イマジンコード・オーバー・ザ・シンギュラリティ~少年は幻想魔剣の夢を見るか~

儀仗空論・紙一重

文字の大きさ
9 / 48
2.BADSCHOOL

のるかそるか

しおりを挟む
「おいおい、能無しルジネ、授業サボって彼女を見せびらかすなんてよっぽど嬉しかったのかァ?」

 チャイムが鳴って、なんか一緒について来ようとするメグリを(渋々)引き連れて屋上から戻ってみれば。

 ぎらついた金髪をオールバックに固めた大柄な青年、見上げるような大男、アハルギ・遠瀬・グランバックとその取り巻きがオレ達の前に立ちふさがる。クソかよ、今までのマシだった気分が台無しだ。

 アハルギは大企業の御曹司だかなんだかだ。興味ない、知らん。

 つまりだ。

 その辺の雑魚、つまりオレなんかに構っているような小物じゃないはずなのに。

 だけど、入学したときから何故かやたらと突っ掛かってくる。本当に意味がわからん。

「こんな痛烈ド畜生なちんちくりんが彼女なわけあるか」

「ひどすぎる!」メグリの悲鳴は無視。

 アハルギの身体自体に機械的な部分は見えないけどその山のように盛り上がった筋肉質な体格は完全に生身じゃあり得ないほどに膨れ上がっている。

 猛禽じみた金色の瞳でオレを見下ろす3倍はありそうなこんなのが同級生だと? おいおい身体改造もいい加減にしてくれよ。

「つーか、いきなり気安く話しかけてその言い方はなんだ。話しかけんな、コミュ障」

「ああ? んだと、こら……」

「やめなさい、ワタシがいるところで喧嘩は許さないよ」

 メグリがオレとアハルギの間に仁王立つけど、大した迫力はない。なんかちっこいのが立ってるなあ、くらいの迫力だ。

「おやおや、生徒会長殿、いらしたのですね、気づきませんでした」

「オレも小さすぎて見落としてたわ」

「おい、さっきからワタシのために突っ掛かってたんじゃないのかい!?」

 そして、アハルギはオレの魔剣に気付く。やっぱり心臓にナイフが突き刺さっているってめっちゃ目立つよな。

「しかし、気色悪い聖遺物だな、どうやって手に入れたんだ、魔力無しのてめえなんかが」

「お前に教える筋合いはねえ、つーか、誰が好きでこんなもん心臓に突き刺すかよ」

 そして、何か良からぬことを企んだのか、にやりと大きく口角を引き上げる。

「喧嘩は確かに禁止されている、当たり前だよな、暴力反対」

 ああ、これはイヤな予感がする。

 取り巻き共もにやにや笑っている。クソ、メグリと一緒にいるとなんだかトラブルに巻き込まれるような気がする。

 今すぐ撹乱魔法を使って何もかもから逃げ出してしまわないといけないような最悪の事態。

 それが今から起きてしまう、そんな予感。

「じゃあ、決闘ならどうだ? なあ、生徒会長サマ?」

「……互いの同意さえあれば決闘として認める、う、それは……」

「はッ、なら俺はてめえに決闘を申し込むぜ! 立会人は生徒会長、てめえだ」

「なあ、受けるよな、玉無し野郎?」

 こういう予感だけはなぜか的中してしまう。

 うんざり吐息。

「……ああ、いいよ」

「ちょっと、ルジネ!?」

「ははッ、じゃあ決まりだ、後悔しろ、無改造の原始人」

「ねえ! 彼もゲームの上位ランカーよ、大餓、アハルギ。ルジネに勝てるはずが」

「ま、やってみるさ、今までだって散々負けまくってるんだ、今さら一敗したところで何も変わら」

「決闘の報酬はお前だ、生徒会長! 俺が勝ったらそいつを好きなようにさせてもらう、いいな?」

「にゃッ!?」

「すまん、メグリ、オレのために」

「なんでワタシが犠牲になる前提なの!? そこは勝ってよ!」

「ま、この魔剣がどういう物なのか練習試合みたいなもんだ、別にランカーに興味があるわけじゃねえし気楽にいこうぜ」

「ワタシの命運が安い!」

「はははッ、これでようやくルジネを真っ向から叩き潰せるぜ!」

 それはまるで雄叫びのようで、廊下に響き渡るそれを聞いた生徒達が教室からオレ達の様子を伺っている。

「つーか、なんでオレなんかに突っ掛かるんだよ、オレ何かした?」

「んなもんてめえには関係ねえよ」

 全くもって意味がわからんな。やっぱり学校なんてロクなもんじゃねえ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ

のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
 リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。  目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。 荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。 十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、 ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。 ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、 領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。 魔物被害、経済不安、流通の断絶── 没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。 新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...