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ダイヤの原石
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俺のダイヤの原石はギャルの街センター街で9月のまだ蒸し暑い夕暮れどきに見つけた。
「芸能活動に興味はありますか?」
彼女はこのおじさん怪しいだろうと警戒の眼差しをした。
一瞬の曇り顔もまた今まで見たどんな娘より光輝く何かがあった。
渋谷にあるカトリック系お嬢さん学校のセーラー服。偏差値は60を超える。
お嬢さん学校らしからぬ長い髪は茶髪にゆるいウエーブがかかり短いスカート。海にでも行ったのかほんのり日焼けした肌。夏服のセーラー服からは身長は平均並みなのにすらりとした長い手足に小さい顔。
見た目はギャルだが、清楚系よりギャルでかわいい娘は正直あまりいない。ギャルはギャルの格好をするからかわいいのであってこれは滅多にない。
素材が良いんだ。
俺の直感は働いた。
「これから彼氏が来るの。だから、帰って」
冷たく言い放つ性格が悪そうなかんじに伏し目がちになった瞬間もまつ毛から淡い影を落とす。
その雰囲気にドキリとした。
「じゃあ彼氏が来るまで、これ。」
名刺を突き出した。裏面にはうちの事務所の稼ぎ頭のタレントの写真が数名入っている。
「わ!すごい!城谷海に相本ミキちゃんとかいる。すごいじゃーん!」
名刺のおかげで怪しさは少し払拭されたようだ。
「学校厳しいかな?考えてみない?」
「んーあたし受験勉強中だしな。」
「大学受験?」
「うん。早稲田に行きたくて。予備校もあるし」
このギャルは早稲田を受験しようとしている。在籍している学校からしてこれは頭の良いギャルという信憑性は高い。
「高校卒業して大学入ってからでいいから」
「大学受かるかまだわかんないじゃん」
イタズラっぽく名刺をパタパタと振る彼女の笑顔がたまらなく男心をくすぐった。
かわいい女は五万といない。
数少ない世の中のかわいい子レベルの中でこの子は群を抜く上に人目をひく何かがある。
自分の好みとかではなく万人向けする男が好きになるタイプなのは確かだ。
「そーだなー大学落ちたら働くよ。浪人したくないし。したら雇ってよ」
「本当に?」
「ひろこー」
話のいいところで高校生の男が3人やってきた。
首元には都内御三家と言われる進学校のボタンの入った学ランだった。
今時な男たちは彼女を見て笑顔になった。
「りょうくん!」
彼女の顔ががらりと変わった。
彼女は「りょうくん」とやらに駆け寄り手を絡め笑顔で話している。
残った2人の男は友達だろう。
りょうくんを冷やかしながらも彼女を見る目が明らかに年頃特有の鋭い目をしていなかった。
「じゃ」
彼女は俺に手を振った。彼氏が来てとびきり嬉しいのか恋する女の顔をしていた。
「待って!名前は?」
「あんどうひろこです」
隣のりょうくんが俺を見て不機嫌そうにするも、彼女に何か言われて納得したかのようにゲームセンターへ入っていった。多分俺の事を聞かれたのだろう。
あんどうひろこ
名門女子校3年生
大学受験勉強中
これしかデータはない。
どうせ電話はこないだろう。
俺は卒業式の日が来たら学校の前で張ろうと思っていた。
俺は芸能事務所に勤務して15年。遊井崇。
一応ベテランと言われる枠には入る勤続年数だ。
受け持ったアイドルは5人。かわいい女はたくさん見てきた。しかし男の心にくるはっとしたかわいさを感じたのははじめてだった。
『あんどうひろこ』
事務所の社長にこの話は飲みの席でした。
「ギャルでかわいいと清楚系にするともっと化けるよ」
俺もそれには期待した。
『あんどうひろこです。』
2月最後の2月28日に電話が鳴った。
「え!電話くれたの!」
俺は初恋の子に振り向いてもらったような気分になった。
『大学落ちたから働くよ』
その言葉に俺は手が震えていた。
「明日事務所に来てほしい。渋谷で待ち合わせしようか」
『卒業式3月18日なの。事務所行くのそれ終わってからでいい?』
「いや、すぐに来てほしいんだ。TVにでるにしてもオーディションはもうはじまるんだ」
次の日渋谷で彼女と待ち合わせをした。
3月初日でもすこぶる寒く5度と表示された渋谷スクランブル交差点のエキシビションの下で彼女は紺色のコート姿で待っていた。
遠くからでも一目でわかる華やかさは俺の目に狂いはなかった。
大学に落ちて少々不貞腐れていたが、すぐにスタジオへ連れて行き宣材を撮ろうと思った。宣材がなきゃ何も始まらない。
スタジオに事務所手配のヘアメイクを呼び茶髪とパーマを落とし日焼けはもうしていなかったので清楚系にしたつもりだった。落ち着いた髪色にストレートのロングヘア。雰囲気はまた全然変わった。
「彼氏はなんて言ってた?」
俺はあの「りょうくん」にひとまず了解を得て働こうとしているのか気になっていた。
あとあと彼氏が出て来てやれ芸能活動するなだの面倒な事になるのはごめんだからだ。
「彼氏?」
「ほら、俺が声かけた時にあとから来た彼氏。イケメンだったよね」
イケメンと言う言葉に何もつっこみは言わず「別れたよ」とあっさり言った。
「なんで?かっこいいのに」
「好きじゃなくなったから別れたんだよ」
なんと潔い女なんだ。
しかし少し不安も残った。もしかしたら恋愛体質で男をとっかえひっかえしてる女なのではないか。
そうなると今後が怖い。
業界でいろんな男に声をかけられひっきりなしに恋愛に走られてはこちらも頭を抱える事になる。
しかし「りょうくん」と別れてから彼氏はいないと言う言葉に少々安心した。
事務所に連れて帰り社長や他のスタッフと挨拶したあと、社長と3人で話した。
「歌手志望?女優志望?モデル?そうゆうのある?」
「考えとくよ」
はっきり言わない。
しかも上から目線。
今時の18歳。
生意気な女だけど誰1人と彼女が事務所に所属する事に嫌悪感を抱かなかった。
「世の男が全員好きになるタイプ」
だったからだ。
「芸能活動に興味はありますか?」
彼女はこのおじさん怪しいだろうと警戒の眼差しをした。
一瞬の曇り顔もまた今まで見たどんな娘より光輝く何かがあった。
渋谷にあるカトリック系お嬢さん学校のセーラー服。偏差値は60を超える。
お嬢さん学校らしからぬ長い髪は茶髪にゆるいウエーブがかかり短いスカート。海にでも行ったのかほんのり日焼けした肌。夏服のセーラー服からは身長は平均並みなのにすらりとした長い手足に小さい顔。
見た目はギャルだが、清楚系よりギャルでかわいい娘は正直あまりいない。ギャルはギャルの格好をするからかわいいのであってこれは滅多にない。
素材が良いんだ。
俺の直感は働いた。
「これから彼氏が来るの。だから、帰って」
冷たく言い放つ性格が悪そうなかんじに伏し目がちになった瞬間もまつ毛から淡い影を落とす。
その雰囲気にドキリとした。
「じゃあ彼氏が来るまで、これ。」
名刺を突き出した。裏面にはうちの事務所の稼ぎ頭のタレントの写真が数名入っている。
「わ!すごい!城谷海に相本ミキちゃんとかいる。すごいじゃーん!」
名刺のおかげで怪しさは少し払拭されたようだ。
「学校厳しいかな?考えてみない?」
「んーあたし受験勉強中だしな。」
「大学受験?」
「うん。早稲田に行きたくて。予備校もあるし」
このギャルは早稲田を受験しようとしている。在籍している学校からしてこれは頭の良いギャルという信憑性は高い。
「高校卒業して大学入ってからでいいから」
「大学受かるかまだわかんないじゃん」
イタズラっぽく名刺をパタパタと振る彼女の笑顔がたまらなく男心をくすぐった。
かわいい女は五万といない。
数少ない世の中のかわいい子レベルの中でこの子は群を抜く上に人目をひく何かがある。
自分の好みとかではなく万人向けする男が好きになるタイプなのは確かだ。
「そーだなー大学落ちたら働くよ。浪人したくないし。したら雇ってよ」
「本当に?」
「ひろこー」
話のいいところで高校生の男が3人やってきた。
首元には都内御三家と言われる進学校のボタンの入った学ランだった。
今時な男たちは彼女を見て笑顔になった。
「りょうくん!」
彼女の顔ががらりと変わった。
彼女は「りょうくん」とやらに駆け寄り手を絡め笑顔で話している。
残った2人の男は友達だろう。
りょうくんを冷やかしながらも彼女を見る目が明らかに年頃特有の鋭い目をしていなかった。
「じゃ」
彼女は俺に手を振った。彼氏が来てとびきり嬉しいのか恋する女の顔をしていた。
「待って!名前は?」
「あんどうひろこです」
隣のりょうくんが俺を見て不機嫌そうにするも、彼女に何か言われて納得したかのようにゲームセンターへ入っていった。多分俺の事を聞かれたのだろう。
あんどうひろこ
名門女子校3年生
大学受験勉強中
これしかデータはない。
どうせ電話はこないだろう。
俺は卒業式の日が来たら学校の前で張ろうと思っていた。
俺は芸能事務所に勤務して15年。遊井崇。
一応ベテランと言われる枠には入る勤続年数だ。
受け持ったアイドルは5人。かわいい女はたくさん見てきた。しかし男の心にくるはっとしたかわいさを感じたのははじめてだった。
『あんどうひろこ』
事務所の社長にこの話は飲みの席でした。
「ギャルでかわいいと清楚系にするともっと化けるよ」
俺もそれには期待した。
『あんどうひろこです。』
2月最後の2月28日に電話が鳴った。
「え!電話くれたの!」
俺は初恋の子に振り向いてもらったような気分になった。
『大学落ちたから働くよ』
その言葉に俺は手が震えていた。
「明日事務所に来てほしい。渋谷で待ち合わせしようか」
『卒業式3月18日なの。事務所行くのそれ終わってからでいい?』
「いや、すぐに来てほしいんだ。TVにでるにしてもオーディションはもうはじまるんだ」
次の日渋谷で彼女と待ち合わせをした。
3月初日でもすこぶる寒く5度と表示された渋谷スクランブル交差点のエキシビションの下で彼女は紺色のコート姿で待っていた。
遠くからでも一目でわかる華やかさは俺の目に狂いはなかった。
大学に落ちて少々不貞腐れていたが、すぐにスタジオへ連れて行き宣材を撮ろうと思った。宣材がなきゃ何も始まらない。
スタジオに事務所手配のヘアメイクを呼び茶髪とパーマを落とし日焼けはもうしていなかったので清楚系にしたつもりだった。落ち着いた髪色にストレートのロングヘア。雰囲気はまた全然変わった。
「彼氏はなんて言ってた?」
俺はあの「りょうくん」にひとまず了解を得て働こうとしているのか気になっていた。
あとあと彼氏が出て来てやれ芸能活動するなだの面倒な事になるのはごめんだからだ。
「彼氏?」
「ほら、俺が声かけた時にあとから来た彼氏。イケメンだったよね」
イケメンと言う言葉に何もつっこみは言わず「別れたよ」とあっさり言った。
「なんで?かっこいいのに」
「好きじゃなくなったから別れたんだよ」
なんと潔い女なんだ。
しかし少し不安も残った。もしかしたら恋愛体質で男をとっかえひっかえしてる女なのではないか。
そうなると今後が怖い。
業界でいろんな男に声をかけられひっきりなしに恋愛に走られてはこちらも頭を抱える事になる。
しかし「りょうくん」と別れてから彼氏はいないと言う言葉に少々安心した。
事務所に連れて帰り社長や他のスタッフと挨拶したあと、社長と3人で話した。
「歌手志望?女優志望?モデル?そうゆうのある?」
「考えとくよ」
はっきり言わない。
しかも上から目線。
今時の18歳。
生意気な女だけど誰1人と彼女が事務所に所属する事に嫌悪感を抱かなかった。
「世の男が全員好きになるタイプ」
だったからだ。
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