この世界はわたしが創ったんだから、わたしが主人公ってことでいいんだよね!? ~異世界神話創世少女 vs 錯誤世界秩序機能~

儀仗空論・紙一重

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起承転結《 》

――   新異世界より    ―ー⑥

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「わたし達は、“始源拾弐機関”。この錯誤世界、ミスティカエラの秩序機能。旧支配者、なんてそんな傲慢な存在じゃない」

 そう、“始源拾弐機関”はただ、この世界を維持するだけの機能でしかない。

 誰かを、何かを支配している、なんてことはありえない。きっと未だ会えていない“始源拾弐機関”にだってそんな機能はないはずだ。

 でも、何かを支配するのは、自然の摂理? それとも、理性あるものの傲慢?

 希望を司る……と思いたいわたしは、見たこともない、顔も知らないひと達のために一体何ができるのだろうか。いや、その考えはおこがましいのかもしれない。

「ふーん、“始源拾弐機関”はこの世界のために何もしてくれないのか」

 何気なくジーナがそう呟いたのが、ずきりと心に刺さる。そう、わたし達はきっと変わってしまった世界のために何もできない。

 わたしの創った世界はもうない。

 神様が創ったこの新世界が善いか悪いかはわたしが決めることじゃない。この世界の住人だけが決めること。

 だけど、納得はいってない。これはわたしの物語のはずだった。ウキウキで綴っていたものを好き勝手に改変されたんだ、納得するはずがないじゃない。

 この世界はわたしや“始源拾弐機関”がいなくても廻ってる。

 わたし達はすっかり忘れ去られてしまった物語だ。

 だったら、今まで通り。

 わたしはわたしの物語を綴ろう。

 だれにも語られることはないかもしれないけど、わたしのための物語、を。

「そう、わたし達は何もできないの、でも、」

 だから、わたしの物語が少しでも優しい物語になるように、そのためにわたしは彼らに手を差し伸べよう。ちっぽけで何もできない手だけどさ、今は確かに熱を持っている。彼女らを引っ張ってちょっと立ち上がらせるお手伝いくらいはできるんじゃないかな。

「それならさ、せめて、一緒にこの国を壊しちゃおっか」

 だって、そういう物語の方が素敵でしょ? 後味いい方が読後感が違うじゃん。この物語にメリーバッドエンドなんてだれも望んじゃいないでしょ。

「それさー、完全に悪者じゃない?」

「違うわ、革命と言ってほしいわね」

 そう、この壊れた世界に革命を。

 この物語に、転、を。そして、その先を。

 わたし、という存在を塗り潰された真っ黒なページに綴るんだ。無色透明真っ白ならきっと何か残せるでしょ。真っ黒の中の真っ白な点ほど目障りな存在もないでしょ。

「っていうか、アンタなら簡単にお城に入れるよ」

「え、マジ?」

「だって、アンタかわいいもん、きっとアイツも気に入るって、」

 あ、なんかイヤな予感がする。ジーナの小悪魔的笑顔は初対面のわたしにも物怖じしない陽気な性格と小気味良く鳴るじゃらじゃらピアスのおかげで、ついつい気を許してしまいそうになるけど、うん、わたしにはもうわかってる。その提案はわたしが最も苦手とするものだってことが。

 わたしはそういうので売ってないんだけどなー。い、一応全年齢対象でやらせてもらってる物語なんだけどなー。

「アンタにゃ及ばないけどアタシだって容姿は悪くないと思ってる。アウトローらしくハニートラップとしゃれこまないかい、キティちゃん?」

「わたし、この物語の主人公ですけど!?」



    ーーMagic Mirror, on the wall, who is the fairest one of all?
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