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もう一人の獣人
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僕は何かに押し倒された。気づけば空を向いている。頭を打った衝撃で目の前がぼんやりとしていた。茶色い何かが見える。
「いったいなぁ、なにすんねん」
男が持っていたのは木の塊。それは先ほど僕が薪にし損ねたものだった。
「ワダツミから離れろ」
キョウイは斧の刃先を男に向ける。男には僕と同じ獣の耳が生えていた。
「そっちから手を出してきたんだろう?」
グルル……と低くうなり声を出す男。口から鋭い牙が見えた。
「獣人……」
僕以外の獣人を初めて見た。この人も僕と同じく異世界転生をした人だろうか?
「これ! これ見てみい!!」
たんこぶができたと叫ぶ獣人。見た感じキツネのようだ。尖った耳に、もふもふしたキツネしっぽが見える。ピンと垂直に立っているのを見る限り、かなりの興奮状態がわかる。
キツネ獣人が指さす、センター分けしたおでこはプックリと赤く腫れていた。
「わしのかわええ顔に不細工なものができたんやぞ! どうしてくれんねん」
「すみません……」
まさか飛んで行った薪が獣人に当たるだなんて思いもしなかった。
「あれや、癒やしの塗り薬をもらうまでゆるさんからな!」
僕はキョウイを見る。キョウイは首を横に振った。持っていないようだ。
「……癒やしの塗り薬は持っていません」
それは高価なものだろうか? レア度がわからない。
「あーならあれや、作ってこい。材料はこの森にある」
これも一種のクエストか……探すだけならいいんだけど。
「何が必要なんですか?」
僕が恐れていたのはモンスターとの戦闘系だ。キョウイはともかく僕は戦い方がわからない。
「ミツロウとハーブ」
ハーブは森に生えているものを採取すればクリアできそうだ。ただ、問題はミツロウ……ミツロウが何かがわからない。思い浮かぶのは蜂なんだけど……危険が少ない花がいいな。
「ミツロウ……それはなんですか?」
「お前そんなもんも知らないのか。ミツロウはクイーンバチから取れる材料さ」
あ、嫌な予感が的中しそうだ。
「もしかしてクイーンバチと戦ってゲットできるって感じですか?」
戦う……僕は戦えるのだろうか?
「実は僕……武器を持っていなくて」
キツネ獣人が材料を集める方が早い気がするんだけど、僕がケガをさせたのだから僕がしなくてはならないのだろう。
「爪と牙があるだろ」
キツネ獣人も武器は持っていないようだ。ってか、たんこぶぐらいなら冷やしておけばなんとかなりそうなんだけどな。
「そんな原始的な」
まぁ、これがクエストならやらなくちゃ次に進めないんだけど。
「そこのお兄さんだって武器を……いや、それはこの世界の物じゃないな。どこから……お前らこの世界の住人じゃないな?」
キョウイと僕は息を飲みこむ。キツネ獣人が敵か味方か見定めようとしていた。
「いったいなぁ、なにすんねん」
男が持っていたのは木の塊。それは先ほど僕が薪にし損ねたものだった。
「ワダツミから離れろ」
キョウイは斧の刃先を男に向ける。男には僕と同じ獣の耳が生えていた。
「そっちから手を出してきたんだろう?」
グルル……と低くうなり声を出す男。口から鋭い牙が見えた。
「獣人……」
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「これ! これ見てみい!!」
たんこぶができたと叫ぶ獣人。見た感じキツネのようだ。尖った耳に、もふもふしたキツネしっぽが見える。ピンと垂直に立っているのを見る限り、かなりの興奮状態がわかる。
キツネ獣人が指さす、センター分けしたおでこはプックリと赤く腫れていた。
「わしのかわええ顔に不細工なものができたんやぞ! どうしてくれんねん」
「すみません……」
まさか飛んで行った薪が獣人に当たるだなんて思いもしなかった。
「あれや、癒やしの塗り薬をもらうまでゆるさんからな!」
僕はキョウイを見る。キョウイは首を横に振った。持っていないようだ。
「……癒やしの塗り薬は持っていません」
それは高価なものだろうか? レア度がわからない。
「あーならあれや、作ってこい。材料はこの森にある」
これも一種のクエストか……探すだけならいいんだけど。
「何が必要なんですか?」
僕が恐れていたのはモンスターとの戦闘系だ。キョウイはともかく僕は戦い方がわからない。
「ミツロウとハーブ」
ハーブは森に生えているものを採取すればクリアできそうだ。ただ、問題はミツロウ……ミツロウが何かがわからない。思い浮かぶのは蜂なんだけど……危険が少ない花がいいな。
「ミツロウ……それはなんですか?」
「お前そんなもんも知らないのか。ミツロウはクイーンバチから取れる材料さ」
あ、嫌な予感が的中しそうだ。
「もしかしてクイーンバチと戦ってゲットできるって感じですか?」
戦う……僕は戦えるのだろうか?
「実は僕……武器を持っていなくて」
キツネ獣人が材料を集める方が早い気がするんだけど、僕がケガをさせたのだから僕がしなくてはならないのだろう。
「爪と牙があるだろ」
キツネ獣人も武器は持っていないようだ。ってか、たんこぶぐらいなら冷やしておけばなんとかなりそうなんだけどな。
「そんな原始的な」
まぁ、これがクエストならやらなくちゃ次に進めないんだけど。
「そこのお兄さんだって武器を……いや、それはこの世界の物じゃないな。どこから……お前らこの世界の住人じゃないな?」
キョウイと僕は息を飲みこむ。キツネ獣人が敵か味方か見定めようとしていた。
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