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おまけ
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「今日は、新しい苗を植えます」
セシリアは晴れ晴れとした笑顔で言った。
花壇に穴を掘る。力仕事は男の仕事と、テオドラがテオドールにスコップを渡す。
穴と言っても小さな花の苗だ。せいぜいスープボウルぐらいの深さ、それを三つくらい大した力仕事でもない。
そう思っていたテオドールは二つ目の穴で、ミミズの塊を掘り出してしまい悲鳴をかみ殺した。
「あら、いいミミズ」
セシリアはその蠢く、くすんだピンク色の物体を微笑ましげに見つめる。
「いいミミズが育つ土はいい草が生えるのよ」
鳥肌をこらえて、恐る恐る、テオドールは三つ目の穴に向かった。
「虫が出ているわね」
セシリアが眉をしかめる。テオドラが虫に食われた葉っぱを見て顔をしかめた。
セシリアは長い針を片手にぶすぶすと芋虫を貫いて行く。
その光景にテオドールはさらに硬直した。
たまたま庭を歩いていた父親に助けを求めようとする。しかし三人の様子を一瞥すると急速に歩幅を広げ最後は全力疾走で逃亡して行った。
薄情者と心中で罵りながは、背後で次はナメクジ退治というセシリアの朗らかな声を聞いた。
セシリアは晴れ晴れとした笑顔で言った。
花壇に穴を掘る。力仕事は男の仕事と、テオドラがテオドールにスコップを渡す。
穴と言っても小さな花の苗だ。せいぜいスープボウルぐらいの深さ、それを三つくらい大した力仕事でもない。
そう思っていたテオドールは二つ目の穴で、ミミズの塊を掘り出してしまい悲鳴をかみ殺した。
「あら、いいミミズ」
セシリアはその蠢く、くすんだピンク色の物体を微笑ましげに見つめる。
「いいミミズが育つ土はいい草が生えるのよ」
鳥肌をこらえて、恐る恐る、テオドールは三つ目の穴に向かった。
「虫が出ているわね」
セシリアが眉をしかめる。テオドラが虫に食われた葉っぱを見て顔をしかめた。
セシリアは長い針を片手にぶすぶすと芋虫を貫いて行く。
その光景にテオドールはさらに硬直した。
たまたま庭を歩いていた父親に助けを求めようとする。しかし三人の様子を一瞥すると急速に歩幅を広げ最後は全力疾走で逃亡して行った。
薄情者と心中で罵りながは、背後で次はナメクジ退治というセシリアの朗らかな声を聞いた。
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