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香りで風景を描く
新しい仕事
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「新しい仕事が来たぞ」
香水斗に資料を渡され、僕は目を通す。
「新商品の入浴剤?! これも調香師の仕事なんだ…!」
僕は夢中になって資料をめくる。各地の温泉地と三成分以上再現するのが目的と書いてあった。成分、色、香り、感触……再現するものが言葉にすると多く感じる。
「ああ、昭和5年に芳香浴剤にな。爽やかな松葉の香りとオレンジ色の粉が湯に入れると緑に変わるという新しい夏季専用浴剤『バスクリン』が生まれたんだ」
香水斗が入浴剤の歴史を話し出す。入社する前に面接対策として、さらっと歴史を読んだがすっかり忘れていた。
「すごいなぁ、現代まで続くロングセラーじゃないか」
僕は改めて仕事の素晴らしさを感じた。
「この仕事は大変だぞ。香りで温泉地の風景を描かなければならない」
香水斗は僕を見た。その目に僕は見透かされた気持ちになる。
「風景を描く……」
そういえば香水斗の香水を嗅いだ時、思い出したのはチロQだった。香水斗の言う通り、思い出は匂いで思い出している。
「さて! さっそく出かけるとするか」
香水斗は僕の肩を組む。僕は何が何だかわからない。香水斗はどこに出かけようとしているのだろう。
「ど、どこに行くんだよ!」
僕は香水斗に引き摺られつつ、顔を上げる。
「そりゃあ、本場の温泉に浸からなきゃ描けるものも描けやしねえ!」
香水斗の職人魂に火がついた。僕はいわば連行されるかのように連れて行かれる。行き先は大分県の別府温泉郷。湧出量、源泉数ともに日本一を誇る温泉地だ。
香水斗に資料を渡され、僕は目を通す。
「新商品の入浴剤?! これも調香師の仕事なんだ…!」
僕は夢中になって資料をめくる。各地の温泉地と三成分以上再現するのが目的と書いてあった。成分、色、香り、感触……再現するものが言葉にすると多く感じる。
「ああ、昭和5年に芳香浴剤にな。爽やかな松葉の香りとオレンジ色の粉が湯に入れると緑に変わるという新しい夏季専用浴剤『バスクリン』が生まれたんだ」
香水斗が入浴剤の歴史を話し出す。入社する前に面接対策として、さらっと歴史を読んだがすっかり忘れていた。
「すごいなぁ、現代まで続くロングセラーじゃないか」
僕は改めて仕事の素晴らしさを感じた。
「この仕事は大変だぞ。香りで温泉地の風景を描かなければならない」
香水斗は僕を見た。その目に僕は見透かされた気持ちになる。
「風景を描く……」
そういえば香水斗の香水を嗅いだ時、思い出したのはチロQだった。香水斗の言う通り、思い出は匂いで思い出している。
「さて! さっそく出かけるとするか」
香水斗は僕の肩を組む。僕は何が何だかわからない。香水斗はどこに出かけようとしているのだろう。
「ど、どこに行くんだよ!」
僕は香水斗に引き摺られつつ、顔を上げる。
「そりゃあ、本場の温泉に浸からなきゃ描けるものも描けやしねえ!」
香水斗の職人魂に火がついた。僕はいわば連行されるかのように連れて行かれる。行き先は大分県の別府温泉郷。湧出量、源泉数ともに日本一を誇る温泉地だ。
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