そして僕は恋に落ちる

こうめ

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終わりの章

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帰りは途中から2人きりだった。
夕焼けが道路と僕達を照らし、ふたりの影が伸びる。

「なぁ、本当にいっちゃうんだよね?」
「うん...。でも!いつか絶対に会えるから!!」
「そうだな。どこにいても絶対に迎えに行ってやる!ほら!指切り」
「げんまんね!」
根拠も何もない約束を交わした。

次の日の朝にはいちかのその姿はなかった。
家も主がいなくなった。

手元にはいちかの写真だけが残っていた。

「ありがとう。いちか」






-----------10年後------------

僕は社会人になって普通に働いている。

「あ!」

急いで着替え外へ出た!
みんなが待っていた。

「遅い!!」「早く行くぞ!!」「あったりまえ!!」

僕達は全力で走り出した!!

疲れる。やっぱり歳取ったな。
みんなと再び集まれるのが嬉しかった。
そして全力で公園に走った。

「浜本いちかさんはいりまーす!!」

監督の声が響き渡った。
静かで寒い公園に花が咲いた。

「おはようございます!!お願いします!!」

いちかが入ってきた!!

「かわってないね!!」

生徒会のメンバーも遅れてきた。

撮影はたんたんと進んでいって終わった。

みんなは一目散にいちかのもとへ走っていった。

「いちか!!」「元気だった!!?」

聞きたいことはいっぱいある!ただ、今は再会に感動して言葉がでない。

いちかはくるりとこちらをみた。
目を輝かせて
「みんな!?うれしい!!」

って言うと思った。

「誰ですか...?」

皆の熱は一気に下がった。
崩れ落ちる人もいた。

「忘れちゃった...?ほら...覚えてない..?これ、懐かしいでしょ!?皆で変顔したじゃん!!」
泣きながら生徒会のメンバーが口々に言い出しもー、何を言ってるかわからないくらいだった。


「なんちゃって!」
舌を出してえへへと笑うのは昔と変わらないいちかだった!
「みんなのことわすれるわけないじゃん!ほら。ちゃんとくれたぬいぐるみまだ持ってるもん!うれしい!ただいま!」

みんなから安堵の涙がこぼれ落ちた。

「みんなこのあと予定あるの...?みんなで久しぶりに出かけないー...?」

行きたい!みんな口が揃った!
「これは行くに決まりだね!!」

いちかは笑顔で行ってとりあえず近くのカラオケに行った。
夕方からはいつもの海に行き花火をすることにした。

僕達はみんなの後ろをふたりでついて行った。

「久しぶり!いつも電話ばっかだから会えてよかったよ。」

いちかは笑顔で僕に語りかけた。

これでさ、付き合ってから15年目じゃん...?あ、やっぱりあとでいいや!!」

「なにそれー!」

「今日はここにいるの...?」

「うん!ホテル探そかな!」

「明日もみんなで遊びたいね。」

「そうだね!」

「あのさ、海でふたりになりたい。」

「え?あ、うん。」

夕方僕にとっては人生の境目だった。

「いちか...?ちょっといい?」

「うん...。」


「あのさ。付き合って、引っ越してからほとんどあってないじゃん。でも、ここまで続くのってすごくない...?お互い浮気も喧嘩もなかったし毎日のように電話したよね。僕さ。電話切ったあとずっと考えてたんだ...。家に帰ったらいちかにいてもらいたい。いちかが笑顔でおかえり!!って言ってほしい。あの...。」

いちかの前にしゃがみ片足立ちしてポケットからあれを出した。
夕日があの時のように輝き出す。

「僕と同じ苗字になって欲しい。僕と結婚して下さい。」

「はい!」

涙を流しながらいちかはいった。

「へぇー!!おめでとう!」
「意外と男らしいとこあるじゃん!僕と同じ苗字になってほしいーw」

岩陰からみんなが出てきた。

「え!?いつから見てたの!?恥ず!!」

「え?最初からだよ!今日言うと思っていたから!」

「結婚式絶対呼べよ?」

「あたりまえだろ!!」

明日から新しい1日が始まりそうです
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