この世界はわたしが創ったんだから、わたしが主人公ってことでいいんだよね!? ~異世界神話創世少女 vs 錯誤世界秩序機能~

儀仗空論・紙一重

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        白紙        

ーー  縺九∩縺斐m縺  ーー①

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「小鳥遊 小烏丸、アナタは神様なんかじゃない、アナタは本当は何者なの?」

 壊れた世界の果てに、彼女はいた。

 終わった物語の末に、彼女はいた。

 そんな世界にはあまりにも似つかわしくない似非メイド、小鳥遊 小烏丸はただ、何の感慨もなくそこに立ち尽くしていた。

「……神ですよ。それ以外になんだっていうんですか? 存在Ⅹとでも名乗れとでもいうんですか?」

 彼女は今、自身が成し遂げた偉業を前にして、何を考えているんだろう。

 彼女はどうして、そんな表情でわたしを見ているんだろう。

 彼女はこの世界を一体どうしたかったんだろう。

「それに、神以外にこんなことできるでしょうか? 見てみてくださいよ、この異世界神話創世を」

 ゆっくりと両手を広げ、この物語の残酷な結末を見せつけるように。

 だけど、虚勢を張っているようにも見える彼女の姿に、世界の破滅を成し遂げてしまったラスボスとの最終決戦を目前にして、何故かわたしはそんな余計なことばかりを考えていた。

「ええ、そうですよ、ワタクシは異世界より転生者を呼び出し、能力を最大限以上に引き上げ、そして、それぞれが望む魔法や異能を好きなように与えることができるのですよ?」

 まるでわたしじゃなくて自分にそう言い聞かせているみたい。でもさ、それならどうして、この神の如き異世界神話創世少女、小鳥遊 小烏丸はそんな表情をしているんだ。

「ワタクシこそがこの世界の神なのです」

 彼女が創った、いや、壊したこの世界はまるで真っ白なページだ。彼女はきっと、この錯誤世界を壊す最後の仕上げとして他の“始源拾弐機関”を壊した。だから、この世界は、真っ白で何もない。

 ここにあるのは果てしなく続く真っ白な大地と灰色の空だけだった。

 そう、わたしが物語を綴る前の、ラフィーナと一緒にいたあの世界と一緒だ。

 この世界でインクの染みはわたし達だけ。

 色彩が失われた世界は、深い悲しみのように静かだった。

 モノクロームよりもひどい、サイレントよりもなお滑稽だ。

 これが、彼女の望んでいた世界なの?

 こんなんじゃあ、夢も希望もあったもんじゃない。
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