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第3話
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「……魔王さま、何考えてるの?」
「い、いや、何でもないぞ」
ルーナがジト目でこちらを見つめてきたので、俺は慌てて誤魔化した。
「ふ~ん、まあいっか。それで話を戻すと、魔物は異性同士なら基本的にどんな相手とでも子どもを作ることは可能だよ」
「へぇ、じゃあ、俺とルーナが交尾しても問題はないってことだな」
「うん!」
ルーナは元気よく返事をした。
「それを聞いて安心したよ」
「ふふ、魔王さまったら♪」
「よし、でも……、こんなところじゃやりづらいよな……」
俺は周囲を見渡してみた。周囲には木々が立ち並んでおり、近くに建物などは見当たらない。ここは森の中とはいえ、いつ人が通りかかるかもわからない場所である。
「うーん……、魔王さま、とりあえずリディアに行ってみようよ」
「わかった。じゃあ、まずはリディアに向かうとするか」
「うん!」
こうして俺たちはリディアを目指すことにした。
***
しばらく歩いていくと、城壁に囲まれた都市が見えてきた。リディアの城壁には東西南北に門があるようだ。俺たちは東にある城門の方に近づいていった。歩きながらルーナと話す。
「ルーナ、俺は身分証とか持っていないんだけど、大丈夫だろうか?」
「魔王さまならきっと大丈夫だよ♪」
「そ、そうかな……」
(ちょっと不安になってきたな……)
俺が緊張しているうちに、すぐに城門の前に到着した。すると、衛兵らしき人物が現れた。
「止まれ、身分証を提示してもらおう」
「えっと、すみません。実は俺、田舎から出てきたばかりで、まだ身分証を持ってなくて……」
「なんだと?」
「だから、その……」
「お前は何者だ? どこから来た?」
「えっと……」
俺が何と答えればいいのか迷っていると、隣にいたルーナが一歩前に進み出た。そして、彼女は自分のギルドカードを衛兵に差し出した。
「はい、これでいいですか?」
「これは……」
衛兵はそのカードを見て驚いたような表情を浮かべた。
「SSランクの冒険者だと……!?」
「はい♪」
「ほぉ……」
衛兵は感心した様子でルーナのことを見つめている。一方、俺はというと、驚きのあまり固まってしまっていた。ルーナは俺と違ってギルドカードを作れたのか……。しかも、SSランク冒険者ときたものだ。
「どうやら本物らしいな……。失礼しました。それで、こちらの男は?」
「この男はラスタで指名手配された脱獄犯です。たまたまこの近くで見つけたので捕まえて連れてきました」
「なっ……!?」「ええっ!?」
突然の爆弾発言に俺は思わず叫んでしまった。しかし、ルーナは毅然とした態度で衛兵に向かって語りかける。
「リディアの冒険者ギルドにも指名手配が回って来るはずなので、このまま連行しようと思っています」
「ちょ、ルーナ、いきなり何を言って――」
「静かにしてくださいね?」
ゾクッ……、ルーナの有無を言わせぬ迫力の眼光によって、俺は黙り込んでしまうのだった。
「なるほど……。事情はよくわかりました」
衛兵は納得したように呟いた。
「そういうわけなので、この男を連行してもいいですよね?」
「はい、もちろん構いません」
「ありがとうございます♪」
ルーナは嬉々として言った。
「い、いや、何でもないぞ」
ルーナがジト目でこちらを見つめてきたので、俺は慌てて誤魔化した。
「ふ~ん、まあいっか。それで話を戻すと、魔物は異性同士なら基本的にどんな相手とでも子どもを作ることは可能だよ」
「へぇ、じゃあ、俺とルーナが交尾しても問題はないってことだな」
「うん!」
ルーナは元気よく返事をした。
「それを聞いて安心したよ」
「ふふ、魔王さまったら♪」
「よし、でも……、こんなところじゃやりづらいよな……」
俺は周囲を見渡してみた。周囲には木々が立ち並んでおり、近くに建物などは見当たらない。ここは森の中とはいえ、いつ人が通りかかるかもわからない場所である。
「うーん……、魔王さま、とりあえずリディアに行ってみようよ」
「わかった。じゃあ、まずはリディアに向かうとするか」
「うん!」
こうして俺たちはリディアを目指すことにした。
***
しばらく歩いていくと、城壁に囲まれた都市が見えてきた。リディアの城壁には東西南北に門があるようだ。俺たちは東にある城門の方に近づいていった。歩きながらルーナと話す。
「ルーナ、俺は身分証とか持っていないんだけど、大丈夫だろうか?」
「魔王さまならきっと大丈夫だよ♪」
「そ、そうかな……」
(ちょっと不安になってきたな……)
俺が緊張しているうちに、すぐに城門の前に到着した。すると、衛兵らしき人物が現れた。
「止まれ、身分証を提示してもらおう」
「えっと、すみません。実は俺、田舎から出てきたばかりで、まだ身分証を持ってなくて……」
「なんだと?」
「だから、その……」
「お前は何者だ? どこから来た?」
「えっと……」
俺が何と答えればいいのか迷っていると、隣にいたルーナが一歩前に進み出た。そして、彼女は自分のギルドカードを衛兵に差し出した。
「はい、これでいいですか?」
「これは……」
衛兵はそのカードを見て驚いたような表情を浮かべた。
「SSランクの冒険者だと……!?」
「はい♪」
「ほぉ……」
衛兵は感心した様子でルーナのことを見つめている。一方、俺はというと、驚きのあまり固まってしまっていた。ルーナは俺と違ってギルドカードを作れたのか……。しかも、SSランク冒険者ときたものだ。
「どうやら本物らしいな……。失礼しました。それで、こちらの男は?」
「この男はラスタで指名手配された脱獄犯です。たまたまこの近くで見つけたので捕まえて連れてきました」
「なっ……!?」「ええっ!?」
突然の爆弾発言に俺は思わず叫んでしまった。しかし、ルーナは毅然とした態度で衛兵に向かって語りかける。
「リディアの冒険者ギルドにも指名手配が回って来るはずなので、このまま連行しようと思っています」
「ちょ、ルーナ、いきなり何を言って――」
「静かにしてくださいね?」
ゾクッ……、ルーナの有無を言わせぬ迫力の眼光によって、俺は黙り込んでしまうのだった。
「なるほど……。事情はよくわかりました」
衛兵は納得したように呟いた。
「そういうわけなので、この男を連行してもいいですよね?」
「はい、もちろん構いません」
「ありがとうございます♪」
ルーナは嬉々として言った。
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