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第8話
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「うーん、結構距離がありそうだなぁ……」
俺は地図を見ながら呟いた。リディアからエイリアまでは森の中を歩いて3日以上かかるらしい。ルーナは飛べるのだがあまり目立つ行動を取るのも良くないと思い、徒歩で行くことにした。道中には旅人用の小屋がいくつかあるそうなので、そこで休憩しながら進むことになる。俺たちはリディアで必要な物資を買い揃えた後、出発した。
リディアを出てしばらく歩いていると、森が見えてくる。
「魔王さま、あの森が『迷いの森』だよ」
ルーナが指さす先には鬱蒼とした森が広がっていた。
「あれが……、そうなのか。本当に迷ってしまいそうだな」
「うん、だから普通の行商人はあの森は通らないで迂回していくんだ」
「へぇ、そうなんだ」
森の入口付近に看板があった。『この先、迷いの森。危険につき立ち入り禁止!』と書かれている。
「でも、俺らは大丈夫だよね?」
「もちろんだよ!私たちには魔王さまがいるからね♪」
まぁ、いざとなったらルーナとミケがなんとかなるだろう。俺たちは森の中へと入っていく。辺り一面薄暗く、不気味な雰囲気である。地面が湿っているのか、歩くたびにピチャッと音がする。
「魔王さま、足元に気を付けてね♪」
「わ、分かった……」
ルーナは楽しそうに低空飛行している。ミケは俺の腕に抱き着いていた。
「なんだか不気味ですね……」
ミケが怯えるように言う。
「ミケ、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です!京太さんこそ大丈夫ですか?」
「俺は平気だけど、なんかジメッとしてて気持ち悪いな……」
俺は額の汗を拭いながら言った。しばらく歩くとルーナが立ち止まる。
「魔王さま、ちょっと待って。誰かいるよ……」
「えっ!?」
俺は慌てて立ち止まり、周囲を見渡した。しかし、何も見えない。
「どこにいるんだ?」
「あっちの方だよ……」
ルーナが前方の木の上を指さす。俺は目を凝らしてみるがやはり何も見えなかった。
「全然分からないんだけど……」
「私にも姿は見えないけど、気配を感じるんだよねぇ……。私たちのことを観察してるみたい……」
「観察?俺たちのことを?」
「うん、間違いないと思うよ……」
俺が首を傾げていると、ミケが話しかけてきた。
「あの、京太さん……。もしかすると……」
「どうした?」
「いえ……。私の思い過ごしかもしれませんが……。おそらく『ダークエルフ』です……」
「ダークエルフ?」
「はい、森に住む亜人族で邪悪な存在と言われています。人間や魔物を襲い、じっくりと時間をかけて捕食するそうです……。もしかするとダークエルフが私たちの様子を伺っていて、隙あらば襲おうと考えているのではないでしょうか……?」
マジか……。そんな奴らがいるんだな……。俺は身震いしそうになった。
「魔王さま、どうしよう……」
ルーナも不安そうな表情を浮かべている。彼女が怯えているとこっちまで怖くなってしまう……。
しかし、こういうときに弱みを見せるのは逆効果だろう。俺はできるだけ堂々と振る舞うように心がけた。
「とにかく、相手に隙を見せないようにして様子を見よう。相手が攻撃してきたら返り討ちにすればいいだけだからさ!」
「そっか、そうだよね!」
ルーナは安心した様子で俺に寄り添ってきた。
「ありがとう、魔王さま。やっぱり頼りになるね!」
「ああ!俺たちは魔王軍だぞ?ダークエルフごとき敵じゃないさ!」
「うん!」
俺が胸を張ると、ルーナは笑顔になった。そのとき、木の上にいる何者かが突然動いたような気がした。
「ん?今、何か動きませんでしたか?」
「確かに、何かがいた感じがしたが……」
ミケと俺が警戒していると、突然、上空から矢が飛んできた。
「魔王さま!危ない!!」
ルーナが叫ぶと同時に、魔法障壁を展開して俺たちを守った。そのおかげで矢は弾き飛ばされた。
「魔王さま、大丈夫だった?」
「あ、あぁ、助かったよ……。一体何が起こったんだ?」
「あれを見て!」
ルーナの視線の先には、弓を構えた少女の姿があった。銀色の長い髪に褐色の肌、紫色の瞳をしている。耳が長く尖っていた。
「魔王さま、あいつは『ダークエルフ』だよ!気をつけて!魔力が高いから強いはず……」
「分かった。油断しないようにしないとな……」
俺たちが臨戦態勢に入ると、ダークエルフの少女はニヤリと笑った。そして、再び弓矢を構える。
俺は地図を見ながら呟いた。リディアからエイリアまでは森の中を歩いて3日以上かかるらしい。ルーナは飛べるのだがあまり目立つ行動を取るのも良くないと思い、徒歩で行くことにした。道中には旅人用の小屋がいくつかあるそうなので、そこで休憩しながら進むことになる。俺たちはリディアで必要な物資を買い揃えた後、出発した。
リディアを出てしばらく歩いていると、森が見えてくる。
「魔王さま、あの森が『迷いの森』だよ」
ルーナが指さす先には鬱蒼とした森が広がっていた。
「あれが……、そうなのか。本当に迷ってしまいそうだな」
「うん、だから普通の行商人はあの森は通らないで迂回していくんだ」
「へぇ、そうなんだ」
森の入口付近に看板があった。『この先、迷いの森。危険につき立ち入り禁止!』と書かれている。
「でも、俺らは大丈夫だよね?」
「もちろんだよ!私たちには魔王さまがいるからね♪」
まぁ、いざとなったらルーナとミケがなんとかなるだろう。俺たちは森の中へと入っていく。辺り一面薄暗く、不気味な雰囲気である。地面が湿っているのか、歩くたびにピチャッと音がする。
「魔王さま、足元に気を付けてね♪」
「わ、分かった……」
ルーナは楽しそうに低空飛行している。ミケは俺の腕に抱き着いていた。
「なんだか不気味ですね……」
ミケが怯えるように言う。
「ミケ、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です!京太さんこそ大丈夫ですか?」
「俺は平気だけど、なんかジメッとしてて気持ち悪いな……」
俺は額の汗を拭いながら言った。しばらく歩くとルーナが立ち止まる。
「魔王さま、ちょっと待って。誰かいるよ……」
「えっ!?」
俺は慌てて立ち止まり、周囲を見渡した。しかし、何も見えない。
「どこにいるんだ?」
「あっちの方だよ……」
ルーナが前方の木の上を指さす。俺は目を凝らしてみるがやはり何も見えなかった。
「全然分からないんだけど……」
「私にも姿は見えないけど、気配を感じるんだよねぇ……。私たちのことを観察してるみたい……」
「観察?俺たちのことを?」
「うん、間違いないと思うよ……」
俺が首を傾げていると、ミケが話しかけてきた。
「あの、京太さん……。もしかすると……」
「どうした?」
「いえ……。私の思い過ごしかもしれませんが……。おそらく『ダークエルフ』です……」
「ダークエルフ?」
「はい、森に住む亜人族で邪悪な存在と言われています。人間や魔物を襲い、じっくりと時間をかけて捕食するそうです……。もしかするとダークエルフが私たちの様子を伺っていて、隙あらば襲おうと考えているのではないでしょうか……?」
マジか……。そんな奴らがいるんだな……。俺は身震いしそうになった。
「魔王さま、どうしよう……」
ルーナも不安そうな表情を浮かべている。彼女が怯えているとこっちまで怖くなってしまう……。
しかし、こういうときに弱みを見せるのは逆効果だろう。俺はできるだけ堂々と振る舞うように心がけた。
「とにかく、相手に隙を見せないようにして様子を見よう。相手が攻撃してきたら返り討ちにすればいいだけだからさ!」
「そっか、そうだよね!」
ルーナは安心した様子で俺に寄り添ってきた。
「ありがとう、魔王さま。やっぱり頼りになるね!」
「ああ!俺たちは魔王軍だぞ?ダークエルフごとき敵じゃないさ!」
「うん!」
俺が胸を張ると、ルーナは笑顔になった。そのとき、木の上にいる何者かが突然動いたような気がした。
「ん?今、何か動きませんでしたか?」
「確かに、何かがいた感じがしたが……」
ミケと俺が警戒していると、突然、上空から矢が飛んできた。
「魔王さま!危ない!!」
ルーナが叫ぶと同時に、魔法障壁を展開して俺たちを守った。そのおかげで矢は弾き飛ばされた。
「魔王さま、大丈夫だった?」
「あ、あぁ、助かったよ……。一体何が起こったんだ?」
「あれを見て!」
ルーナの視線の先には、弓を構えた少女の姿があった。銀色の長い髪に褐色の肌、紫色の瞳をしている。耳が長く尖っていた。
「魔王さま、あいつは『ダークエルフ』だよ!気をつけて!魔力が高いから強いはず……」
「分かった。油断しないようにしないとな……」
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