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74,婚約者
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翌日目が覚めると見慣れない天井があり、ここが王宮であることを思い出す。
窓の外を見ると雨は上がっていた。帰りたいと思うが、まだ帰りたくないような複雑な気持ちを抱えながら身支度を整える。
アイテムボックスからハーブティーを出して気持ちを整理させていると、扉をノックする音がしてヴィークが入ってきた。
爽やかな笑みを浮かべたヴィークはとても機嫌が良さそうだ。
「おはよう。エリィ」
「ヴィーク、おはよう。」
「今日は学園はお休みだよ。雨は止んだんだけど、道がぬかるんでいて馬車が通れないんだ。」
「そっか。では仕方ないわね。」
「うん、ねぇ朝食を一緒に食べない?」
「えぇ、もちろん」
ヴィークは手を差し伸べて私を引き寄せる。
腰をがっちり掴まれて距離がとても近い。
「エリィ。愛してるよ。」
「ヴィーク、私も愛してるわ。」
朝から甘い雰囲気を漂わせて唇を重ねる。
婚約した途端に甘すぎる展開に少しついていけないが、私はヴィークにこうされるのはとても嬉しかったのだ。
そういえば、と気になったことを聞いてみた。
「ねぇヴィーク、用意してくれた洋服のサイズがピッタリなんだけどどうして?」
「それはエリィのために用意した服だからに決まってるじゃない。」
「いつの間に??」
驚いたが、その事実に確かな愛を感じる事ができて嬉しかった。
ヴィークもストーカー気質だと思ったけど、私も大概だと自嘲した。
それをどう受け取ったのかわからないけれど、ヴィークが言葉を続ける。
「ねぇエリィ、エリィが学園を卒業したら結婚しよう?」
「そんなに急がなくてもいいんじゃない?」
「一日でも長くエリィを独り占めにしたいんだ。いいでしょ?」
そんな事を言われたら断れるわけがない。
「私もヴィークを独り占めにできる?」
「僕はもうずっと前からエリィだけのものだよ。」
トントン拍子に、学園を卒業したら結婚することになってしまった。口約束だけど、ヴィークがとても行動力のあることは知っている。
これから忙しくなりそうだと思いながら、朝食を済ませた。普段朝食は食べないので、なんとなく調子が狂ってしまう。
その後ピアノを聴きたいと言われたので、ピアノのある場所へ移動した。
そこは王族のプライベート空間で庭園へと続くサンルームになっていた。
「これでは丸聞こえね。」
「エリィのピアノを聴けてみんな喜んでるよ。」
「そうかしら?何かリクエストはある?」
「この間母君の式典で弾いていた曲が聴きたいな。すごく感動的だったから。」
「わかったわ。」
あの時とは違う感情で心を込めて弾き終わると、ヴィークのご両親がそこには立っていて拍手をしてくれた。国王陛下夫妻だ。
「鳥肌が立つくらい素晴しい演奏ね、エリィちゃん!」
「王妃様、ありがとうございます。光栄です。」
「エリィちゃんのピアノはとても好きよ。その曲は先日ソフィの式典で弾いた曲ね?歌詞にとても感動したのよ。エリィちゃんの歌声と歌詞はとても心に響くわ。」
「本当に素晴しいよ。アンディからエリナリーゼ嬢のような娘が産まれるなんて奇跡だな。」
「いえ、お父様のことはとても尊敬していますし、大好きですから。」
「ふふっ。アンディは幸せな者ね。」
「それにしても、昨日は酷い目にあったね。大丈夫だっかい?
公爵家までの道はまだぬかるんでいて馬車が通れないそうだ。もう一日王宮でゆっくり過ごすといいよ。
アンディは黙ってないかもしれないけどな。」
正直、飛翔魔法を使えば帰れるのだが……。
「お父様心配してるわよね。どうしよう、やっぱり一度帰った方がいいかしら?」
とヴィークに相談すると、
「いや、エリナリーゼ嬢は大丈夫だよ。ちょっとヴィークのしごきがキツくなるだけだから。」
と国王陛下に言われてしまった。
「光栄なことです。」
「ふっ。ヴィークもいい顔をするようになったな。」
「父上、母上、ご報告があるのですが。私はエリィと婚約致しました。エリィが学園を卒業したら結婚するつもりです。」
そう言うヴィークに私も慌てて挨拶をする。
「報告が遅くなり申し訳こざいません。宜しくお願い致します。」
「まぁ!まぁ、まぁ、まぁ!!!やっとなのね!!」
「ずいぶん時間がかかったな。だがおめでとう。」
国王様も王妃様もとても嬉しそうだ。
「アンディにはもう言ったのか?」
「いえ、何分昨日のことでしたので。」
「そうか。なるべく早くな。ふっ、アンディの顔が想像できるわ!」
「賑やかになりそうね。本当におめでとう。エリィちゃん、ゆっくりしていってね。」
「ありがとうございます。」
「じゃあまたね。」
それから何曲か弾きお茶を飲んでいると、お父様が迎えに来た。どうやって来たんだろう?
「エリィ!昨日は大丈夫だったか?心配したんだよ。」
「大丈夫です、お父様。心配かけてしまってごめんなさい。昨日はヴィークが一緒にいてくれたのです。」
そう言うとお父様の眉がピクッと上がりヴィークを牽制する。
「殿下、エリィをありがとうございます。昨日は何もなかったのでしょうね?」
念を押すように聞くお父様にヴィークが毅然と言う。
「リフレイン公爵、ご報告がございます。昨日、エリィと婚約致しました。エリィが学園を卒業したら結婚するつもりです。
つきましてはそのお許しをいただきたく存じます。」
「お父様、私も決めましたの。」
暫しの沈黙の後、
「まぁなんだ……、お前達が互いに想い合っていることなど子供の頃から承知している。
殿下、おめでとうございます。あなたの勝ちですよ。
エリィ、幸せになるんだよ。」
「はい、お父様。ありがとうございます。」
しかしお父様はヴィークから引き離すように、私を引き寄せ公爵家へ帰ったのだった。
窓の外を見ると雨は上がっていた。帰りたいと思うが、まだ帰りたくないような複雑な気持ちを抱えながら身支度を整える。
アイテムボックスからハーブティーを出して気持ちを整理させていると、扉をノックする音がしてヴィークが入ってきた。
爽やかな笑みを浮かべたヴィークはとても機嫌が良さそうだ。
「おはよう。エリィ」
「ヴィーク、おはよう。」
「今日は学園はお休みだよ。雨は止んだんだけど、道がぬかるんでいて馬車が通れないんだ。」
「そっか。では仕方ないわね。」
「うん、ねぇ朝食を一緒に食べない?」
「えぇ、もちろん」
ヴィークは手を差し伸べて私を引き寄せる。
腰をがっちり掴まれて距離がとても近い。
「エリィ。愛してるよ。」
「ヴィーク、私も愛してるわ。」
朝から甘い雰囲気を漂わせて唇を重ねる。
婚約した途端に甘すぎる展開に少しついていけないが、私はヴィークにこうされるのはとても嬉しかったのだ。
そういえば、と気になったことを聞いてみた。
「ねぇヴィーク、用意してくれた洋服のサイズがピッタリなんだけどどうして?」
「それはエリィのために用意した服だからに決まってるじゃない。」
「いつの間に??」
驚いたが、その事実に確かな愛を感じる事ができて嬉しかった。
ヴィークもストーカー気質だと思ったけど、私も大概だと自嘲した。
それをどう受け取ったのかわからないけれど、ヴィークが言葉を続ける。
「ねぇエリィ、エリィが学園を卒業したら結婚しよう?」
「そんなに急がなくてもいいんじゃない?」
「一日でも長くエリィを独り占めにしたいんだ。いいでしょ?」
そんな事を言われたら断れるわけがない。
「私もヴィークを独り占めにできる?」
「僕はもうずっと前からエリィだけのものだよ。」
トントン拍子に、学園を卒業したら結婚することになってしまった。口約束だけど、ヴィークがとても行動力のあることは知っている。
これから忙しくなりそうだと思いながら、朝食を済ませた。普段朝食は食べないので、なんとなく調子が狂ってしまう。
その後ピアノを聴きたいと言われたので、ピアノのある場所へ移動した。
そこは王族のプライベート空間で庭園へと続くサンルームになっていた。
「これでは丸聞こえね。」
「エリィのピアノを聴けてみんな喜んでるよ。」
「そうかしら?何かリクエストはある?」
「この間母君の式典で弾いていた曲が聴きたいな。すごく感動的だったから。」
「わかったわ。」
あの時とは違う感情で心を込めて弾き終わると、ヴィークのご両親がそこには立っていて拍手をしてくれた。国王陛下夫妻だ。
「鳥肌が立つくらい素晴しい演奏ね、エリィちゃん!」
「王妃様、ありがとうございます。光栄です。」
「エリィちゃんのピアノはとても好きよ。その曲は先日ソフィの式典で弾いた曲ね?歌詞にとても感動したのよ。エリィちゃんの歌声と歌詞はとても心に響くわ。」
「本当に素晴しいよ。アンディからエリナリーゼ嬢のような娘が産まれるなんて奇跡だな。」
「いえ、お父様のことはとても尊敬していますし、大好きですから。」
「ふふっ。アンディは幸せな者ね。」
「それにしても、昨日は酷い目にあったね。大丈夫だっかい?
公爵家までの道はまだぬかるんでいて馬車が通れないそうだ。もう一日王宮でゆっくり過ごすといいよ。
アンディは黙ってないかもしれないけどな。」
正直、飛翔魔法を使えば帰れるのだが……。
「お父様心配してるわよね。どうしよう、やっぱり一度帰った方がいいかしら?」
とヴィークに相談すると、
「いや、エリナリーゼ嬢は大丈夫だよ。ちょっとヴィークのしごきがキツくなるだけだから。」
と国王陛下に言われてしまった。
「光栄なことです。」
「ふっ。ヴィークもいい顔をするようになったな。」
「父上、母上、ご報告があるのですが。私はエリィと婚約致しました。エリィが学園を卒業したら結婚するつもりです。」
そう言うヴィークに私も慌てて挨拶をする。
「報告が遅くなり申し訳こざいません。宜しくお願い致します。」
「まぁ!まぁ、まぁ、まぁ!!!やっとなのね!!」
「ずいぶん時間がかかったな。だがおめでとう。」
国王様も王妃様もとても嬉しそうだ。
「アンディにはもう言ったのか?」
「いえ、何分昨日のことでしたので。」
「そうか。なるべく早くな。ふっ、アンディの顔が想像できるわ!」
「賑やかになりそうね。本当におめでとう。エリィちゃん、ゆっくりしていってね。」
「ありがとうございます。」
「じゃあまたね。」
それから何曲か弾きお茶を飲んでいると、お父様が迎えに来た。どうやって来たんだろう?
「エリィ!昨日は大丈夫だったか?心配したんだよ。」
「大丈夫です、お父様。心配かけてしまってごめんなさい。昨日はヴィークが一緒にいてくれたのです。」
そう言うとお父様の眉がピクッと上がりヴィークを牽制する。
「殿下、エリィをありがとうございます。昨日は何もなかったのでしょうね?」
念を押すように聞くお父様にヴィークが毅然と言う。
「リフレイン公爵、ご報告がございます。昨日、エリィと婚約致しました。エリィが学園を卒業したら結婚するつもりです。
つきましてはそのお許しをいただきたく存じます。」
「お父様、私も決めましたの。」
暫しの沈黙の後、
「まぁなんだ……、お前達が互いに想い合っていることなど子供の頃から承知している。
殿下、おめでとうございます。あなたの勝ちですよ。
エリィ、幸せになるんだよ。」
「はい、お父様。ありがとうございます。」
しかしお父様はヴィークから引き離すように、私を引き寄せ公爵家へ帰ったのだった。
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