15年後、僕は再び君に恋をした

第1章 病院での日々

1.15年前、桜舞う頃

　僕、大嶋政宗おおしままさむねと彼女、大崎朋花おおさきともかの出会いは今から15年前、僕たちが中学1年生のちょうど桜吹雪が見られた頃にまで遡る。

　日本では3月の卒業式の頃に桜が咲き、入学式の頃に散るという地域が多いようだが、あいにく雪国出身なためこの例に当てはまらない。卒業式の頃に梅が咲いていればいい方である。この年は暖冬で4月頭に桜が咲き、中頃に桜吹雪が見られた。

　入学式は4月頭にあったが、不運なことにインフルエンザにかかってしまい人より1週間で遅れてしまった。

　小学校では誕生日順に出席番号が割り振られていたが、中学からは名前の五十音順に出席番号が割り振られていた。入学した時、彼女は僕の隣の席であった。

　彼女は1週間不在の隣の席の人のためにプリント等の配布物を管理してくれていた。未だに女性経験が少ないが、当時から彼女は綺麗、だったのだと思う。顔立ちがかわいい、というよりは綺麗な方に近かった。

　1週間分のプリントや授業のことで彼女に何度も話しかけた。その度に丁寧に教えてくれた。

　女の子というものに慣れていない憐れな男子中学生は一瞬で彼女に恋してしまったのである。