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発情しちゃった…?!
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――え、どうしよう。発情したかもしれない……。
僕は観客席で震えていた。周りはまだ僕が発情したことに気づいていない。
「はぁ、はぁ……」
高ぶる胸を押さえつつ、息を整えようと深呼吸をする。大丈夫、きっと興奮しているだけだ。突発性発情期じゃない。大丈夫、大丈夫。
頭の片隅で発情抑制剤が過った。
俯いて出て行こうと思ったけど、今ステージには推し様がいた。やっとチケットを手に入れたのに、ここでアリーナ席を立ち去りたくない。なんのために頑張って夜行バスに乗ってまで遠征したのかわからなくなる。
生で感じる音楽は格別だ。演者と客の一体感、大音量のスピーカーから流れる身体の芯からぶち抜かれるような音。日常のストレスを全て発散するような非日常空間。そこから離れることなんてできなかった。
「何千、何百の中から~君を見つける~」
推しである黒執ネオ様が僕に向かってウインクをしたような気がした。
「あっ……」
ぞくり、と身体中に快感が走る。触られても、触れられてもいない。ただ歌を聞いているだけなのに、一瞬で中がぐっしょりと濡れた。
「なんで、発情期はまだ先なのに……」
自分でも分かる。僕は何百人がいる人の中で発情している。そして、アルファを誘惑してしまうフェロモンを会場にぶちまけている。
「ん? なんか甘い匂いがしないか?」
すぐ後ろで男の声がした。まずい、アルファだ。アルファは発情したオメガの匂いに敏感で、オメガのフェロモンに反応してヒートという突発的な発情期を引き起こす。
「っつ……」
クンクンと男の荒い鼻息が僕のうなじに当たっている。このまま僕が発情してしまって、うなじを噛まれてしまったら僕はフェスに来ただけの知らないアルファと番になってしまう。
嫌だ、だけどこの場所から離れたくない。尋常じゃない勢いで汗が流れていく。
――最後に、もう一目だけ。
悪あがきで僕はステージ上で輝くネオ様を見ようと、顔を上げた。
「見つけた」
囁くようなネオ様の声。ネオ様は僕に向かって指をさしていた。
――あ、もう、ダメだ。
ブワッと、身体中からフェロモンが放出される。我慢していた分、一瞬だけだがかなりの量がまき散らされた。
「え、これって演出? 事故? やばくない」
女子高生が興奮気味に騒ぎ出す。その声を中心に周りがざわめきだした。
僕は観客席で震えていた。周りはまだ僕が発情したことに気づいていない。
「はぁ、はぁ……」
高ぶる胸を押さえつつ、息を整えようと深呼吸をする。大丈夫、きっと興奮しているだけだ。突発性発情期じゃない。大丈夫、大丈夫。
頭の片隅で発情抑制剤が過った。
俯いて出て行こうと思ったけど、今ステージには推し様がいた。やっとチケットを手に入れたのに、ここでアリーナ席を立ち去りたくない。なんのために頑張って夜行バスに乗ってまで遠征したのかわからなくなる。
生で感じる音楽は格別だ。演者と客の一体感、大音量のスピーカーから流れる身体の芯からぶち抜かれるような音。日常のストレスを全て発散するような非日常空間。そこから離れることなんてできなかった。
「何千、何百の中から~君を見つける~」
推しである黒執ネオ様が僕に向かってウインクをしたような気がした。
「あっ……」
ぞくり、と身体中に快感が走る。触られても、触れられてもいない。ただ歌を聞いているだけなのに、一瞬で中がぐっしょりと濡れた。
「なんで、発情期はまだ先なのに……」
自分でも分かる。僕は何百人がいる人の中で発情している。そして、アルファを誘惑してしまうフェロモンを会場にぶちまけている。
「ん? なんか甘い匂いがしないか?」
すぐ後ろで男の声がした。まずい、アルファだ。アルファは発情したオメガの匂いに敏感で、オメガのフェロモンに反応してヒートという突発的な発情期を引き起こす。
「っつ……」
クンクンと男の荒い鼻息が僕のうなじに当たっている。このまま僕が発情してしまって、うなじを噛まれてしまったら僕はフェスに来ただけの知らないアルファと番になってしまう。
嫌だ、だけどこの場所から離れたくない。尋常じゃない勢いで汗が流れていく。
――最後に、もう一目だけ。
悪あがきで僕はステージ上で輝くネオ様を見ようと、顔を上げた。
「見つけた」
囁くようなネオ様の声。ネオ様は僕に向かって指をさしていた。
――あ、もう、ダメだ。
ブワッと、身体中からフェロモンが放出される。我慢していた分、一瞬だけだがかなりの量がまき散らされた。
「え、これって演出? 事故? やばくない」
女子高生が興奮気味に騒ぎ出す。その声を中心に周りがざわめきだした。
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