積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと

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16,11歳になりました。

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それからカイルは偶に遊びに来るようになった。とはいっても夏休みの間だけだ。クリスお兄様同様学園に通っているらしいので、学園が始まれば会うことはない。

同じ年で同じような立場だったので敬称なしで呼ぶ、初めての友達となった。
カイルは騎士を目指しているだけあって子供ながらも筋肉がすごい。筋肉フェチな私は、カイルが来ると筋肉を触って困らせている今日この頃である。


そして私は11歳になった。

前世の記憶を取り戻してから5年、ストイックに魔法の練習と勉強を続けてきた。
全属性の初級魔法をマスターし、今では中級魔法に力を入れている。シドはもう授業の必要はないと言っていたが、私はシドとの時間はとても好きなので週2日くらいのペースで今でも付き合ってもらっている。
なかなか上手くできずに苦労した魔法もあったけど、なんとかできるようになったのは偏にシドのお陰だ。

魔力量は12000程に増えた。
毎日コツコツと積み重ねてきた成果だ。
やはり努力の結果がこうやって可視化されるのはモチベーションが上がる。
これからも増やしていくつもりだ。
あれ?私はどこに向っているんだろう??

王宮の筆頭魔術士であるシドは最初こそ嫌そうだったが、徐々に真摯に向き合ってくれた。
距離が縮んだようで嬉しい。

ピアノは前世でも弾いていたから、もうかなりできるレベル。既にレッスンは卒業して今は趣味として弾いている。

語学に至っては、当初の読み通り共通言語であるリシェ語は完全に習得した。隣国の言語も習得し、最近ではこの世界で二番目に話者の多いアリアナ語に力を入れている。
勉強は順調そのもの。やっぱり子供の脳はすごいな。
魔法や勉強に夢中になりすぎていたが、これで第一ステップはようやく完了したといっていいだろう。

そろそろハンドクリーム作りに着手したいところだ。

ハンドクリームを作るにあたり、最低限必要なものはミツロウ・オイル・精油である。

ミツロウは養蜂場があればすぐに作ることができる。作成には約一週間ほど。
つまり屋敷から出ることさえできれば、比較的すぐに作成できるのである。

オイルはこの世界で主流であるオリーブオイルと、向日葵オイルを使おうと思っている。
これはいつでも手に入る。

問題は精油だ。時間も手間も桁違いだ。

先々の事を考えるとワクワクするな。





前世で一度ハーブから精油を抽出したことがある。

簡単に言うとハーブを蒸留して発生した水蒸気を冷却させることで、フローラルウォーターと精油になるのだ。つまり精油の副産物がフローラルウォーターなのである。

理論は簡単だけど、問題は器具をどうするか、だ。
あとは場所かな。
専用のスペースとかあったら嬉しい。

早速お父様に相談すると、使っていなかった離れが改装されて開放的な空間が広がっていた。

仕事が早い!!

そこはインテリア雑誌にでてくるような開放的でお洒落な空間となり、『ナチュラルな暮らし』というタイトルがピッタリだった。
これだけで満足してしまっていたが、これから先が本番だったわ。

器具のことは公爵家にたまに来るイーサンという商人に相談することにした。

「あのね、こういうものがほしいんだけど、どうしたら手に入るかしら?」

と書いた図を見せながら説明をする。
その図を見ながら暫く考え込んでいたイーサンは、

「売り物としては出回っていないと思われますので、工房で作るというのはいかがですか?」
と提案してくれた。

その手があったか!

「そんなことができるんですか?」

「はい、とても優秀な職人ですからできると思いますよ。」

「ご紹介いただくことは可能ですか?」

「もちろんです。都合を合わせて、またこちらに伺えばよろしいですかな?」

「それはとても助かるわ!私はいつでも大丈夫よ!早い方がいいわね。その方のご都合に合わせて、最短スケジュールでお願いできるかしら?」

「かしこまりました。では、また連絡致しますね。」

「ありがとう。連絡待ってるわ。」

なんとかなりそうだと、ほっと胸を撫で下ろす。




その後すぐにイーサンはハックという職人を連れてやってきた。

こういうものを作りたい、とイーサンにしたようにハックにも説明する。

蒸留するときの蓋は隙間ないようにピッチリと閉めて水蒸気を出す管を取り付ける。蓋には隙間をなくすことがポイントである。
その管から出てくる水蒸気を冷却し、精油とフローラルウォーターを抽出する。
冷却装置に溜まる不要な水を掃き出せるように冷却装置にも管を取り付けたい。
そしてその管は取り外しできるものが良いなどと、いろいろ要望を言うが、ハックは黙って聞き、暫くの間を置いて頷いた。

「承知した。」

「本当に?できるの??」

「作ったことはないが、できるだけのことはやってみる。」

「本当にありがとう!!何か必要なものがあったらイーサンのところで買ってね。
これは依頼を引受けてくれた前金よ。材料費もかかると思うから、これを使って。」

金貨一枚入った包みをハックに渡す。

「ありがとう。助かる。」

「もちろん、できたらこれの倍は支払うわ。」

そう言うとハックは満足げだった。

「こんな子供の言うことを聞いてくれてありがとう。どのくらいでできそう?」

「そうだな、最低でも2週間はもらいたい。」

「わかったわ。焦らなくても大丈夫よ。では1ヶ月でどうかしら?」

「1ヶ月あればできるだろう。」

「よかったわ。じゃあお願いします。」

引き受けてもらえて本当に良かったわ。ハックの目は職人の目だった。
初めて作るものに不安はあるだろうが、ワクワクしているかのような目をしていた。

彼ならやり遂げてくれると信じている。


こうして1ヶ月後、私は精油を作るための器具を手に入れたのだった。
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