務失敗を狙ってるよ」
ミントがうがったことを言う。物事をねじ曲がった方向に受け取るのはミントの常だがこの場合はそれほど間違っていない気がした。
「まあ、このまま後宮が果たして再建されるか大いに怪しいだろうな」
サファイアの言葉にバジリコも納得する。
外から見ても後宮の建物は巨大と言ってもいい規模だった。
そこに百と数十人の女たちが生活していたのだ。
再建には巨額がつぎ込まれることになる。その金額を今の赫王家が出せるのだろうか。
「この後宮は百数十年ほど前、国が今より数倍豊かだった時に建てられたと聞いておりますから、今ではとてもとてもですわ」
オパールはさっきよりはるかに破壊された壁を物悲し気に見つめる。
さぞや壮麗だったであろうそれはろくに見てもらうこともなく空しくその場にあり続けついには無残に破壊されたのだ。
「ですが、これから急がねばなりません。後宮の最奥帝王様をお迎えする場所ではありますが、さらにその向こうには帝王様の住まわれる場所があります。今はおそらく固く扉が閉ざされておりますでしょうが、それでもそれを突き破っていく化け物が出るかもしれません」
オパールはそう言ってそっと手の中の磁石を見た。
進む方向を確かめる。
「確かに帝王様にもしものことがあればお仕えする我らの罪、死んでお詫びすることも考えなければな」
サファイアの言葉に側室たちは全員頷く。
「でも宦官が一番悪いよね」
いままでは不親切だと思っていたが、もはやこれは妨害行動ではとバジリコは思っていた。
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