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第8話
8-2
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そのとき、ミケが叫んだ。
「京太さん!!まだ何かいます!!」
―――ガサガサ!!
近くの茂みが揺れる。そこからさらに5人の黒装束のダークエルフが現れた。手には短剣を持っている。5人とも顔を隠しているが体型から女性だということは分かる。
「魔王さま!囲まれちゃったよ……」
ルーナが不安そうな声で呟いた。
「あぁ、分かってる」
まずいな……。完全に逃げ場がない……。
ダークエルフたちはジワジワと距離を詰めてくる。このままだといずれ捕まるだろう。そうなれば、俺たちの命はないかもしれない。俺は覚悟を決めた。ここはやるしかない。はったりでもなんでもかまわない!俺は拳を握りしめて声を上げた。
「お前たちの目的はなんだ!?なぜ俺たちを狙う?」
すると、木の上に立っていたダークエルフの少女が答えた。
「ふっ、それはこちらのセリフだ……。我らの聖域に入り込んだ愚か者め……」
少女の声を聞いてゾクッとした。冷たい氷のような印象を受ける。まるで感情のない人形のように抑揚がなく淡々としていた。
「魔王さま、あいつらの目的なんて決まってるよ……。私たちを殺して食べるつもりなんだよ……」
ルーナが泣き出しそうな顔をしている。ミケも険しい表情をしていた。
俺はルーナとミケの手を握った。ふたりともビクンとして俺を見る。俺は彼女たちを安心させるために微笑んでみせた。大丈夫、なんとかなるさ……。俺は自分に言い聞かせるように心の中でつぶやく。
俺はダークエルフたちに向き直ると、できるだけ強気に聞こえるように言った。
「俺たちは魔王軍だ。死にたくなければ引き下がることだな!」
すると、ダークエルフたちの間から笑いが起きた。嘲笑うかのような態度である。
「何を言っているのだ?貴様は……」
「魔王軍?そんなものは人間どもが滅ぼしたではないか……。この世界に魔王など存在しない……」
「ふっ……。頭がおかしいのか……。ならば、すぐに楽にしてやろう……」
ダークエルフたちが武器を構えて近づいてくる。俺は冷や汗が流れた。どうする……?どうしたらいいんだ……!?
そのとき、俺の脳裏にある言葉が浮かんだ。
『ドキわくしながら2-2まで読んだが、魔王になったのに人間社会のギルドにいく主人公のアホさ加減に読む気萎えちゃった。作者様が狙ってやったなら成功ですよ。活躍をお祈りします』
俺はアルファポリスの感想欄に投稿された言葉を思い出した。そうだ……。俺は主人公じゃないか……。ここで逃げたらダメだろ……! それに、俺は決めたんだ!ルーナとミケを守ると……!
その瞬間、全身から魔力が溢れ出してくるような気がした。俺は大きく息を吸うと、腹の底から力を込めて叫んだ。
――ウオオオォオオーーーー!!!
森中に響き渡るような大音量で叫ぶ。ビリビリと空気が震える。突然大声を出した俺を見てダークエルフたちは動揺したようだ。ルーナとミケも驚いている。
しかし、俺の行動は間違っていないはずだ。主人公はピンチのときに勇気を振り絞るものだからな! 俺の魂の叫びを聞いたダークエルフたちがピタリと動きを止める。木の上にいるダークエルフの少女は鋭い目つきで睨んでいる。その視線はまるで刃を突きつけられているかのようだった。
怖い……。だけど、引くわけにはいかない。
俺はダークエルフを見つめ返した。しばらく沈黙が続いた後、やがて、彼女は俺に問いかけてきた。
「貴様は……、狂っているのか?それとも、本当に魔王なのか……?」
「あぁ、俺は魔王だ。俺の名は京太。魔王軍のボスだ!」
俺が答えると、ダークエルフの少女は目を細めた。そして、何か考え事をしているかのように黙り込む。
しばらくして、ゆっくりと口を開いた。
「そうか……。では、ひとつだけ教えてほしい……」
「あぁ、なんでも聞いてくれ」
「魔王とはどのような存在なのだ?」
「魔王は……」
俺は少し考えてから答えた。
「勇者に倒されるものだ……」
「ほう……。面白い……」
ダークエルフはニヤリと笑った。
「気に入ったぞ……。魔王よ……。私の名は『ルミナス』。覚えておくがよい……」
「あ、ああ……。よろしくな……」
ダークエルフの少女は『ルミナス』と名乗った。そして、俺たちを取り囲むダークエルフたちに合図を送る。すると、ルミナスはスッと姿を消した。他のダークエルフたちも立ち去って行く。
助かった……。俺はホッと胸を撫で下ろした。
「京太さん!大丈夫ですか!?」
「魔王さま、すごい!!カッコよかったよ!!」
ミケとルーナは嬉しそうな顔を浮かべていた。俺は照れ臭くなって頭を掻いて誤魔化した。
「いやぁ、まぁ……、なんとかなったな……。それより、先に進まないとな……」
俺たちは先に進むことにした。
「京太さん!!まだ何かいます!!」
―――ガサガサ!!
近くの茂みが揺れる。そこからさらに5人の黒装束のダークエルフが現れた。手には短剣を持っている。5人とも顔を隠しているが体型から女性だということは分かる。
「魔王さま!囲まれちゃったよ……」
ルーナが不安そうな声で呟いた。
「あぁ、分かってる」
まずいな……。完全に逃げ場がない……。
ダークエルフたちはジワジワと距離を詰めてくる。このままだといずれ捕まるだろう。そうなれば、俺たちの命はないかもしれない。俺は覚悟を決めた。ここはやるしかない。はったりでもなんでもかまわない!俺は拳を握りしめて声を上げた。
「お前たちの目的はなんだ!?なぜ俺たちを狙う?」
すると、木の上に立っていたダークエルフの少女が答えた。
「ふっ、それはこちらのセリフだ……。我らの聖域に入り込んだ愚か者め……」
少女の声を聞いてゾクッとした。冷たい氷のような印象を受ける。まるで感情のない人形のように抑揚がなく淡々としていた。
「魔王さま、あいつらの目的なんて決まってるよ……。私たちを殺して食べるつもりなんだよ……」
ルーナが泣き出しそうな顔をしている。ミケも険しい表情をしていた。
俺はルーナとミケの手を握った。ふたりともビクンとして俺を見る。俺は彼女たちを安心させるために微笑んでみせた。大丈夫、なんとかなるさ……。俺は自分に言い聞かせるように心の中でつぶやく。
俺はダークエルフたちに向き直ると、できるだけ強気に聞こえるように言った。
「俺たちは魔王軍だ。死にたくなければ引き下がることだな!」
すると、ダークエルフたちの間から笑いが起きた。嘲笑うかのような態度である。
「何を言っているのだ?貴様は……」
「魔王軍?そんなものは人間どもが滅ぼしたではないか……。この世界に魔王など存在しない……」
「ふっ……。頭がおかしいのか……。ならば、すぐに楽にしてやろう……」
ダークエルフたちが武器を構えて近づいてくる。俺は冷や汗が流れた。どうする……?どうしたらいいんだ……!?
そのとき、俺の脳裏にある言葉が浮かんだ。
『ドキわくしながら2-2まで読んだが、魔王になったのに人間社会のギルドにいく主人公のアホさ加減に読む気萎えちゃった。作者様が狙ってやったなら成功ですよ。活躍をお祈りします』
俺はアルファポリスの感想欄に投稿された言葉を思い出した。そうだ……。俺は主人公じゃないか……。ここで逃げたらダメだろ……! それに、俺は決めたんだ!ルーナとミケを守ると……!
その瞬間、全身から魔力が溢れ出してくるような気がした。俺は大きく息を吸うと、腹の底から力を込めて叫んだ。
――ウオオオォオオーーーー!!!
森中に響き渡るような大音量で叫ぶ。ビリビリと空気が震える。突然大声を出した俺を見てダークエルフたちは動揺したようだ。ルーナとミケも驚いている。
しかし、俺の行動は間違っていないはずだ。主人公はピンチのときに勇気を振り絞るものだからな! 俺の魂の叫びを聞いたダークエルフたちがピタリと動きを止める。木の上にいるダークエルフの少女は鋭い目つきで睨んでいる。その視線はまるで刃を突きつけられているかのようだった。
怖い……。だけど、引くわけにはいかない。
俺はダークエルフを見つめ返した。しばらく沈黙が続いた後、やがて、彼女は俺に問いかけてきた。
「貴様は……、狂っているのか?それとも、本当に魔王なのか……?」
「あぁ、俺は魔王だ。俺の名は京太。魔王軍のボスだ!」
俺が答えると、ダークエルフの少女は目を細めた。そして、何か考え事をしているかのように黙り込む。
しばらくして、ゆっくりと口を開いた。
「そうか……。では、ひとつだけ教えてほしい……」
「あぁ、なんでも聞いてくれ」
「魔王とはどのような存在なのだ?」
「魔王は……」
俺は少し考えてから答えた。
「勇者に倒されるものだ……」
「ほう……。面白い……」
ダークエルフはニヤリと笑った。
「気に入ったぞ……。魔王よ……。私の名は『ルミナス』。覚えておくがよい……」
「あ、ああ……。よろしくな……」
ダークエルフの少女は『ルミナス』と名乗った。そして、俺たちを取り囲むダークエルフたちに合図を送る。すると、ルミナスはスッと姿を消した。他のダークエルフたちも立ち去って行く。
助かった……。俺はホッと胸を撫で下ろした。
「京太さん!大丈夫ですか!?」
「魔王さま、すごい!!カッコよかったよ!!」
ミケとルーナは嬉しそうな顔を浮かべていた。俺は照れ臭くなって頭を掻いて誤魔化した。
「いやぁ、まぁ……、なんとかなったな……。それより、先に進まないとな……」
俺たちは先に進むことにした。
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