君を独占したい。

檮木 蓮

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yuto

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カチャ…。
「はぁ…。やっぱり紅茶は美味しいですね。
もしかして紅茶お嫌いでしたか?」

「いえ、飲んだことなくて…。」

「そうなんですね。ぜひ飲んでみてください
家の召使いはお茶を入れるのが大変上手なんです」
そう言う桜庭は嬉しそうに紅茶を飲みながら
外を眺めた。外の庭は綺麗に整備され
花も綺麗に咲いていた。

「外…とても綺麗に整備されていますね」

「有難う御座います。私の家の自慢の庭師です。」
桜庭は誰を紹介する時も自分の事のように
嬉しそうに話した。
 
「んふふ、桜庭さんにとってお家に仕える人は
とても大事な人達なんですね…。ふわぁ…。」

「えぇ、それはそれは。もちろんです。
ユトさん、もしかして寝不足で…?」

「実は…。」

「ディナーまで時間はまだ時間もあります
お部屋に案内させますので少しお休みに…。」

「すいません。有難う御座います」

「お気になさらず。
ユトさんをお部屋にお連れしなさい」

「分かりました。ユト様こちらへ。」

「小松。貴方はユトさんをお送りしたら
こちらに来るように」

「はい。失礼します」ガチャ
- - - - - - -- - - - - - - - - - -

「……。」コツコツ…。

「……。」コツコツ…。

「あ、あの使用人の方たちって主に
何されてるんですか?」

「家事全般ですかね。」

「へぇ…そうなんですね…。」
(会話終了!気まずい……。)

「…………。」コツコツ…

「ユト様は何故こちらへ?」

「え?」

「いえ。要らぬ質問でした。申し訳ございません。」

「全然大丈夫ですよ。
僕も詳しい理由は分からないんですけど…。
きっとなにか訳があってここに…。」

「それは不思議なものですね……。
ユト様のお部屋はこちらになります。」ガチャ

「わぁ…!!凄い。僕こんな部屋初めてです。」

「喜んでいただけて何よりです。
主人に伝えておきます。ユト様何かあれば
ここのチャイムをお鳴らし下さい。」

「はい。有難う御座います」

「では、失礼致します。」

- - - - - - - -- - - - - - - - - - -    

コツコツコツ……。

トントンッ。「失礼します。」ガチャ

ガバッ「桜庭様…。ドアを開けて直ぐに
抱きつかないで下さい」

「ねぇ!ユトさんすっごい可愛くないですか?」

「えぇ、とても。桜庭様は昔から本当に
可愛いものがお好きで…」

「勿論ですよ!はぁ…。本当に可愛い…。」

「それで…桜庭様。今回も玩具選びに
付き合えと言うことで間違いないですか?」

「流石、私の使用人です。ユトさんには
最高のおもてなしをしてさしあげたいので。」

「ご友人の皆様にも注意されていらしたのに…。」

「良いんです!だって私の家に来たらこうなるなんて
100も承知でしょう。」

「……。主人ながら呆れますよ。そうだユト様
とてもお部屋喜ばれていましたよ」

「本当に!嬉しいです。ユトさんの事は
前々から琥太に聞いてあの部屋を用意したんです」

「初見の振りをするのがお得意で…。」

「小松は私と2人になると本当毒吐きですよね。」

「なんの事やら…。さぁ選びますか。
私もディナーの準備があるので……。」

「♪~。」

「桜庭様。ユト様に此方など…どうですか?」

「こっちは?」

「では、此方は。」

お互いに箱の中から玩具を取り出しユトに似合うもの
を選りすぐっていた。あれでもないこれでもない
と迷うこと数十分。やっと二人の中でユトのための
玩具セレクトが終わったようで桜庭は満足気な表情を
浮かべていた。

「では、私はディナーの準備がありますので」

「はい。とびきり美味しいものをお願いしますね」

「承知しました。失礼します」キィ…バタン
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