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第4章 『王都と成り上がり』
40.シナリオ
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「ふっ……はっ……」
レティアはまだ完全には慣れていない山道を必死に駆け下りた。
これまでは貴族の家に生まれた者として、嗜む程度には身体を鍛えてきたが、本格的に行ってきたわけではない。
そんなレティアがここ数日はアルゼたちとともに山に入り、魔物を狩り、身体を動かしてきた。ようやく少しずつ慣れてきたが、とてもではないがアルゼやメルと比べたら彼女の能力は足りていなかった。
「レティア様、大丈夫ですか?」
レティアの後ろを走るシンシアが心配そうに声を掛ける。
「はっ……はっ……大丈夫、じゃ……ないわよ……!」
レティアは息を切らしながらなんとか言葉を返す。
「でも……そんなこと言ってる場合じゃないのよ……! アルゼやメルなんて……ずっと先に行っちゃったわっ……私だって……彼の期待に応えたいんだから――!」
言葉に悔しさを滲ませながら、レティアは前を見据えたままそう言った。
シンシアは、レティアのそのひたむきさが羨ましくもあり尊敬していた。
「よっ、ほっ、ほいっ」
シンシアの後ろからは、遊んでるかのように軽快な声が聞こえた。
「あっ、貴族門が見えてきたのですよー」
貴族門とは、貴族専用の通用門のことだ。そこからなら貴族街へ近く、アルゼやメルの向かった先とは別の門となる。
「なんで……ポーターのあなたがそんな余裕なのよ……っ!」
「獣人を舐めるんじゃねぇですよー。頭でっかちで貧弱な《賢者》よりも、よっぽどアビのほうが身体能力高いのですよ?」
「うぐっ……こればかりは認めざるを得ないわね……」
実際アビの身体能力はかなり高く、特に走るということに関してだけいえばスキルを使っていないアルゼにも引けをとらない。
ポーターという職業柄、アビ自身も逃げることに関しては誰にも負けない自信があった。
「レティア様……」
「ええ、すごい数のワイバーンが集まってきてるわね……」
1度立ち止まって王都を見てみると、離れた位置からでもわかるくらいに、貴族街の上空にはドラゴン種が集まってきているのが見えた。
遠く離れた平民の住む地区の上空と比べても、明らかに数が多いように思える。どう考えても、これは異常事態だとレティアには思えた。
「レティアの家はどこにあるのですー?」
「一応公爵家ですからね。中央に近い位置よ。ここから見る限りはまだそこまで行ってなさそうだけど、こんなの時間の問題ね。急ぐわよ」
レティアが再び走りだそうとすると、
「レティア!!」
後ろから呼び止める大きな声が聞こえた。
その声の主は、振り返らなくてもレティアにはわかった。
「気安く名前を呼ばないでくれるかしら?」
レティアは不機嫌そうに振り返った。
「君は俺の婚約者なんだから、名前を呼ぶことのどこがおかしいのか教えてほしいね」
「まずその婚約者っていうのがおかしいのよ。私の婚約者はアルゼであって、あなたじゃないわ。いい加減諦めたら?」
ルイに対してあくまで冷たく対応するレティア。
さっさとこの場を離れたい彼女だったが、無視したら何されるかわからないので一応相手をしていた。
「諦める? この俺が何を諦めなければいけないんだ? 俺は《剣聖》なんだ。この国の中心となる存在だぞ。君もいい加減認めるべきだ。《賢者》に誰が相応しいかをね」
「だからそれはアルゼだって――」
「無能がどうしたって?」
カアッと血が上ったレティアはステッキをかざして、
「【エアハンマー】!」
「――ふんっ!!」
ルイを以前のように吹っ飛ばそうとするも、剣を一振りしただけでかき消されてしまった。
「レティア、もうこの間の俺とは違うんだ。あれから冒険者となってさらに《剣聖》としての理解を深めた俺に、その程度の魔法が――」
「――【ファイアジャベリン】」
「――チッ」
さらに強力な炎魔法を、ルイは先ほどと同じようにして防いでみせた。
「いい加減にしてくれないか。無駄だと言ってるだろう」
「あなたこそいい加減にしてよ。アレが見えないの? 今、王都は大混乱になってるはずだわ。私たちは急いでるのよ」
いつまで経っても解放してくれないルイに腹が立ち、レティアは怒りの色を滲ませた。
「知ってるさ。なんで俺が君たちの後ろにいたと思ってるんだ?」
ルイのその言葉に、レティアは言葉を失う。
「ルイ様、もしかしてとは思いますが――」
「おい、侍女風情が俺に話しかけるなよ」
シンシアが口を開くと、ルイはさっきまでレティアに向けていた薄い笑顔をスッと消し、冷たい声で制した。
「お前がやったのですかー?」
「……この俺に向かって『お前』だと? そうか、貴様があの豚が言っていた獣人か」
ルイは射殺さんとするほどの目つきでアビを睨む。
だがアビにそんなのが聞くはずもなく、
「さっさと答えるですよ?」
「この……獣人の分際でっ! まあいい、貴様はどうせあの豚にゴミのようにぐちゃぐちゃにされるだろうからな。ああ、そうさ。エンシェントドラゴンを王都に襲わせたのは俺がやったのさ」
「……あなた、本気で言ってるの? 自分が何をしでかしたか、わかってないの? あなたの家も取り潰し……いえ、それどころじゃないわ。最悪、アルゼまで被害が及ぶじゃないの!」
レティアは怒りで身体がわなわなと震える。
「ふん、あんな無能のことなんて知るかよ。それに、家が取り潰されるわけないだろ? 誰にもバレないんだから――」
「――!」
「ぅ――!」
ルイは突然抜刀し、柄の部分でアビのみぞおちを抉るようにぶち上げた。
一瞬で意識を刈り取られたアビは、白目を向き、その場にどさりと倒れるのだった。
「はぁっ!」
瞬時に敵と判断したシンシアは短剣をルイに突き立てようとするも、
「ふん、馬鹿が」
「ごふ――っ」
ルイは軽く剣で短剣を弾いて、アビと同じように気絶させたのだった。
「おっと、別にこいつは生かしとく意味もないな。じゃあな――」
「【アイストルネード】!!」
ルイがシンシアに止めをさそうとすると、レティアの放った氷と風の混合魔法が襲ってきた。
「ふっ――!」
「【ファイアランス】!」
【アイストルネード】を躱したルイに向かって、レティアはすぐさま何本もの【ファイアランス】で追い打ちをかけるも、
「こんなの避けるくらい大したことないぞ、レティア!」
そのすべてを剣を使って避けて距離を詰めてくる。
「【アースウォール】!」
「甘いな」
ルイとの間にそびえ立った土の壁を、ルイはあっさりと斬り倒した。
「うそ……」
「これが俺の実力だ、レティア」
「ぁ、が……」
ルイの左手がレティアの細い首を絞める。
レティアはすぐに気を失い、ルイはレティアは抱えた。
「ふふ……これでようやく君は俺のものだ。あとはあの無能を殺してしまえばすべてシナリオ通りだよ……」
ルイは自分の思い浮かべるレティアとのこれからのストーリーを想像し、
「ふふふ……」
ゆっくりと王都に向かって歩き出すのだった。
レティアはまだ完全には慣れていない山道を必死に駆け下りた。
これまでは貴族の家に生まれた者として、嗜む程度には身体を鍛えてきたが、本格的に行ってきたわけではない。
そんなレティアがここ数日はアルゼたちとともに山に入り、魔物を狩り、身体を動かしてきた。ようやく少しずつ慣れてきたが、とてもではないがアルゼやメルと比べたら彼女の能力は足りていなかった。
「レティア様、大丈夫ですか?」
レティアの後ろを走るシンシアが心配そうに声を掛ける。
「はっ……はっ……大丈夫、じゃ……ないわよ……!」
レティアは息を切らしながらなんとか言葉を返す。
「でも……そんなこと言ってる場合じゃないのよ……! アルゼやメルなんて……ずっと先に行っちゃったわっ……私だって……彼の期待に応えたいんだから――!」
言葉に悔しさを滲ませながら、レティアは前を見据えたままそう言った。
シンシアは、レティアのそのひたむきさが羨ましくもあり尊敬していた。
「よっ、ほっ、ほいっ」
シンシアの後ろからは、遊んでるかのように軽快な声が聞こえた。
「あっ、貴族門が見えてきたのですよー」
貴族門とは、貴族専用の通用門のことだ。そこからなら貴族街へ近く、アルゼやメルの向かった先とは別の門となる。
「なんで……ポーターのあなたがそんな余裕なのよ……っ!」
「獣人を舐めるんじゃねぇですよー。頭でっかちで貧弱な《賢者》よりも、よっぽどアビのほうが身体能力高いのですよ?」
「うぐっ……こればかりは認めざるを得ないわね……」
実際アビの身体能力はかなり高く、特に走るということに関してだけいえばスキルを使っていないアルゼにも引けをとらない。
ポーターという職業柄、アビ自身も逃げることに関しては誰にも負けない自信があった。
「レティア様……」
「ええ、すごい数のワイバーンが集まってきてるわね……」
1度立ち止まって王都を見てみると、離れた位置からでもわかるくらいに、貴族街の上空にはドラゴン種が集まってきているのが見えた。
遠く離れた平民の住む地区の上空と比べても、明らかに数が多いように思える。どう考えても、これは異常事態だとレティアには思えた。
「レティアの家はどこにあるのですー?」
「一応公爵家ですからね。中央に近い位置よ。ここから見る限りはまだそこまで行ってなさそうだけど、こんなの時間の問題ね。急ぐわよ」
レティアが再び走りだそうとすると、
「レティア!!」
後ろから呼び止める大きな声が聞こえた。
その声の主は、振り返らなくてもレティアにはわかった。
「気安く名前を呼ばないでくれるかしら?」
レティアは不機嫌そうに振り返った。
「君は俺の婚約者なんだから、名前を呼ぶことのどこがおかしいのか教えてほしいね」
「まずその婚約者っていうのがおかしいのよ。私の婚約者はアルゼであって、あなたじゃないわ。いい加減諦めたら?」
ルイに対してあくまで冷たく対応するレティア。
さっさとこの場を離れたい彼女だったが、無視したら何されるかわからないので一応相手をしていた。
「諦める? この俺が何を諦めなければいけないんだ? 俺は《剣聖》なんだ。この国の中心となる存在だぞ。君もいい加減認めるべきだ。《賢者》に誰が相応しいかをね」
「だからそれはアルゼだって――」
「無能がどうしたって?」
カアッと血が上ったレティアはステッキをかざして、
「【エアハンマー】!」
「――ふんっ!!」
ルイを以前のように吹っ飛ばそうとするも、剣を一振りしただけでかき消されてしまった。
「レティア、もうこの間の俺とは違うんだ。あれから冒険者となってさらに《剣聖》としての理解を深めた俺に、その程度の魔法が――」
「――【ファイアジャベリン】」
「――チッ」
さらに強力な炎魔法を、ルイは先ほどと同じようにして防いでみせた。
「いい加減にしてくれないか。無駄だと言ってるだろう」
「あなたこそいい加減にしてよ。アレが見えないの? 今、王都は大混乱になってるはずだわ。私たちは急いでるのよ」
いつまで経っても解放してくれないルイに腹が立ち、レティアは怒りの色を滲ませた。
「知ってるさ。なんで俺が君たちの後ろにいたと思ってるんだ?」
ルイのその言葉に、レティアは言葉を失う。
「ルイ様、もしかしてとは思いますが――」
「おい、侍女風情が俺に話しかけるなよ」
シンシアが口を開くと、ルイはさっきまでレティアに向けていた薄い笑顔をスッと消し、冷たい声で制した。
「お前がやったのですかー?」
「……この俺に向かって『お前』だと? そうか、貴様があの豚が言っていた獣人か」
ルイは射殺さんとするほどの目つきでアビを睨む。
だがアビにそんなのが聞くはずもなく、
「さっさと答えるですよ?」
「この……獣人の分際でっ! まあいい、貴様はどうせあの豚にゴミのようにぐちゃぐちゃにされるだろうからな。ああ、そうさ。エンシェントドラゴンを王都に襲わせたのは俺がやったのさ」
「……あなた、本気で言ってるの? 自分が何をしでかしたか、わかってないの? あなたの家も取り潰し……いえ、それどころじゃないわ。最悪、アルゼまで被害が及ぶじゃないの!」
レティアは怒りで身体がわなわなと震える。
「ふん、あんな無能のことなんて知るかよ。それに、家が取り潰されるわけないだろ? 誰にもバレないんだから――」
「――!」
「ぅ――!」
ルイは突然抜刀し、柄の部分でアビのみぞおちを抉るようにぶち上げた。
一瞬で意識を刈り取られたアビは、白目を向き、その場にどさりと倒れるのだった。
「はぁっ!」
瞬時に敵と判断したシンシアは短剣をルイに突き立てようとするも、
「ふん、馬鹿が」
「ごふ――っ」
ルイは軽く剣で短剣を弾いて、アビと同じように気絶させたのだった。
「おっと、別にこいつは生かしとく意味もないな。じゃあな――」
「【アイストルネード】!!」
ルイがシンシアに止めをさそうとすると、レティアの放った氷と風の混合魔法が襲ってきた。
「ふっ――!」
「【ファイアランス】!」
【アイストルネード】を躱したルイに向かって、レティアはすぐさま何本もの【ファイアランス】で追い打ちをかけるも、
「こんなの避けるくらい大したことないぞ、レティア!」
そのすべてを剣を使って避けて距離を詰めてくる。
「【アースウォール】!」
「甘いな」
ルイとの間にそびえ立った土の壁を、ルイはあっさりと斬り倒した。
「うそ……」
「これが俺の実力だ、レティア」
「ぁ、が……」
ルイの左手がレティアの細い首を絞める。
レティアはすぐに気を失い、ルイはレティアは抱えた。
「ふふ……これでようやく君は俺のものだ。あとはあの無能を殺してしまえばすべてシナリオ通りだよ……」
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