邪剣を片手に、呪いを身体に

ソラ

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第九話 ギャンブル

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そこに感じた違和感の正体は、劇薬の瓶だった。どうやら先ほどの戦闘で使い物にならなかった瓶がしまってあったらしい。

しかしこの瓶だけでこの状況をどう打開する・・!?

よく考えろ。よく考えれば・・・!何か・・?


そうだ!!!

奴は仲間がやられた「ようだ」と言っていたはず。ならば俺が持っているはずのない劇薬の瓶を見ればそれを警戒するのでは・・?

そこでもし俺がそれをかけようとすれば、確実に避けようとするだろう。そのタイミングで攻撃を叩き込む。それしかない。

しかしこれはかなりのギャンブルだ。もとより先ほどの戦闘をカイルに見られていたら最初から破綻する。しかしこれを実行するしか、俺の生き筋はねえ。覚悟決めていくぞ・・・!

そして俺は徐に胸から瓶を取り出す。見せつけるように、だ。それに気づいたカイルはすぐに後ろに下がった。

「どうだ?カイル。これが見えるだろう・・!?」

「ッ!?!?なぜお前がそれを持っている?まさか俺の仲間から奪ったっていうのか?」

俺は不敵な笑みを浮かべる。そして劇薬をかける素振りで思いっきり瓶をカイルに向ける。
カイルは避けようと下がるが、俺の瓶からは何も出てこない。

あっけに取られたカイルは体制を崩し地面に倒れた。

この隙を逃すわけにはいかない!!

即座に俺の短刀をカイルの首元にかける。覆い被さるようにした体制でカイルは身動きが全く取れない。

勝った。これで窮地を脱したことだろう。かいるはもう抵抗する手段がない。

ニヤリ。そうカイルが笑った。一体何が面白い?お前は負けたんだぞ?

しかし勝ったからか体の力がうまく入らない。まずいな。このまま倒れたら意味がなくなる。

「気づいたか?さっき投げた煙幕には毒が含まれていたんだよ。これでお前もおしまいだな。」

おいおいまじか。満身創痍の状態でそんなことをされたら俺は・・・もう・・・・・。
そこで俺の意識は落ちた。
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