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勇者は名前を変え、身分を偽った。
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『貴様には呪いをかけた────』
魔王の言が頭を揺さぶる。心地が悪い。ダンジョンの扉を開けて仲間たちの元へ戻る。
「ついに終わったな」「いつもの宿屋寄ってから王様のところ行こうぜ」
気にかかる。なぜ1人しか入れないボス部屋で、なぜ1人しか入れないボス部屋で…………
「うん」頷く、足取りは重い。倒した魔王の装備のせいでは無い。
祝杯を上げ、王国中と言わずかつて衝突した国々からも褒美を貰い仲間達は地位を獲得した。
だが無敵最強と謳われた魔王を倒した私はどうだろうか。
「いらっしゃいま、ゆ、勇者様!ただいま食事をおつくります」店に入るだけで脅したような雰囲気になる。隣に座れば逃げだす者もいる。世界を救ったということは次に世界を制するものになるという意味だ。
私が世界の統治者ならば声を掛ければいいなんて仲間は教えてくれたが無意味、1度臆するものが出れば恐怖は伝播し世界をも蝕む毒へと変わる。私はボス部屋なんて呼ばれる場所に選ばれ、そこでこうなる運命を義務付けられたのだ。風の噂では私の討伐部隊結成に向けた連合国軍の創設を視野に入れた訓練校まで作られたと。
「ただ勇者って肩書きで働かずに嫁にも行かず。安酒を煽りたかっただけなのに」人気のなくなってしまった店で酒を飲み乾す。いつもの見慣れた肉を食べ終え多めに置いて外へ出る。「大金も普通料金に上乗せして迷惑料を払ってたんじゃすぐなくなるってのもそうだよね」
家へ道は殺風景だ。元々この付近は沢山の人が住んでいたが、みんな移住が決まったそうだ。「もうダメかもね」家の中へ入り投げるよう置かれていた書類を開けていく。「魔術印すらない。完全に読まれない扱い」封書には遠回しに出て行けやら自死しろといった文言。「死ねるものなら死んでいるさ」
家の中は物がほとんどない。討伐に出ると決めた時から売り払い帰る場所という形だけになっているからだ。「魔導書は、回収されてるか。それからポーションもない……」唯一残していた趣味の産物は全て国が回収し保管していたようだ。
「あと2日、あと2日このままだったら街から出よう」
何も無い床に寝転がる。腰のベルトが刺さって起き上がった。「っててー、外さないと」
朝陽に照らされ起き上がる。外へ出て薪を割る、割る、割る。
「ふぅー、朝ごはんにしよっと」かびたパンをカバンから取りだし齧り付く。「せっかく貯めた分は家にある分以外全部ないからな。ギルドから取引停止されるなんて」奴隷が領主になれるほどの巨額をほとんど使えぬまま停止されたのは地獄だった。
足を勧め人気のない広場に出た。「私のはいいけど、せめてほかの仲間くらいは洗って欲しいな」朝早いせいか、畏怖の象徴とかした私の像のせいか。
「のんびり私を知らない田舎で暮らすのもいいし、逆に私を倒す学校に入っちゃうとか?はぁー悔やまれるばかりだよ、あの日の選択が」段々と支離滅裂になる思考に頭を抱える。像を磨き終えて街に出る。辛うじて相手をしてくれている人達から物を買って自宅へ戻った。「魔王を倒した時に手に入れた浮遊魔術刻印と、あの魔王城の異常空間を維持するために使われていた魔術刻印を合わせて。範囲ってどれくらいだろうな…仮空間」思考を分離させ演算する。「村なら普通に浮かせれるか。当たり前だよな」浮かせれる範囲の狭間に柵を立てていく。「必要な食料と、あとはこれかな」
柵に触媒を入れていく。「結界も完成。あとは浮かせれば」村が浮かび上がる。地面にはクレーターが出来上がった。「うーん、思ったより魔力使わなかったな」家に置いた透明の球体から手を離す。家の外に出て柵まで寄ると小さくなった街が見えた。「まずは、私を恐れない住人が欲しいな…獣人しかないよね。未だに許されてるけしからん地域に行って貰ってくるか」演算をし、行き先を変えた。「土が落ちそうだから結界は下にもいるか」追加演算で巨大な球体上に結界を巡らせた。飛ぶ鳥は何も無い空間にぶつかり落下していく。雲は弾け、下の街は見えていないがきっと大きな影に脅えているだろう。
「やることがない、これが一番の問題だ。とりあえず今の速度だとあと半日はかかるから」指で輪っかを作り遠見の魔術を起動する。指にはめられた指輪が魔力を感知して光り出す。溝に沿うように魔力が流れて魔法陣が生成されていく。「面白そうな何か。あれ良さそうだね」停滞の魔力を流し装置を止めて柵を乗り越える。「うぉぉぉわあっだっで……がっ……うっ」地面に衝突したはずみで頭を打ち、勢いままに転がっていく。「おっとそこの方達よ、奴隷を使役するとはいかがなものかな」笠を深く被りゆっくりと近付く。獣人の少年を鎖で引っ張る大男2人はその物音からか、落下から生き延びたからだろうか。驚愕している。
「なんだ自警団か?」「ちっ、国に戻るまでに見られたなら仕方ない殺すぞ」魔導具で攻撃を試みる2人。「そっちは増幅させる系で、そっちはなるほどー。爆ぜるってわけね」魔導具から放たれる魔法を掻い潜りながら魔法石を地面に差し込んでいく。「すばしっこいな!」氷塊が何本も現れこちらへ迫る。「その程度なら余裕よゆ、」砕いた破片が突き刺さり破裂した。刺さった皮膚から破裂した氷片は内部の肉を、表皮を抉るように飛んでいく。「迷惑掛けやがって。人様んやることにケチつけんなや」「こいつどうする?やっていいか」慢心した2人の腕が地面に落ちた。「え?」間抜けな声をあげる。「発想はいいけど自分達の攻撃に夢中になって相手が何を仕組んでいた、とか何も見ていない」少年を抱えてゆっくりと去ろうとする。言い知れぬ怒りを抱えた2人は迫るがどんどん形成される土壁に閉じ込められていった。「大丈夫かな少年」「っ!」突然覚醒したように目を見開き爪の攻撃をしてきた。「あちゃー、お気にの笠が」目が合う。警戒心なのかとても強い殺意を感じる。「まーまって。私は別に人の奴隷を横取りするわけではない、逆だよ逆。私はレジスタンスみたいなって通じないわな」装備を外しラフな格好になってみせる。「敵意ない。わかった?」段々と怒りの形相は緩みコクコクと頷く。「そうそう。私は味方、君の仲間助ける」打ち解けたかと思った矢先、嫌な匂いがして駆け出す。少年は立ち上る煙に膝から落ちる。「後でもいいから来るといい。私が生活を保証しよう」大声で後ろへ伝えると加速しそのまま煙の方向、燃え盛る森へ突入した。
「増幅、増幅」指輪から水が生成され小指の指輪に反応し量が増した。悲鳴が聞こえる森の奥は悲惨だった。串刺し。貼り付け。「まだ隠れてんじゃねーのか!出てこねぇなら次のやつ壊してまた焼くぞ」村長らしき獣人を脅す盗賊らしき男。「村長は助からない。他に救えそうな生態情報は」笠から紐でぶら下がっていた2つの球が魔力を感知し光り出す。「あと13人。あそこか」内部から頑固に閉められた教会が見えた。「おらぁ!おらぁ!」壁を強化した拳で殴って壊そうとする男に扉を解体していく男。時間の問題だろう。「よっしゃ中が見えるぜ。うひょー絶品絶品」手を壁の穴に入れ、なにか掴んだ男が喜ぶ声を上げる。「ゆっくり慎重に、いまっ!」左手に装着した龍の爪をもした魔導具を切り裂くように振り下ろす。水が剣のように鋭く3本男の腕に飛んでいく。「そこの解体屋も」人差し指を向け、魔力を込める。魔導具の隙間から圧縮された魔力による煙が湧き出す。「はぁっ!」無音、男はそのまま力なくへ垂れ込む。その後空気を裂くような音が響く。
「さーて、片手無くした君は何をしていたのかな?」口元を騒がないように抑えながら問い詰める。「とりあえず動かないように。スタン」魔導具を胸に当てドンッ!と強い衝撃を加えると男は泡を吹き喋らなくなった。「久しぶりに同時倒しなんてしたけど割と楽しいかもこの緊張感とか」辺りを見ると男達が家を壊しながら生存者を探っていた。「とりあえず教会は結界を張ることで安全化と」
茶色の大きな外套を被り、尋常じゃない速度で走り出す。「魔導具-フシュソーモ!」龍の爪から閃光の斬撃が放たれる。「魔導具-フィラリスハォーリズ」地面から牙が出現し敵を噛み殺す。「魔導具-ハソド」黒い靄が地面に流れ出し異常を察知したものたちを捕らえていく。「魔導具-ディスツゥドミネーション」悪魔の様に輝く青色の瞳から放たれた魔力により大地を含め枯らしていく。「ふぅー、どっと疲れた」腰を下ろす。教会の結界を解き魔導具の手入れを始めた。「魔路がまた焼ききれてる」魔導具の爪を上下に分けて中の赤い線を繋いでいく。微調整をしていると教会から生き残った獣人達が出てきた。「助けてくれてありがとうございます」1番歳が上であろう少女が頭を深々と下げる。「気にしなくていいよ。私の特技はこれくらいだからね」少し虚ろげな気持ちになる。「御礼をしたいのですが、もう家もなく親も殺されて……なんでもしますので!なにか言ってくれれば」縋るように泣く少女。その後ろには幼い子達がこちらを見ていた。「安心して、私は別に君達になにかして欲しくて動いたわけじゃないから。勇者として当然のぎッ……」勇者という言葉を出した途端に胸に熱い何かが、鼓動が、締め付けられるような感覚で倒れ込む。最後に見たのは少女達が慌てて駆け寄る姿だった。
次に目を覚ますと協会の椅子に居た。「はぁっ、はぁっ……」嫌や夢を見たような感覚にどっと疲れ込む。ステンドグラスから差し込む月の光を背に重い体で外に出る。偽装魔術をディスペルして天に浮かぶ自分の家に帰ろうとするとあの時の少年がいた。「生活を保証する、と聞いた。俺はいいから村の人たち頼みたい」「君か。行ったでしょ?私は君の味方だ、君の生活はもちろん助けると言った仲間の分も保証するよ」手を差し伸べる。体毛におおわれた手が乗っかる。「もふもふしてるね」
顔を赤らめた少年に吹っ飛ばされる。「て、てて。風かぁ」「ごめん、なさい」手を借りて起き上がる。「さーて、みんなはどこで寝ているかな?纏まってるなら話は早いけど」少年は教会を指さした。「あの地下、みんないる」念の為に探知をかけ教会の中に少年とはいる。「教会事持っていこうか」「ここ浮かばす浮遊石あるはずない」少年は驚きを隠せない。だが轟音と共に上昇し出した教会に居る以上受け入れざる得なかった。「えっと、空間拡張と生成をっと」家の近くに教会を下ろし固定した。「ようこそ皆さん。私の村へ」
夜が明けるころ、獣人はこぞって外に出て驚く。「はーいみんな起きたかな」少年に点呼を取らせ人数の確認を行う。「朝ごはん作ったから広間にいこ」長いテーブルにパンやスープがずらっと置かれている。みんな席につきこちらを見る。「食べる前、祈るのよい?」「いいよ。みんなが祈り終わるまで私も共に祈るから」
4段詠唱相当の時間が流れ、食事が始まった。「名前が無いと呼びずらいよね。私はヴァナーレ・リリー・マーレクト。そうだね、リリーかマリーがよく呼ばれていた名前かな」よろしくと頭を下げる。流れを組んだか、最年長が手を挙げ自己紹介を始める。「アロン・ユノです」「よろしくねユノ」系譜は狐。身長も高いが自分と比べれば似たような、もしくはもう少し小さいくらい。「アロン・ネプトゥヌス……俺たちを使役するつもりか?」食事にあんまり手をつけないで、警戒ばかりしていた同じく狐系譜の少年。「よろしくネプトゥヌス、別に私は村人が増えて欲しいだけだから使役はもとより友好的にしたいと思っている」次は猫系だろう。「フランエイド・ディアナよ、その助けてくれてありがとう」「よろしくねディアナ」一人一人名前を覚えていく。「最後は君だね」「エナルテ・エア、みんなを救ってくれてありがとうリリー」「改めてよろしくエア」ノロゾイドが付けられた者達にしては若すぎると悩む。食器を下げてみんなを家に案内する。「一応だけど、大衆向けの家も個人向けもあるから自由に選んでね」みんなが迷っている間に自分の家に戻る。
「なぁ、スぺスが生きていたらどうしていたんだ?」過去の記憶に触れていく。『マラキアはこの戦いが終わったらなにしたいんだ?』『そうだなぁ、どっかの貴族と結婚でもして幸せに暮らしたいな。子供は三人くらいでそれでみんな冒険者で楽しく死ぬまで狩りをしつ続けたい。って贅沢な願いだね』大柄な男は柄になく大笑いをする。『わらうな!ってはずかしんだからな?こんなこと語るのはお前だけだ』肩を強くたたいて怒る。『でもよかった、お前を拾ったときは死んだ目をしていたからな。そうか孫が見られるのか』『もう娘も孫もいるだろこの馬鹿師匠!!!!』うっすらと現実に意識が戻る。
目的地に着いたのか移動は終わっていた。「よーしいくぞ」扉を開けるとエアがいた。「どうかした?」「家が決まったのとみんな急にここが止まったからビビっている」どうやら大衆向けの家にしたようだ。「みんなはここで待っているようにね。魔導具-マジックボックス。この中に色々あるから自由に遊んでていいよ」装備を整え落下台にのる。「まってリリー、俺もついていく。街に詳しいやつが必要だろ?」「そうだね、いいよ?でも落ちるときは怖いからね」エアを抱きかかえ落下台に乗る。「え、っちょ、あ?!」高速で落下していく「魔導具-エアクッション」落下の勢いとは裏腹に綺麗に地面に着地した。「郊外か。よかった勝手に入ったのがバレたら俺は殺されリリーは娼婦行きだっただろう」「まぁ選んだからね。んじゃ魔導具-変化」エアとリリーに靄が掛かる。「これでよさそうかな?」「いいけど俺らと同種族であいつらについてるやつに見つかったら危険だ。そこは注意したほうがいい」人気のない空き家に腰を下ろす。「仮拠点にしよう、魔導具-住居生成」数秒もたつと空き家が立派な家に代わっていた。壁に大きな紙を張り付け一番真ん中に【獣人救出】と目標を掲げるリリー。「よーしエア、まずはこの近辺から探りいれだな。バレる可能性が高いし私が実行役、エアは獣人側の目線として状況や一番いい打開策を」「そうだ、いまさらだがリリーは何のために降りたんだ?」「住民を増やしたいってたらあいつらと変わんないけど、根底として私は獣人の為に国を作ってやりたい」アストルカムエルの記憶がよみがえる。ギルド-アンティナブルにも多くの獣人がいた、彼らが居なければ私は200階も行けずに死んでいただろう。「恩がある、彼らが見た目の違いや能力の違いだけであんな扱いをされるのは許せない」笠を被り家の外に出る。腰に剣を下げ人の多いほうに向かう。探知でわかる限りでも50人はいる。「魔力量はどれも人間か」村は排他的でも温厚でもない、旅人になれた外交的。「ようこそわが村へ」村長はっぱと見普通のおじさん、多分客から金品を盗んで生計を立てている村。「3日ほど宿をいただけるかな?」それは部屋に入って確信に変わる。暗殺者を極めた男が仲間にいた事がある、そいつが部屋の確認方法を述べていた。この部屋には暗殺向けな設備が整っている。プロなら外観と内観の差で分かるとも言っていたが、、、
荷物をマジックボックスにしまい外に出る。「店は二店舗か、まぁたくさんあってもこの規模では」野菜と服を購入し値段もメモに書く。「だいたい野菜は相場の六倍で、衣服なんて十倍。獣人がいないのを見ると郊外は無産市民の逃げ場と」しばらく歩を進め畑や森の木々を観察する。畑は手入れが届いていない、子供が1人芋を盗み横を走り去っていった。見ないふりをして森へ入る。隣の村との間には検問所のような建物が配備されていた。「脱走防止か、獣人すら買えない民は獣人のように人間に扱われると」検問所の入り口に行くと兵士2名が出てきた。「なんのようだ?」だるそうに止めてくる。「隣の国から来た、今度うちで労働力として何人か買い取りたいからその調査だ」偽造身分証を提示する。「それは失礼しやした。他んとこにも伝えとくんで」ペコペコと頭を下げてくる男に金を渡し村に入った。先ほどの村よりは安定しているのか活気があった。三百人規模でどうやら鉱山採掘ができるおかげの様子。「物価も高くて二倍か、それに労働源が足りないから他の地域からも来ていて血気盛ん。しかし獣人はいない、というより雇い主も含めて貧困なんだろう」村を抜けてさらに奥地へ進むと崖に出た。その崖下から大きな川を挟んで王都が見えた。「いや、これは獣人を追い出したところに人々が住んでいるが正しいか。んで、お偉い方が全部逃げられないように川に囲まれた王都に持っていったと」一度元の拠点に戻りエアに報告をする。「それは良くない事態だ、近隣の村ならグレーだから指摘すればいいが王都の中に持ち込まれるとどうしようもない」
魔王の言が頭を揺さぶる。心地が悪い。ダンジョンの扉を開けて仲間たちの元へ戻る。
「ついに終わったな」「いつもの宿屋寄ってから王様のところ行こうぜ」
気にかかる。なぜ1人しか入れないボス部屋で、なぜ1人しか入れないボス部屋で…………
「うん」頷く、足取りは重い。倒した魔王の装備のせいでは無い。
祝杯を上げ、王国中と言わずかつて衝突した国々からも褒美を貰い仲間達は地位を獲得した。
だが無敵最強と謳われた魔王を倒した私はどうだろうか。
「いらっしゃいま、ゆ、勇者様!ただいま食事をおつくります」店に入るだけで脅したような雰囲気になる。隣に座れば逃げだす者もいる。世界を救ったということは次に世界を制するものになるという意味だ。
私が世界の統治者ならば声を掛ければいいなんて仲間は教えてくれたが無意味、1度臆するものが出れば恐怖は伝播し世界をも蝕む毒へと変わる。私はボス部屋なんて呼ばれる場所に選ばれ、そこでこうなる運命を義務付けられたのだ。風の噂では私の討伐部隊結成に向けた連合国軍の創設を視野に入れた訓練校まで作られたと。
「ただ勇者って肩書きで働かずに嫁にも行かず。安酒を煽りたかっただけなのに」人気のなくなってしまった店で酒を飲み乾す。いつもの見慣れた肉を食べ終え多めに置いて外へ出る。「大金も普通料金に上乗せして迷惑料を払ってたんじゃすぐなくなるってのもそうだよね」
家へ道は殺風景だ。元々この付近は沢山の人が住んでいたが、みんな移住が決まったそうだ。「もうダメかもね」家の中へ入り投げるよう置かれていた書類を開けていく。「魔術印すらない。完全に読まれない扱い」封書には遠回しに出て行けやら自死しろといった文言。「死ねるものなら死んでいるさ」
家の中は物がほとんどない。討伐に出ると決めた時から売り払い帰る場所という形だけになっているからだ。「魔導書は、回収されてるか。それからポーションもない……」唯一残していた趣味の産物は全て国が回収し保管していたようだ。
「あと2日、あと2日このままだったら街から出よう」
何も無い床に寝転がる。腰のベルトが刺さって起き上がった。「っててー、外さないと」
朝陽に照らされ起き上がる。外へ出て薪を割る、割る、割る。
「ふぅー、朝ごはんにしよっと」かびたパンをカバンから取りだし齧り付く。「せっかく貯めた分は家にある分以外全部ないからな。ギルドから取引停止されるなんて」奴隷が領主になれるほどの巨額をほとんど使えぬまま停止されたのは地獄だった。
足を勧め人気のない広場に出た。「私のはいいけど、せめてほかの仲間くらいは洗って欲しいな」朝早いせいか、畏怖の象徴とかした私の像のせいか。
「のんびり私を知らない田舎で暮らすのもいいし、逆に私を倒す学校に入っちゃうとか?はぁー悔やまれるばかりだよ、あの日の選択が」段々と支離滅裂になる思考に頭を抱える。像を磨き終えて街に出る。辛うじて相手をしてくれている人達から物を買って自宅へ戻った。「魔王を倒した時に手に入れた浮遊魔術刻印と、あの魔王城の異常空間を維持するために使われていた魔術刻印を合わせて。範囲ってどれくらいだろうな…仮空間」思考を分離させ演算する。「村なら普通に浮かせれるか。当たり前だよな」浮かせれる範囲の狭間に柵を立てていく。「必要な食料と、あとはこれかな」
柵に触媒を入れていく。「結界も完成。あとは浮かせれば」村が浮かび上がる。地面にはクレーターが出来上がった。「うーん、思ったより魔力使わなかったな」家に置いた透明の球体から手を離す。家の外に出て柵まで寄ると小さくなった街が見えた。「まずは、私を恐れない住人が欲しいな…獣人しかないよね。未だに許されてるけしからん地域に行って貰ってくるか」演算をし、行き先を変えた。「土が落ちそうだから結界は下にもいるか」追加演算で巨大な球体上に結界を巡らせた。飛ぶ鳥は何も無い空間にぶつかり落下していく。雲は弾け、下の街は見えていないがきっと大きな影に脅えているだろう。
「やることがない、これが一番の問題だ。とりあえず今の速度だとあと半日はかかるから」指で輪っかを作り遠見の魔術を起動する。指にはめられた指輪が魔力を感知して光り出す。溝に沿うように魔力が流れて魔法陣が生成されていく。「面白そうな何か。あれ良さそうだね」停滞の魔力を流し装置を止めて柵を乗り越える。「うぉぉぉわあっだっで……がっ……うっ」地面に衝突したはずみで頭を打ち、勢いままに転がっていく。「おっとそこの方達よ、奴隷を使役するとはいかがなものかな」笠を深く被りゆっくりと近付く。獣人の少年を鎖で引っ張る大男2人はその物音からか、落下から生き延びたからだろうか。驚愕している。
「なんだ自警団か?」「ちっ、国に戻るまでに見られたなら仕方ない殺すぞ」魔導具で攻撃を試みる2人。「そっちは増幅させる系で、そっちはなるほどー。爆ぜるってわけね」魔導具から放たれる魔法を掻い潜りながら魔法石を地面に差し込んでいく。「すばしっこいな!」氷塊が何本も現れこちらへ迫る。「その程度なら余裕よゆ、」砕いた破片が突き刺さり破裂した。刺さった皮膚から破裂した氷片は内部の肉を、表皮を抉るように飛んでいく。「迷惑掛けやがって。人様んやることにケチつけんなや」「こいつどうする?やっていいか」慢心した2人の腕が地面に落ちた。「え?」間抜けな声をあげる。「発想はいいけど自分達の攻撃に夢中になって相手が何を仕組んでいた、とか何も見ていない」少年を抱えてゆっくりと去ろうとする。言い知れぬ怒りを抱えた2人は迫るがどんどん形成される土壁に閉じ込められていった。「大丈夫かな少年」「っ!」突然覚醒したように目を見開き爪の攻撃をしてきた。「あちゃー、お気にの笠が」目が合う。警戒心なのかとても強い殺意を感じる。「まーまって。私は別に人の奴隷を横取りするわけではない、逆だよ逆。私はレジスタンスみたいなって通じないわな」装備を外しラフな格好になってみせる。「敵意ない。わかった?」段々と怒りの形相は緩みコクコクと頷く。「そうそう。私は味方、君の仲間助ける」打ち解けたかと思った矢先、嫌な匂いがして駆け出す。少年は立ち上る煙に膝から落ちる。「後でもいいから来るといい。私が生活を保証しよう」大声で後ろへ伝えると加速しそのまま煙の方向、燃え盛る森へ突入した。
「増幅、増幅」指輪から水が生成され小指の指輪に反応し量が増した。悲鳴が聞こえる森の奥は悲惨だった。串刺し。貼り付け。「まだ隠れてんじゃねーのか!出てこねぇなら次のやつ壊してまた焼くぞ」村長らしき獣人を脅す盗賊らしき男。「村長は助からない。他に救えそうな生態情報は」笠から紐でぶら下がっていた2つの球が魔力を感知し光り出す。「あと13人。あそこか」内部から頑固に閉められた教会が見えた。「おらぁ!おらぁ!」壁を強化した拳で殴って壊そうとする男に扉を解体していく男。時間の問題だろう。「よっしゃ中が見えるぜ。うひょー絶品絶品」手を壁の穴に入れ、なにか掴んだ男が喜ぶ声を上げる。「ゆっくり慎重に、いまっ!」左手に装着した龍の爪をもした魔導具を切り裂くように振り下ろす。水が剣のように鋭く3本男の腕に飛んでいく。「そこの解体屋も」人差し指を向け、魔力を込める。魔導具の隙間から圧縮された魔力による煙が湧き出す。「はぁっ!」無音、男はそのまま力なくへ垂れ込む。その後空気を裂くような音が響く。
「さーて、片手無くした君は何をしていたのかな?」口元を騒がないように抑えながら問い詰める。「とりあえず動かないように。スタン」魔導具を胸に当てドンッ!と強い衝撃を加えると男は泡を吹き喋らなくなった。「久しぶりに同時倒しなんてしたけど割と楽しいかもこの緊張感とか」辺りを見ると男達が家を壊しながら生存者を探っていた。「とりあえず教会は結界を張ることで安全化と」
茶色の大きな外套を被り、尋常じゃない速度で走り出す。「魔導具-フシュソーモ!」龍の爪から閃光の斬撃が放たれる。「魔導具-フィラリスハォーリズ」地面から牙が出現し敵を噛み殺す。「魔導具-ハソド」黒い靄が地面に流れ出し異常を察知したものたちを捕らえていく。「魔導具-ディスツゥドミネーション」悪魔の様に輝く青色の瞳から放たれた魔力により大地を含め枯らしていく。「ふぅー、どっと疲れた」腰を下ろす。教会の結界を解き魔導具の手入れを始めた。「魔路がまた焼ききれてる」魔導具の爪を上下に分けて中の赤い線を繋いでいく。微調整をしていると教会から生き残った獣人達が出てきた。「助けてくれてありがとうございます」1番歳が上であろう少女が頭を深々と下げる。「気にしなくていいよ。私の特技はこれくらいだからね」少し虚ろげな気持ちになる。「御礼をしたいのですが、もう家もなく親も殺されて……なんでもしますので!なにか言ってくれれば」縋るように泣く少女。その後ろには幼い子達がこちらを見ていた。「安心して、私は別に君達になにかして欲しくて動いたわけじゃないから。勇者として当然のぎッ……」勇者という言葉を出した途端に胸に熱い何かが、鼓動が、締め付けられるような感覚で倒れ込む。最後に見たのは少女達が慌てて駆け寄る姿だった。
次に目を覚ますと協会の椅子に居た。「はぁっ、はぁっ……」嫌や夢を見たような感覚にどっと疲れ込む。ステンドグラスから差し込む月の光を背に重い体で外に出る。偽装魔術をディスペルして天に浮かぶ自分の家に帰ろうとするとあの時の少年がいた。「生活を保証する、と聞いた。俺はいいから村の人たち頼みたい」「君か。行ったでしょ?私は君の味方だ、君の生活はもちろん助けると言った仲間の分も保証するよ」手を差し伸べる。体毛におおわれた手が乗っかる。「もふもふしてるね」
顔を赤らめた少年に吹っ飛ばされる。「て、てて。風かぁ」「ごめん、なさい」手を借りて起き上がる。「さーて、みんなはどこで寝ているかな?纏まってるなら話は早いけど」少年は教会を指さした。「あの地下、みんないる」念の為に探知をかけ教会の中に少年とはいる。「教会事持っていこうか」「ここ浮かばす浮遊石あるはずない」少年は驚きを隠せない。だが轟音と共に上昇し出した教会に居る以上受け入れざる得なかった。「えっと、空間拡張と生成をっと」家の近くに教会を下ろし固定した。「ようこそ皆さん。私の村へ」
夜が明けるころ、獣人はこぞって外に出て驚く。「はーいみんな起きたかな」少年に点呼を取らせ人数の確認を行う。「朝ごはん作ったから広間にいこ」長いテーブルにパンやスープがずらっと置かれている。みんな席につきこちらを見る。「食べる前、祈るのよい?」「いいよ。みんなが祈り終わるまで私も共に祈るから」
4段詠唱相当の時間が流れ、食事が始まった。「名前が無いと呼びずらいよね。私はヴァナーレ・リリー・マーレクト。そうだね、リリーかマリーがよく呼ばれていた名前かな」よろしくと頭を下げる。流れを組んだか、最年長が手を挙げ自己紹介を始める。「アロン・ユノです」「よろしくねユノ」系譜は狐。身長も高いが自分と比べれば似たような、もしくはもう少し小さいくらい。「アロン・ネプトゥヌス……俺たちを使役するつもりか?」食事にあんまり手をつけないで、警戒ばかりしていた同じく狐系譜の少年。「よろしくネプトゥヌス、別に私は村人が増えて欲しいだけだから使役はもとより友好的にしたいと思っている」次は猫系だろう。「フランエイド・ディアナよ、その助けてくれてありがとう」「よろしくねディアナ」一人一人名前を覚えていく。「最後は君だね」「エナルテ・エア、みんなを救ってくれてありがとうリリー」「改めてよろしくエア」ノロゾイドが付けられた者達にしては若すぎると悩む。食器を下げてみんなを家に案内する。「一応だけど、大衆向けの家も個人向けもあるから自由に選んでね」みんなが迷っている間に自分の家に戻る。
「なぁ、スぺスが生きていたらどうしていたんだ?」過去の記憶に触れていく。『マラキアはこの戦いが終わったらなにしたいんだ?』『そうだなぁ、どっかの貴族と結婚でもして幸せに暮らしたいな。子供は三人くらいでそれでみんな冒険者で楽しく死ぬまで狩りをしつ続けたい。って贅沢な願いだね』大柄な男は柄になく大笑いをする。『わらうな!ってはずかしんだからな?こんなこと語るのはお前だけだ』肩を強くたたいて怒る。『でもよかった、お前を拾ったときは死んだ目をしていたからな。そうか孫が見られるのか』『もう娘も孫もいるだろこの馬鹿師匠!!!!』うっすらと現実に意識が戻る。
目的地に着いたのか移動は終わっていた。「よーしいくぞ」扉を開けるとエアがいた。「どうかした?」「家が決まったのとみんな急にここが止まったからビビっている」どうやら大衆向けの家にしたようだ。「みんなはここで待っているようにね。魔導具-マジックボックス。この中に色々あるから自由に遊んでていいよ」装備を整え落下台にのる。「まってリリー、俺もついていく。街に詳しいやつが必要だろ?」「そうだね、いいよ?でも落ちるときは怖いからね」エアを抱きかかえ落下台に乗る。「え、っちょ、あ?!」高速で落下していく「魔導具-エアクッション」落下の勢いとは裏腹に綺麗に地面に着地した。「郊外か。よかった勝手に入ったのがバレたら俺は殺されリリーは娼婦行きだっただろう」「まぁ選んだからね。んじゃ魔導具-変化」エアとリリーに靄が掛かる。「これでよさそうかな?」「いいけど俺らと同種族であいつらについてるやつに見つかったら危険だ。そこは注意したほうがいい」人気のない空き家に腰を下ろす。「仮拠点にしよう、魔導具-住居生成」数秒もたつと空き家が立派な家に代わっていた。壁に大きな紙を張り付け一番真ん中に【獣人救出】と目標を掲げるリリー。「よーしエア、まずはこの近辺から探りいれだな。バレる可能性が高いし私が実行役、エアは獣人側の目線として状況や一番いい打開策を」「そうだ、いまさらだがリリーは何のために降りたんだ?」「住民を増やしたいってたらあいつらと変わんないけど、根底として私は獣人の為に国を作ってやりたい」アストルカムエルの記憶がよみがえる。ギルド-アンティナブルにも多くの獣人がいた、彼らが居なければ私は200階も行けずに死んでいただろう。「恩がある、彼らが見た目の違いや能力の違いだけであんな扱いをされるのは許せない」笠を被り家の外に出る。腰に剣を下げ人の多いほうに向かう。探知でわかる限りでも50人はいる。「魔力量はどれも人間か」村は排他的でも温厚でもない、旅人になれた外交的。「ようこそわが村へ」村長はっぱと見普通のおじさん、多分客から金品を盗んで生計を立てている村。「3日ほど宿をいただけるかな?」それは部屋に入って確信に変わる。暗殺者を極めた男が仲間にいた事がある、そいつが部屋の確認方法を述べていた。この部屋には暗殺向けな設備が整っている。プロなら外観と内観の差で分かるとも言っていたが、、、
荷物をマジックボックスにしまい外に出る。「店は二店舗か、まぁたくさんあってもこの規模では」野菜と服を購入し値段もメモに書く。「だいたい野菜は相場の六倍で、衣服なんて十倍。獣人がいないのを見ると郊外は無産市民の逃げ場と」しばらく歩を進め畑や森の木々を観察する。畑は手入れが届いていない、子供が1人芋を盗み横を走り去っていった。見ないふりをして森へ入る。隣の村との間には検問所のような建物が配備されていた。「脱走防止か、獣人すら買えない民は獣人のように人間に扱われると」検問所の入り口に行くと兵士2名が出てきた。「なんのようだ?」だるそうに止めてくる。「隣の国から来た、今度うちで労働力として何人か買い取りたいからその調査だ」偽造身分証を提示する。「それは失礼しやした。他んとこにも伝えとくんで」ペコペコと頭を下げてくる男に金を渡し村に入った。先ほどの村よりは安定しているのか活気があった。三百人規模でどうやら鉱山採掘ができるおかげの様子。「物価も高くて二倍か、それに労働源が足りないから他の地域からも来ていて血気盛ん。しかし獣人はいない、というより雇い主も含めて貧困なんだろう」村を抜けてさらに奥地へ進むと崖に出た。その崖下から大きな川を挟んで王都が見えた。「いや、これは獣人を追い出したところに人々が住んでいるが正しいか。んで、お偉い方が全部逃げられないように川に囲まれた王都に持っていったと」一度元の拠点に戻りエアに報告をする。「それは良くない事態だ、近隣の村ならグレーだから指摘すればいいが王都の中に持ち込まれるとどうしようもない」
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