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クイーンバチの巣
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夜目が利くと言っても、使い慣れていない僕には夜の森を走るには難しい。走るだけでも躓くし、枝が僕の身体を傷つけてくる。
「え?」
地面がない。一瞬、理解ができなかった。足を空振りして気づく。僕は崖から飛び出した。
――あ、これは死ぬな。
下を見れば、真っ暗の暗闇。僕が蹴ったであろう石ころが遙か下に落ちて砕けた音がした。僕が前に飛び降りた橋よりも深い谷。グチャグチャな身体を想像して目をつむった。
「死にたがりだな」
頭の上から声がした。
僕の身体が浮き上がる。人間の腕だ。僕は誰かに抱きかかえられている。
「別に好きで崖から飛び降りたわけじゃ……」
僕はクイーンバチの顔を見る。表情は変わらない。話は通じるのだろうか?
「そうか? すごい勢いで飛び出したように見えたが」
クイーンバチは首を傾げる。目は水色で白目の部分がない。夜だから余計に怖さが増した。
「う、うるさいな!」
怖いから声が大きくなる。怖がっていることが丸わかりだ。わかっていても、声を抑えることができない。
「お、おい……」
急にクイーンバチは僕の顔を見た。空中にとどまって、動かない。僕は振り落とされると思ってクイーンバチにしがみつく。
「な、なんだよ……急に止まって」
僕は動かなくなったクイーンバチを見る。相変わらず表情が変わらない。
「ちょっと待っ……」
クイーンバチは僕の首元を嗅いでくる。クイーンバチが身につけている襟巻きがくすぐったくて、僕は身体をのけぞってしまう。クイーンバチが胸元まで嗅いだところで、僕と目があった。
「ほう、お主オメガか」
クイーンバチはわけのわからないことを言って、初めて嬉しそうに笑った。クイーンバチは飛び出して巣がある大木に戻る。キョウイがいるかな、と思ったけど気配はなかった。僕を見捨ててしまったのか、と悲しくなる。
クイーンバチの巣に案内され、僕は八角形の部屋に案内された。
クイーンバチの巣は現実のハチと同じぐらいの巣だが、魔法がかかっているようで城の場所にきた。夜の森と違ってここは明るいし、城の周りには色とりどりの花が咲き乱れている。一日中、昼間のようだ。
今まで自然を歩いていたから改めて魔法の異世界にいると実感できる。魔法の凄さに驚いてクイーンバチの怖さを忘れていた。
「うわっ……」
僕は大きなベッドの上に下ろされる。この城には虫の羽音が無数に聞こえる。ここにはどれぐらいのクイーンバチの手下がいるんだろう……。
――こうしている場合じゃない。
「勝手に縄張りに入ったことは謝ります。だけど、僕はもう一人の仲間と一緒に光の柱に行かなければならないんです」
近づいてくるクイーンバチを押し返そうとすれば、鋭い剣を向けられた。フェンシングのような鋭い剣。これはハチについている毒針のようなものかもしれない。
「大人しくしろ。そうすれば危害を加えない」
鋭い針が僕の首をなぞる。少しでも身動きをすれば、首に針が刺さりそうだった。
「わかりました……」
僕の言うことはこの世界でも聞いてもらえない。
「え?」
地面がない。一瞬、理解ができなかった。足を空振りして気づく。僕は崖から飛び出した。
――あ、これは死ぬな。
下を見れば、真っ暗の暗闇。僕が蹴ったであろう石ころが遙か下に落ちて砕けた音がした。僕が前に飛び降りた橋よりも深い谷。グチャグチャな身体を想像して目をつむった。
「死にたがりだな」
頭の上から声がした。
僕の身体が浮き上がる。人間の腕だ。僕は誰かに抱きかかえられている。
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僕はクイーンバチの顔を見る。表情は変わらない。話は通じるのだろうか?
「そうか? すごい勢いで飛び出したように見えたが」
クイーンバチは首を傾げる。目は水色で白目の部分がない。夜だから余計に怖さが増した。
「う、うるさいな!」
怖いから声が大きくなる。怖がっていることが丸わかりだ。わかっていても、声を抑えることができない。
「お、おい……」
急にクイーンバチは僕の顔を見た。空中にとどまって、動かない。僕は振り落とされると思ってクイーンバチにしがみつく。
「な、なんだよ……急に止まって」
僕は動かなくなったクイーンバチを見る。相変わらず表情が変わらない。
「ちょっと待っ……」
クイーンバチは僕の首元を嗅いでくる。クイーンバチが身につけている襟巻きがくすぐったくて、僕は身体をのけぞってしまう。クイーンバチが胸元まで嗅いだところで、僕と目があった。
「ほう、お主オメガか」
クイーンバチはわけのわからないことを言って、初めて嬉しそうに笑った。クイーンバチは飛び出して巣がある大木に戻る。キョウイがいるかな、と思ったけど気配はなかった。僕を見捨ててしまったのか、と悲しくなる。
クイーンバチの巣に案内され、僕は八角形の部屋に案内された。
クイーンバチの巣は現実のハチと同じぐらいの巣だが、魔法がかかっているようで城の場所にきた。夜の森と違ってここは明るいし、城の周りには色とりどりの花が咲き乱れている。一日中、昼間のようだ。
今まで自然を歩いていたから改めて魔法の異世界にいると実感できる。魔法の凄さに驚いてクイーンバチの怖さを忘れていた。
「うわっ……」
僕は大きなベッドの上に下ろされる。この城には虫の羽音が無数に聞こえる。ここにはどれぐらいのクイーンバチの手下がいるんだろう……。
――こうしている場合じゃない。
「勝手に縄張りに入ったことは謝ります。だけど、僕はもう一人の仲間と一緒に光の柱に行かなければならないんです」
近づいてくるクイーンバチを押し返そうとすれば、鋭い剣を向けられた。フェンシングのような鋭い剣。これはハチについている毒針のようなものかもしれない。
「大人しくしろ。そうすれば危害を加えない」
鋭い針が僕の首をなぞる。少しでも身動きをすれば、首に針が刺さりそうだった。
「わかりました……」
僕の言うことはこの世界でも聞いてもらえない。
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