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6.IN THE DARK
死してなお、死ねというのか
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「なあなあ、親愛なる我が主よ、あの聖剣使いに負けて絶望したか? いひひ、絶望したかや?」
その死ぬほどに聞き覚えのある嘲笑は、どろりと粘付く闇の中では無性に心温まるような気がした。完全に気の迷いだろう。だけど、この何も見えない無明の中で独りじゃないっていうのはそれだけでありがたいものだと痛感した。確実に気が動転している。
ここがどこかは知らんが、今のオレは自身の身体を離れた意識だけの存在、そう、電脳体みたいなモンになっているらしかった。「いひひ、主らは決して魂の存在を認めようとはせんな」
ごぽりと闇に浮かぶ。
何も見えやしないけど、それでもゆっくりと周囲を見渡す。
これが死後の世界だ、なんてとても思えず。
ここは、死すらも超越した虚無だ。いや、死んだことなんてあるわけないけど、この真冬の夜のように肌に突き刺さる冷たさになんとなくそう思った。
死の先にはこんなものしかないなんて。いや、何も存在していない。反吐が出そうだ。
オレは今まさにどいつもこいつも憧れた場所にいるってのに。
ここはあまりにも虚しい。
ぽっかりと身体の中心に孔が空いているみたいだ。いや、もしかしたら本当に孔が空いているのかもしれない、魔剣はもうあいつに引き抜かれてしまった。
何もない、なんてこの最先端の世界でだって証明不可能なのに、それがここにはある。ただひたすら無が有るんだ。
こんなふざけた場所にいるってことは、今のオレは死にかけか、あるいはもうすでに死んでいるのか。少なくとも生きてはいなさそうな感じだ。
オレの身体に魔剣は突き刺さっていなかった。
いや、それどころか何も身に付けていなかった。
人の域に留めておいたオレのカタチが本来の姿を取り戻していく。
人の欠けた呪縛を解いて、人を超えた神に近い存在へと変わっていく。
天と地の万物を紡ぎ、拒補正の巨大なうねりの中で、自らをエネルギーの凝縮体に変身させているんだ。
純粋に人の願いを叶える、ただそれだけの為に……
「……何を言うておるのじゃ、主は」
そうして、その珍しく呆れ果てたその声にハッと我に返ると。
急激にあの無様な死の瞬間がフラッシュバックしてオレを苛む。
オレは負けた。
完全に負けた。手も足も出なかった。逆説的な結果を覆すことは主人公にすらなり得ないオレにはできやしなかった。
悔しさすら吐き出せないほどに完膚なきまでに負けた。
だからこそ。
何も持たない、何もかもを失ったクソ弱いオレは。
こんな闇にすら縋ろうとしてしまう。
「お前は……」
ごぽり、水中にいるみたいに闇に泡沫が浮かんではすぐに消えた。
オレが漂うすぐそこにいたのは。
漆黒にすら良く映える緩くウェーブがかった長い黒髪が闇に揺蕩う。
白ではなく黒い眼の中で爛々と輝くのはマーブルに揺れる人間離れした瞳。それが嗜虐的にオレを嘲笑っている。
彼女の口元は、何かを囁くように歪み、その表情からはどこか触れてはいけない毒の魔性が漂っている。
「お前、もしかして……」
「そう、わらわこそ超絶怒涛空前絶後の最強最カワ美女、アウラじゃ」
にやり、狡猾な笑みが浮かぶ。
まさにイメージ通り、いや、それを遥かに凌駕するほどの想像以上にとんでもない美女だった。
人間が想像することすらできない美。
名状しがたい美。
メグリにほのか、カグラ先生やキリさんに、それに、しとりもだ、オレの周りにはなぜか色んなタイプの美女、美少女がいたけれど、今目の前にいるのは彼女達とは比べものにならないほどの、まさに人外の美しさを持っていた。その美しさは、まるで彼女が神話や伝説に登場する美神のようだと感じるほどだった。カミサマなんて信じてねえのに。
目の前にいる女神の顔立ちは、暗闇の中でもまるで天使のように輝き、細い眉毛や長いまつ毛、くっきり高い鼻筋、そして嘲笑を湛えて赤く潤んだ唇、すべてが完璧に整っていた。だけど、それでいてその顔にはひどく歪んだ嗜虐性があった。その漂う優雅さと相まって、誰しもが否応なしに彼女に惹かれてしまうことは間違いなかった。
さらに、彼女の身体はまるで瑞々しい果実のように輝いていた。長く美しい黒髪が彼女の背中に揺れ、そこから覗く肌の美しさはまさに圧巻だった。その肌は、まるで宝石のような透明感があって、ふわりと麻薬のような危険な香りが漂うようだった。
そして、彼女の着ているどこかの異国の装束のような不思議な衣裳もまた、その美しさに磨きをかけていた。彼女の身体をふわりと包むワンピースは、黒いレースでできており、彼女の白く美しい肌を隠すどころか、その美しさを更に際立たせている。また、その下に着ているのは、黒革のミニスカートで、そのスカートからは眩いほどの脚の美しさが覗く。彼女が履いている靴の先には鋭く尖った金属のつま先が付いている。
彼女はまるで、美と優雅さの象徴のように見えた。オレは闇の中でさえ光り輝く彼女の美しさに圧倒され、その美しさがどこまでも続くような気がしてならなかった。彼女の美しさは、まさにこの世界の常識を超えた、異次元の美しさだった。
そう、この魅力に取り憑かれてはいけない。
それは破滅に他ならない。
ぬるりとした破壊が形を持っている。目の前の魔性の女はそういうものだ。
彼女がオレの方をちらりと見る、その瞳からは深い妖艶さが漂い、その視線には明らかな嗜虐性が感じられた。
許容を越えた美しさに怯むオレは、まさに射竦められたただのバグネズミになった気分だった。
オレは、彼女がもしかしたら何かを企んでいるんじゃないかと感じ、その不気味な雰囲気に背筋が凍りつく。
そう。
人智を越えたアウラのその姿は。
ムカつくぐらいに美しかった。
「えへへ、惚れたかや? 契約更新しちゃうかや?」
「……お前と契約するなんて、そんなイカれたやついんかよ」
光にすら形容されるその溢れ出す美に麻痺した脳みそから、かろうじて捻り出したその言葉にアウラは満足げに嗤う。「あはは、それでこそ我が主じゃ」
その嗤い方があまりにも無邪気で悪意に溢れていて、その不意打ちに思わずどきりとしてしまう。
「……ここはどこだ?」
「えっ、こ、ここは、わらわの中じゃ、言わせるな、恥ずかしいじゃろ」
「いや、やめろよ、なんか頬赤らめるのはやめろ、別にそんなえっっっなことないやろがい!」
そして、思わずアウラから目を背けるも、オレはじわりと気付いた。
さっきは何とも思わなかったけどよく考えたらこの状況はおかしいだろ。
どうしてアウラがこんなところで、こんな人間みたいな姿でオレの前にいるんだ?
こいつは女神みてえに度を超えた美女ってだけで、なにも死神ってわけじゃあるまいし。
「……なあ、オレの心臓に刺さってた魔剣はどこにいった?」
無性に何か嫌な予感がする。それの正体が何かはわからない。
だけど。
じりじりと首筋を焦がすような。それを聞いてしまうことで逃れられない破滅の運命を否が応にも自覚してしまうような。
今は何もない胸の辺りを触るオレに対して、アウラは妖しくその魔性の眼差しをオレに向けるだけだった。どうやら、アウラは他人に対して主導権を握ることに至上の悦びを感じているらしい。
「勘のいい主は嫌いじゃよ」
ふわり、闇の中に浮かぶ。まるで重さなんてないかのように滑らかな動き。オレに寄り添うその指が何も刺さっていない胸をつうっとなぞる。それだけで白目を剥いて絶頂しそうになるのを必死に堪える。
そうして、その完璧な比率を嗜虐によってさらに彩るる顔をオレに近づけると。
「いひひ、誰がそっちが本体だと言った? 主と交わした契約こそわらわの本質じゃ」
にやり、その蠱惑的な口を大きく歪ませて嗤った。
アウラはぞくぞくと愉悦に震える。まるで、苦労して探し当てた宝箱の中身が想い人の腐った臓物で、それを楽し気に見せびらかすかのように。
「……クソ、趣味が悪すぎる、ひとの心臓に剣ぶっ刺しといてそれはお飾りでしたとか」
アウラを無理やり突き放すと、ふわり、意外にも彼女の身体は無抵抗に離れる。
彼女はもうすでに自身の目的をひとつ果たして満足したのだ。だから、もうオレに突き飛ばされても、どうでもいい。
目の前の超絶美女のアウラは。確かにオレの心臓に突き刺さってた魔剣、アウラだ。つまり、あの魔剣はアウラの本体じゃなかった。
あのナイフ自体は契約が具現化しただけ。本体は契約そのもの。クソッタレかよ。
「主がそのカタチを望んだのじゃ、」
契約の聖遺物。
それが、アウラの正体。
恍惚に震えてその真っ白な両手を自身の顔にやるその仕草はまるで、歪んで瓦解してしまうのを押さえつけているかのよう。
「死を司るカタチと、死そのものを」
オレが漠然としかイメージしていなかった、死、という概念。
この世界じゃあずいぶん薄っぺらなもんになったと思っていたのに。
アウラは、そう、死を契約というカタチで突き付ける聖遺物は。
それをあんなにもグロテスクな魔剣として具現化しやがった。
「……いい加減、お前の正体を教えろ、魔剣でもなけりゃ聖遺物でもない、それじゃあお前は何なんだよ」
すると、アウラは驚いたように少しだけ目を見開いた。……ん? なんだ、予想外の反応だ、なんだ、その意外とかわいい表情は。
「よもや、わらわの名を聞きたがる者がいようとは」
「はあ? なんだそれ、誰だってお前の名前が一番気になるだろうが」
「うふふ、よかろう、主らの世界とは位階の異なるここでならばわらわの真名も理解出来よう」
アウラはすぐにまたさっきみたいな妖しげな嘲笑を湛えた表情になった。この短期間にギャップ萌えを発動させないでほしい。こんなところでキュンしたくない。
「わらわの真名は――」
その死ぬほどに聞き覚えのある嘲笑は、どろりと粘付く闇の中では無性に心温まるような気がした。完全に気の迷いだろう。だけど、この何も見えない無明の中で独りじゃないっていうのはそれだけでありがたいものだと痛感した。確実に気が動転している。
ここがどこかは知らんが、今のオレは自身の身体を離れた意識だけの存在、そう、電脳体みたいなモンになっているらしかった。「いひひ、主らは決して魂の存在を認めようとはせんな」
ごぽりと闇に浮かぶ。
何も見えやしないけど、それでもゆっくりと周囲を見渡す。
これが死後の世界だ、なんてとても思えず。
ここは、死すらも超越した虚無だ。いや、死んだことなんてあるわけないけど、この真冬の夜のように肌に突き刺さる冷たさになんとなくそう思った。
死の先にはこんなものしかないなんて。いや、何も存在していない。反吐が出そうだ。
オレは今まさにどいつもこいつも憧れた場所にいるってのに。
ここはあまりにも虚しい。
ぽっかりと身体の中心に孔が空いているみたいだ。いや、もしかしたら本当に孔が空いているのかもしれない、魔剣はもうあいつに引き抜かれてしまった。
何もない、なんてこの最先端の世界でだって証明不可能なのに、それがここにはある。ただひたすら無が有るんだ。
こんなふざけた場所にいるってことは、今のオレは死にかけか、あるいはもうすでに死んでいるのか。少なくとも生きてはいなさそうな感じだ。
オレの身体に魔剣は突き刺さっていなかった。
いや、それどころか何も身に付けていなかった。
人の域に留めておいたオレのカタチが本来の姿を取り戻していく。
人の欠けた呪縛を解いて、人を超えた神に近い存在へと変わっていく。
天と地の万物を紡ぎ、拒補正の巨大なうねりの中で、自らをエネルギーの凝縮体に変身させているんだ。
純粋に人の願いを叶える、ただそれだけの為に……
「……何を言うておるのじゃ、主は」
そうして、その珍しく呆れ果てたその声にハッと我に返ると。
急激にあの無様な死の瞬間がフラッシュバックしてオレを苛む。
オレは負けた。
完全に負けた。手も足も出なかった。逆説的な結果を覆すことは主人公にすらなり得ないオレにはできやしなかった。
悔しさすら吐き出せないほどに完膚なきまでに負けた。
だからこそ。
何も持たない、何もかもを失ったクソ弱いオレは。
こんな闇にすら縋ろうとしてしまう。
「お前は……」
ごぽり、水中にいるみたいに闇に泡沫が浮かんではすぐに消えた。
オレが漂うすぐそこにいたのは。
漆黒にすら良く映える緩くウェーブがかった長い黒髪が闇に揺蕩う。
白ではなく黒い眼の中で爛々と輝くのはマーブルに揺れる人間離れした瞳。それが嗜虐的にオレを嘲笑っている。
彼女の口元は、何かを囁くように歪み、その表情からはどこか触れてはいけない毒の魔性が漂っている。
「お前、もしかして……」
「そう、わらわこそ超絶怒涛空前絶後の最強最カワ美女、アウラじゃ」
にやり、狡猾な笑みが浮かぶ。
まさにイメージ通り、いや、それを遥かに凌駕するほどの想像以上にとんでもない美女だった。
人間が想像することすらできない美。
名状しがたい美。
メグリにほのか、カグラ先生やキリさんに、それに、しとりもだ、オレの周りにはなぜか色んなタイプの美女、美少女がいたけれど、今目の前にいるのは彼女達とは比べものにならないほどの、まさに人外の美しさを持っていた。その美しさは、まるで彼女が神話や伝説に登場する美神のようだと感じるほどだった。カミサマなんて信じてねえのに。
目の前にいる女神の顔立ちは、暗闇の中でもまるで天使のように輝き、細い眉毛や長いまつ毛、くっきり高い鼻筋、そして嘲笑を湛えて赤く潤んだ唇、すべてが完璧に整っていた。だけど、それでいてその顔にはひどく歪んだ嗜虐性があった。その漂う優雅さと相まって、誰しもが否応なしに彼女に惹かれてしまうことは間違いなかった。
さらに、彼女の身体はまるで瑞々しい果実のように輝いていた。長く美しい黒髪が彼女の背中に揺れ、そこから覗く肌の美しさはまさに圧巻だった。その肌は、まるで宝石のような透明感があって、ふわりと麻薬のような危険な香りが漂うようだった。
そして、彼女の着ているどこかの異国の装束のような不思議な衣裳もまた、その美しさに磨きをかけていた。彼女の身体をふわりと包むワンピースは、黒いレースでできており、彼女の白く美しい肌を隠すどころか、その美しさを更に際立たせている。また、その下に着ているのは、黒革のミニスカートで、そのスカートからは眩いほどの脚の美しさが覗く。彼女が履いている靴の先には鋭く尖った金属のつま先が付いている。
彼女はまるで、美と優雅さの象徴のように見えた。オレは闇の中でさえ光り輝く彼女の美しさに圧倒され、その美しさがどこまでも続くような気がしてならなかった。彼女の美しさは、まさにこの世界の常識を超えた、異次元の美しさだった。
そう、この魅力に取り憑かれてはいけない。
それは破滅に他ならない。
ぬるりとした破壊が形を持っている。目の前の魔性の女はそういうものだ。
彼女がオレの方をちらりと見る、その瞳からは深い妖艶さが漂い、その視線には明らかな嗜虐性が感じられた。
許容を越えた美しさに怯むオレは、まさに射竦められたただのバグネズミになった気分だった。
オレは、彼女がもしかしたら何かを企んでいるんじゃないかと感じ、その不気味な雰囲気に背筋が凍りつく。
そう。
人智を越えたアウラのその姿は。
ムカつくぐらいに美しかった。
「えへへ、惚れたかや? 契約更新しちゃうかや?」
「……お前と契約するなんて、そんなイカれたやついんかよ」
光にすら形容されるその溢れ出す美に麻痺した脳みそから、かろうじて捻り出したその言葉にアウラは満足げに嗤う。「あはは、それでこそ我が主じゃ」
その嗤い方があまりにも無邪気で悪意に溢れていて、その不意打ちに思わずどきりとしてしまう。
「……ここはどこだ?」
「えっ、こ、ここは、わらわの中じゃ、言わせるな、恥ずかしいじゃろ」
「いや、やめろよ、なんか頬赤らめるのはやめろ、別にそんなえっっっなことないやろがい!」
そして、思わずアウラから目を背けるも、オレはじわりと気付いた。
さっきは何とも思わなかったけどよく考えたらこの状況はおかしいだろ。
どうしてアウラがこんなところで、こんな人間みたいな姿でオレの前にいるんだ?
こいつは女神みてえに度を超えた美女ってだけで、なにも死神ってわけじゃあるまいし。
「……なあ、オレの心臓に刺さってた魔剣はどこにいった?」
無性に何か嫌な予感がする。それの正体が何かはわからない。
だけど。
じりじりと首筋を焦がすような。それを聞いてしまうことで逃れられない破滅の運命を否が応にも自覚してしまうような。
今は何もない胸の辺りを触るオレに対して、アウラは妖しくその魔性の眼差しをオレに向けるだけだった。どうやら、アウラは他人に対して主導権を握ることに至上の悦びを感じているらしい。
「勘のいい主は嫌いじゃよ」
ふわり、闇の中に浮かぶ。まるで重さなんてないかのように滑らかな動き。オレに寄り添うその指が何も刺さっていない胸をつうっとなぞる。それだけで白目を剥いて絶頂しそうになるのを必死に堪える。
そうして、その完璧な比率を嗜虐によってさらに彩るる顔をオレに近づけると。
「いひひ、誰がそっちが本体だと言った? 主と交わした契約こそわらわの本質じゃ」
にやり、その蠱惑的な口を大きく歪ませて嗤った。
アウラはぞくぞくと愉悦に震える。まるで、苦労して探し当てた宝箱の中身が想い人の腐った臓物で、それを楽し気に見せびらかすかのように。
「……クソ、趣味が悪すぎる、ひとの心臓に剣ぶっ刺しといてそれはお飾りでしたとか」
アウラを無理やり突き放すと、ふわり、意外にも彼女の身体は無抵抗に離れる。
彼女はもうすでに自身の目的をひとつ果たして満足したのだ。だから、もうオレに突き飛ばされても、どうでもいい。
目の前の超絶美女のアウラは。確かにオレの心臓に突き刺さってた魔剣、アウラだ。つまり、あの魔剣はアウラの本体じゃなかった。
あのナイフ自体は契約が具現化しただけ。本体は契約そのもの。クソッタレかよ。
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それが、アウラの正体。
恍惚に震えてその真っ白な両手を自身の顔にやるその仕草はまるで、歪んで瓦解してしまうのを押さえつけているかのよう。
「死を司るカタチと、死そのものを」
オレが漠然としかイメージしていなかった、死、という概念。
この世界じゃあずいぶん薄っぺらなもんになったと思っていたのに。
アウラは、そう、死を契約というカタチで突き付ける聖遺物は。
それをあんなにもグロテスクな魔剣として具現化しやがった。
「……いい加減、お前の正体を教えろ、魔剣でもなけりゃ聖遺物でもない、それじゃあお前は何なんだよ」
すると、アウラは驚いたように少しだけ目を見開いた。……ん? なんだ、予想外の反応だ、なんだ、その意外とかわいい表情は。
「よもや、わらわの名を聞きたがる者がいようとは」
「はあ? なんだそれ、誰だってお前の名前が一番気になるだろうが」
「うふふ、よかろう、主らの世界とは位階の異なるここでならばわらわの真名も理解出来よう」
アウラはすぐにまたさっきみたいな妖しげな嘲笑を湛えた表情になった。この短期間にギャップ萌えを発動させないでほしい。こんなところでキュンしたくない。
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