10 / 16
アフターストーリー④
しおりを挟む
一週間、実家で過ごしたアリスティドは、いつもより疲れ果てて馬車に乗り込んだ。
兄達全員に、『マジで帰らないでくれ』と懇願された。母と父の暴走を止められるものはこの世にいない。アリスティドとて、もう嫁いだ身なのだ。兄達に「頑張って下さい」と微笑んだ。四人ともガックリと肩を落としていた。
毎日アレだとしんどいのもわかるので、アリスティドは同情した。
何時間か馬車に揺られ、ヴィクトールの邸宅に戻ってきた。そういえば、実家での出来事が濃すぎてすっかり家令のエイベンに帰宅の旨を伝え忘れた。貴族としてやってしまった、とちょっと落ち込んだが、やってしまったことは仕方ない。とりあえず、約束の一週間後ではあるので問題ないだろう。
お土産はみんなの分を持った。ビクトリアには母が刺繍したモチーフのブローチ。十歳だが大人びているのできっと似合うだろう。トラヴィンにはもうちょっと勉強を頑張ってほしいので、兄達から勧められた本を。ヴィクリスには後継勉強に学業、剣技の習得と一番大変で疲れているだろうと父から勧められた疲労回復のドリンクを持ってきた。使用人達には領地で流行りの菓子折りを持った。
そして今回はヴィクトールにも準備した。今までは準備して渡しても迷惑だろうと、何も準備したり渡したりすることが出来なかったが、きっと今回は受け取ってくれるだろうと準備してみた。
ヴィクトールにはアリスティド唯一の趣味と言っても過言ではない、ドライフラワーのリースだ。
男で花が好きなのか、と言われるとちょっと困ってしまうが、母に無理やりやらされた中で一番楽しかったのがドライフラワー作りだったのだ。ヴィクトールにはどうしても自分が作ったものを渡したかったので部屋に飾ってもらえるようにリースにした。
邸宅で待っている皆に会えるのが楽しみで、ウキウキと馬車を降りる。当然のごとく、出迎えはない。
アリスティドが帰ると言い忘れたので仕方ない。
荷物が多いので、ひとまず御者に下ろすのを手伝ってもらっていると、突然走ってくる音が近づいてきた。何事かと思い、振り返る。
「あ、あああアリス!そのまま馬車に乗って!今すぐ逃げなさい!!」
ビクトリアだった。トラヴィンも追いかけてきたようで、二人とも肩で息をしている。
逃げる?一体誰から。荷物を地面にとりあえず置きながら首を傾げて二人を見る。御者も侯爵家の令嬢がスカートを振り乱す様子にぎょっとしている。
「ど、どうしたの?ビィもヴィンも…何かあったの?」
「何かあったのじゃないわ!アリスの母様からの手紙を読んだクソ父様が…!」
「説明してる場合じゃねぇだろ!俺たちが馬車に先に気付いたから良かったけど、親父が気づいたら…!」
「母様の手紙読んだの?あれは出鱈目だから大丈夫だよって後から僕の手紙を送ったんだけど?」
二人はブンブンと首を振って、泣きそうになりながらアリスを馬車に乗せようとグイグイ背中を押してくる。
着いたばかりでまた馬車に乗りたくはない。御者も困っている。
「ねぇ、どうしたの?母様の手紙読んでヴィーが怒ってるの?」
「お、怒ってないわ!手紙の件では!」
「そうなの?じゃあ一体…」
「お帰り、リスティ。何やってるんだい、二人とも」
ふ、と影が差して前を見ると、アリスティドが会いたかった人物が目の前にいた。ニコニコとしていて、怒っている様子はない。なのになぜか二人ともさらに泣きそうになっている。むしろ二人は父親の方に振り返ろうとしない。
「ただいまです、ヴィー!」
二人の静止を振り切って、ヴィクトールの胸に飛び込んだ。彼の匂いを胸いっぱいに吸い込むと多幸感に溢れて、ふにゃり、としてしまう。ちょっと寄っかかってしまうが、さすがは騎士団長、ビクともしない。
後ろから「ああああ…」という絶望感に溢れた声が聞こえてくる。どうしてなのか、と思い振り返ろうとした。
しかし、うまく振り返れない。ヴィクトールにガッチリと抱き込まれているせいだった。痛くはないが、動けもしない、絶妙な力加減だった。
「ヴィー?荷物があるので一回離してもらえると」
「二人とも、ここは頼んだ。いいね」
二人とも返事はなかったが、ブンブンと風を切っている音が聞こえてくる。首を振って肯定しているようだった。見上げると、やっぱりヴィクトールはニコニコとしているが、ようやくアリスティドはちょっと様子がおかしいことに気がついた。
そのまま抱き抱えられて、邸宅の玄関を通る。エイベンが「おかえりなさいませ。連絡してくださいとあれほど言ったのですが…今回は諦めて下さい」となぜか可哀想なものを見る眼をしていた。とりあえずただいまと返したが、何を諦めるのか分からなくて首を傾げた。
ヴィクトールの部屋の扉を、バンと勢いよく開けられる。アリスティドは抱えられたままである。
そして、ベッドに優しく下ろされて、ヴィクトールがアリスティドを囲うように馬乗りになってきた。
ちゅ、と頬や額にキスを落とされて、少しくすぐったい。でも心地よくてアリスティドは彼の首にまた腕を回してもっととせがんだ。
「ん、ヴィー…」
しかし、ヴィクトールはピタリと動きを止め、アリスティドの眼を見つめながら問う。
「リスティ、どうして私に言わずに実家に?」
「あ……今までもそうしてたので、すっかり…ごめんなさい。でもお土産を持ってきたんです。荷物にあるので」
「後にしてくれ。リスティ、プライベートに口を出さないという条件はもうなかったことになってるのは、覚えてる?」
言われて、アリスティドは二週間前ほどのやり取りを思い出す。そういえば、条件は白紙に戻してあった気がする。
やっぱりヴィクトールは怒っているのだろうか、不安になってアリスティドはしょんぼりとする。
「ご、ごめんなさい…勝手に帰って…」
「帰ったらベッドにリスティがいなくて心臓が止まるかと思った。かと思えばエイベンに『今までアリス様を蔑ろにしてきた報いです』と煽られ、初めて殺意が湧いた」
「さ、さつ?え?」
ヴィクトールから聞いたこともない言葉が出てきたので眼を見開く。
「ビィにもヴィンにも、『一週間アリスがいないのはよくあること』と言われ、知らないのがおかしいんだと責められた。クリスは苦笑していたよ」
何となく想像がついて、アリスティドは「ああー……」と小さく呟いた。
といっても、ヴィクトールは今まで条件としてプライベートに口を出さないこととしていた。アリスティドが静かに実家を行き来していたとしても知らないのは仕方がないことだ。
つい最近までなんとも思ってなかったアリスティドのことなど、理解している方がおかしいわけで。
「一週間居ないのは良くあること、とは。この半年に何度居なかった?」
「一ヶ月に一回は……多分…」
「へぇ」
全く納得してない顔をしている。ジワジワと追い詰めるような圧を感じる。
アリスティドは今、この世の小動物の気持ちを一番理解しているに違いないと思った。
すると、ヴィクトールが馬乗りになっていた身体を上げる。ふ、と圧が消えてちょっとホッとすると、足元でガチャン、という金属音が聞こえてきた。
「え…?」
何事かと思い、足元を見ると左の足首が冷たい金属の輪が嵌ってジャラ…と鎖が繋がっている。まるで囚人のような拘束具だった。その鎖の先はベッドの柱である。
「え、え?ヴィー? なに?なんで?」
アリスティドの頭は混乱していた。ヴィクトールの顔に影が差していて良く見えない。
「リスティが一週間好きにする代わりに、私も三週間好きにさせてもらう」
「ひっ……」
愛しい夫の姿を見て、アリスティドは怯えた。
笑っているのに全く眼が笑ってない。いつもはキラキラとしている顔面圧も、今やドロドロの真っ黒オーラしか背後に見えない。
アリスティドはこの時、ようやくどうして自分が深窓の侯爵夫人と言われるのか理解した。
前妻も、こうやって部屋から出して貰えないことがあったからだと。
兄達全員に、『マジで帰らないでくれ』と懇願された。母と父の暴走を止められるものはこの世にいない。アリスティドとて、もう嫁いだ身なのだ。兄達に「頑張って下さい」と微笑んだ。四人ともガックリと肩を落としていた。
毎日アレだとしんどいのもわかるので、アリスティドは同情した。
何時間か馬車に揺られ、ヴィクトールの邸宅に戻ってきた。そういえば、実家での出来事が濃すぎてすっかり家令のエイベンに帰宅の旨を伝え忘れた。貴族としてやってしまった、とちょっと落ち込んだが、やってしまったことは仕方ない。とりあえず、約束の一週間後ではあるので問題ないだろう。
お土産はみんなの分を持った。ビクトリアには母が刺繍したモチーフのブローチ。十歳だが大人びているのできっと似合うだろう。トラヴィンにはもうちょっと勉強を頑張ってほしいので、兄達から勧められた本を。ヴィクリスには後継勉強に学業、剣技の習得と一番大変で疲れているだろうと父から勧められた疲労回復のドリンクを持ってきた。使用人達には領地で流行りの菓子折りを持った。
そして今回はヴィクトールにも準備した。今までは準備して渡しても迷惑だろうと、何も準備したり渡したりすることが出来なかったが、きっと今回は受け取ってくれるだろうと準備してみた。
ヴィクトールにはアリスティド唯一の趣味と言っても過言ではない、ドライフラワーのリースだ。
男で花が好きなのか、と言われるとちょっと困ってしまうが、母に無理やりやらされた中で一番楽しかったのがドライフラワー作りだったのだ。ヴィクトールにはどうしても自分が作ったものを渡したかったので部屋に飾ってもらえるようにリースにした。
邸宅で待っている皆に会えるのが楽しみで、ウキウキと馬車を降りる。当然のごとく、出迎えはない。
アリスティドが帰ると言い忘れたので仕方ない。
荷物が多いので、ひとまず御者に下ろすのを手伝ってもらっていると、突然走ってくる音が近づいてきた。何事かと思い、振り返る。
「あ、あああアリス!そのまま馬車に乗って!今すぐ逃げなさい!!」
ビクトリアだった。トラヴィンも追いかけてきたようで、二人とも肩で息をしている。
逃げる?一体誰から。荷物を地面にとりあえず置きながら首を傾げて二人を見る。御者も侯爵家の令嬢がスカートを振り乱す様子にぎょっとしている。
「ど、どうしたの?ビィもヴィンも…何かあったの?」
「何かあったのじゃないわ!アリスの母様からの手紙を読んだクソ父様が…!」
「説明してる場合じゃねぇだろ!俺たちが馬車に先に気付いたから良かったけど、親父が気づいたら…!」
「母様の手紙読んだの?あれは出鱈目だから大丈夫だよって後から僕の手紙を送ったんだけど?」
二人はブンブンと首を振って、泣きそうになりながらアリスを馬車に乗せようとグイグイ背中を押してくる。
着いたばかりでまた馬車に乗りたくはない。御者も困っている。
「ねぇ、どうしたの?母様の手紙読んでヴィーが怒ってるの?」
「お、怒ってないわ!手紙の件では!」
「そうなの?じゃあ一体…」
「お帰り、リスティ。何やってるんだい、二人とも」
ふ、と影が差して前を見ると、アリスティドが会いたかった人物が目の前にいた。ニコニコとしていて、怒っている様子はない。なのになぜか二人ともさらに泣きそうになっている。むしろ二人は父親の方に振り返ろうとしない。
「ただいまです、ヴィー!」
二人の静止を振り切って、ヴィクトールの胸に飛び込んだ。彼の匂いを胸いっぱいに吸い込むと多幸感に溢れて、ふにゃり、としてしまう。ちょっと寄っかかってしまうが、さすがは騎士団長、ビクともしない。
後ろから「ああああ…」という絶望感に溢れた声が聞こえてくる。どうしてなのか、と思い振り返ろうとした。
しかし、うまく振り返れない。ヴィクトールにガッチリと抱き込まれているせいだった。痛くはないが、動けもしない、絶妙な力加減だった。
「ヴィー?荷物があるので一回離してもらえると」
「二人とも、ここは頼んだ。いいね」
二人とも返事はなかったが、ブンブンと風を切っている音が聞こえてくる。首を振って肯定しているようだった。見上げると、やっぱりヴィクトールはニコニコとしているが、ようやくアリスティドはちょっと様子がおかしいことに気がついた。
そのまま抱き抱えられて、邸宅の玄関を通る。エイベンが「おかえりなさいませ。連絡してくださいとあれほど言ったのですが…今回は諦めて下さい」となぜか可哀想なものを見る眼をしていた。とりあえずただいまと返したが、何を諦めるのか分からなくて首を傾げた。
ヴィクトールの部屋の扉を、バンと勢いよく開けられる。アリスティドは抱えられたままである。
そして、ベッドに優しく下ろされて、ヴィクトールがアリスティドを囲うように馬乗りになってきた。
ちゅ、と頬や額にキスを落とされて、少しくすぐったい。でも心地よくてアリスティドは彼の首にまた腕を回してもっととせがんだ。
「ん、ヴィー…」
しかし、ヴィクトールはピタリと動きを止め、アリスティドの眼を見つめながら問う。
「リスティ、どうして私に言わずに実家に?」
「あ……今までもそうしてたので、すっかり…ごめんなさい。でもお土産を持ってきたんです。荷物にあるので」
「後にしてくれ。リスティ、プライベートに口を出さないという条件はもうなかったことになってるのは、覚えてる?」
言われて、アリスティドは二週間前ほどのやり取りを思い出す。そういえば、条件は白紙に戻してあった気がする。
やっぱりヴィクトールは怒っているのだろうか、不安になってアリスティドはしょんぼりとする。
「ご、ごめんなさい…勝手に帰って…」
「帰ったらベッドにリスティがいなくて心臓が止まるかと思った。かと思えばエイベンに『今までアリス様を蔑ろにしてきた報いです』と煽られ、初めて殺意が湧いた」
「さ、さつ?え?」
ヴィクトールから聞いたこともない言葉が出てきたので眼を見開く。
「ビィにもヴィンにも、『一週間アリスがいないのはよくあること』と言われ、知らないのがおかしいんだと責められた。クリスは苦笑していたよ」
何となく想像がついて、アリスティドは「ああー……」と小さく呟いた。
といっても、ヴィクトールは今まで条件としてプライベートに口を出さないこととしていた。アリスティドが静かに実家を行き来していたとしても知らないのは仕方がないことだ。
つい最近までなんとも思ってなかったアリスティドのことなど、理解している方がおかしいわけで。
「一週間居ないのは良くあること、とは。この半年に何度居なかった?」
「一ヶ月に一回は……多分…」
「へぇ」
全く納得してない顔をしている。ジワジワと追い詰めるような圧を感じる。
アリスティドは今、この世の小動物の気持ちを一番理解しているに違いないと思った。
すると、ヴィクトールが馬乗りになっていた身体を上げる。ふ、と圧が消えてちょっとホッとすると、足元でガチャン、という金属音が聞こえてきた。
「え…?」
何事かと思い、足元を見ると左の足首が冷たい金属の輪が嵌ってジャラ…と鎖が繋がっている。まるで囚人のような拘束具だった。その鎖の先はベッドの柱である。
「え、え?ヴィー? なに?なんで?」
アリスティドの頭は混乱していた。ヴィクトールの顔に影が差していて良く見えない。
「リスティが一週間好きにする代わりに、私も三週間好きにさせてもらう」
「ひっ……」
愛しい夫の姿を見て、アリスティドは怯えた。
笑っているのに全く眼が笑ってない。いつもはキラキラとしている顔面圧も、今やドロドロの真っ黒オーラしか背後に見えない。
アリスティドはこの時、ようやくどうして自分が深窓の侯爵夫人と言われるのか理解した。
前妻も、こうやって部屋から出して貰えないことがあったからだと。
192
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
王太子殿下は悪役令息のいいなり
一寸光陰
BL
「王太子殿下は公爵令息に誑かされている」
そんな噂が立ち出したのはいつからだろう。
しかし、当の王太子は噂など気にせず公爵令息を溺愛していて…!?
スパダリ王太子とまったり令息が周囲の勘違いを自然と解いていきながら、甘々な日々を送る話です。
ハッピーエンドが大好きな私が気ままに書きます。最後まで応援していただけると嬉しいです。
書き終わっているので完結保証です。
ちっちゃな婚約者に婚約破棄されたので気が触れた振りをして近衛騎士に告白してみた
風
BL
第3王子の俺(5歳)を振ったのは同じく5歳の隣国のお姫様。
「だって、お義兄様の方がずっと素敵なんですもの!」
俺は彼女を応援しつつ、ここぞとばかりに片思いの相手、近衛騎士のナハトに告白するのだった……。
本当に悪役なんですか?
メカラウロ子
BL
気づいたら乙女ゲームのモブに転生していた主人公は悪役の取り巻きとしてモブらしからぬ行動を取ってしまう。
状況が掴めないまま戸惑う主人公に、悪役令息のアルフレッドが意外な行動を取ってきて…
ムーンライトノベルズ にも掲載中です。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる