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第3話

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「ねえ、佐藤くん、知ってる?カレーうどんって風邪予防にも効果があるんだって」

「そうなんだ」

「うん、風邪をひいてるときもカレーうどんを食べれば治っちゃうらしいよ」

「それは凄いな」

「でしょう?うどんは消化にいいし、カレーのスパイスやニンニク、ショウガが免疫力を高めてくれるの」

「へえ~、勉強になるなぁ」

「だから、私と一緒に学食で食べよう!」

「ああ、もちろん」

こうして俺は講義の後、篠宮さんと一緒に昼食をとることになった。

俺と篠宮さんは大学の食堂で向かい合って座っていた。篠宮さんはカレーうどん、俺も今日はハラールカレーではなくカレーうどんを注文した。ちなみにカレーうどんに使われているカレーはハラールカレーではなく普通のカレーである。

「それじゃあ、いただきます」「いただきます」

俺と篠宮さんは食事を始めた。俺は箸で麺を掴み上げ、ちゅるっと口の中に入れた。

「美味しいね」

「うん、おいしい。やっぱり、ここのカレーは最高だよね」

篠宮さんの言う通り、この大学のカレーはかなりうまい。新潟のバスセンターにある有名店と味が似ている。

「ところで、さっき言ってたことなんだけど、篠宮さんはカレーのどんな効果が好きなの?」

俺は先ほど話していた内容について尋ねた。

「カレーに含まれているターメリックという香辛料には抗酸化作用があって、活性酸素を除去する働きがあるの。そのおかげで老化防止にもなるところが好きかな……」

「なるほど」

「それにカレーに含まれる辛み成分カプサイシンが血行促進効果をもたらしてくれるの。さらに食欲増進効果もあってダイエット効果が期待できるんだ」

「へぇ~、それは知らなかった」

「他にも、カレーの香りはストレス解消、記憶力の向上、脳の活性化など、様々な効果があると言われているんだよ」

「確かに言われてみると、そんな気がする」

「あと、カレーのスパイスは薬膳としても古くから食べられていた歴史もあるの。身体の疲れを取り、体力をつけてくれたり、便秘を解消してくれたりするんだよ」

「そうだったのか。すごいな」
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