14 / 37
やり直す sideサシャ
しおりを挟む
サシャ=ジルヴァールはアーヴィンが本当に、こんな魔獣がうろつく辺境に来ているのか分からなくなった。
姿をパタリと見なくなったからだ。
サシャは事務方で、ほとんど事務室に引きこもっているようなものだし、アーヴィンも恐らく討伐やら訓練やらで忙しいのかもしれない。
やっぱり実在するんだな、と思ったのは、アーヴィンの噂がサシャの耳にも入ってきた時だった。
アーヴィン=イブリックはサシャ=ジルヴァールの元彼であり、捨てられたのに寄りを戻しにここまでやってきたという噂が流れていた。
アーヴィンはティムと付き合っていたからサシャを捨てた訳では無いのにな、なんて考えたが、わざわざこんなややこしいことを否定して回るのもおかしな話で止めておいた。
アーヴィンは働き者だという話も耳にした。
たまたま食堂でアーヴィンの話をしていたアーヴィンの同僚がいて、「地味な仕事も、面倒な仕事も率先して行う。困っていたらすぐ手を貸してくれるし、相談にも乗ってくれる良い奴だ」という話をしていた。
サシャはそれを聞いて、なんだか誇らしくなりつつも、アーヴィンは確かに相談に乗ってくれるが嘘もつくぞと言ってやりたくなってしまった。
アーヴィンと再会したのは、あの公開仲直りから2週間が経った時だった。
サシャは定刻通りにエドガー団長の所へ書類を取りに向かっていた。
本来ならばわざわざ書類を取りに行く必要は無いのだが、サシャは勝手に父親像を騎士団長に押し付けており、ちょっとでも役に立ちたいと思っているために団長室へいつも行っている。
上司のコリンにも、「甲斐甲斐しいねぇ」なんて揶揄されるレベルで毎日行っていた。
そしてなぜだかエドガー団長とサシャは恋仲なのではないかと疑う声もあるらしい。
サシャはなぜそんな風に噂をされるのか分からなかった。本当に書類を受け取っているだけである。
そもそもエドガー団長は結婚をしていて、愛妻家である。
団長室をノックすると、部屋の中から返事が聞こえたのでドアを開けるとエドガー団長は執務机の書類をまとめていた。
そして、ドアの近くにはアーヴィンが立っていた。
びっくりしすぎてサシャは思わず後ろに仰け反ってしまった。
「サシャ。あー、ちょっと待っててくれ。今書類を渡す。あああ、渡したいやつがどっかいった」
エドガー団長はサシャの様子には気づいておらず、ガサガサと書類をまとめ続けていた。
アーヴィンと思わず目を合わす状況となり、サシャは目線を泳がせてしまった。
「サシャ、後で話したい」
「あ、後で?」
エドガー団長の前では話をするのは控えたのだろうか。
確かに下っ端同士、団長室で会話をするのは気が引けるというか失礼だ。
しかし、サシャは後でアーヴィンに会わなくてはならないというイベントに怯えた。
「あーサシャ、今日の分はこれだ。いつもすまん」
「いえ。あ、えと、じゃあ私はこれで」
「アーヴィンと話すなら今から行ってこい。コリンには俺から言っとく」
返事をするのが怖くて先延ばしにしようとしたイベントを、エドガー団長は余計な気を遣って開催させようとしてくる。
エドガー団長は公開仲直りを見ているし、サシャとアーヴィンが辺境に来た理由も分かっているからこその配慮だ。
それは分かっているが、今のサシャはまだ気持ちが整理できていないし、その配慮はありがたくなかった。
「団長、失礼しました」
「あ、ちょ…し、失礼しました」
サシャが戸惑っていると、アーヴィンは団長へ挨拶をしてサシャの手を掴んできた。そのまま扉の外へと引っ張られるため、サシャも挨拶をして外に出た。
強引なところは変わらないんだな、と思い出に浸りながらアーヴィンに引っ張られ続けた。
団長室から少し離れた空き部屋に入った。 アーヴィンはよく空き部屋なんかを知っていたな、なんて感心してしまった。
空き部屋と言っても倉庫のような役割で、木箱が多く置かれている。ほんの少しだけ埃っぽいような気もする。
アーヴィンは掴んでいた手を離さないまま、神妙な面持ちで話し始めた。
「エドガー団長とできているというのは、本当か?」
「は」
よもやそんな噂話をアーヴィンが信じているとは思わず、サシャは目を丸くした。
何度も言うがエドガー団長は愛妻家で、ノーマルだ。
サシャは眼中に無いと思われるのに、どうしてこうもみんなホモにするのか。
サシャは驚きつつも、どう返答していいのか考えあぐねていた。
否定すれば良いだけだが、いつもの余裕そうなアーヴィンがどこにもないのだ。
そもそもサシャの初恋を奪った事に関していえば許していない。
アーヴィンの嘘を許していないと同義の様な気もするが、サシャにとっては少し違う。サシャが嘘をつかれたのは、自分の常識知らずが身の内から出ただけである。
しかし、クラークを結果傷つけることになったことは許せないのだ。
サシャはエドガー団長との噂の真偽を聞かれる度に、心底軽蔑した顔で否定することに決めているのだが、少し意趣返しをしたい。
「そうだって言ったら?」
質問に質問で返すのは卑怯だ。
アーヴィンの顔をチラリと見ると、口に手を当ててショックを受けているようだった。
「エドガー団長は、その」
「あのね、私がいくら世間知らずでも不倫はしない」
サシャがそう言うと、アーヴィンはポカンと口を開いた。どうやら本気でサシャの言葉を信じそうになっていたようだった。
少しだけ、溜飲が下がった気になった。
こんなに簡単にアーヴィンが騙されるとは思っていなかった。
しかも一瞬で血の気が引いていったアーヴィンを見たのは初めてだったので、すぐに否定してしまった。
アーヴィンはため息をついてその場にしゃがみ込んだ。サシャの手はまだ握られたままだ。
「サシャの言葉は心臓に悪い」
「みんなそれ聞いてくるから、つい。…ごめんね」
サシャもしゃがみ、アーヴィンと目線を一緒にしてから謝った。
「サシャは、もうここでは1人じゃないんだな。そんな風に冗談が言えるほど、心が落ち着いてる」
アーヴィンの翠眼が少しだけ揺らいでいる。
それなのにアーヴィンはどこか嬉しそうにしていた。
「サシャ。君ともう一度やり直したい」
「そ、れは。前にも聞いた」
「あれは出会い方をやり直したかった。そうじゃなくて」
掴まれた手に力が篭もるのを感じた。痛くはない。久しぶりにアーヴィンの体温を感じる。
サシャの全身が、どこか納得できないまま、歓喜に包まれている。
納得できない。
あんな騙し方をしておいて、あんな目を、言葉を自分にかけておいて、どうしてこんなにサシャを惹き付けてくるのか。
最低な男だと分かっているのに、縋るような瞳に見つめられてサシャの身体は石像のように動けなくなる。
「好きだ。君ともう一度恋人になりたい」
縋るような余裕のない表情で訴えるように伝えてくる彼に、本当は、ふざけないでとかありえないとか、少しは罵倒しても許されると思った。
アーヴィンがサシャを傷つけたのは間違いないし、そのくらいしたって文句を言われる筋合いなどないと思っていた。
けれど、サシャは限界だった。
アーヴィンが居ることを確かに感じるのに、会えないことも。
アーヴィンとこうやって手を触れられないことも。
アーヴィンがくれるキスの心地良さも。
陽の香りがする体温も。
抱きしめてくれる腕の優しい強さも。
もうサシャは知っているのだ。
「……うん、いいよ」
「い、いいのか?」
アーヴィンはまさか良い返事が聞けるとは思っていなかった様子だった。
簡単にサシャから赦したことに、素直に驚いていた。
「その代わりちゃんと責任取って。アーヴィンが私に教えたんだから」
アーヴィンの頬を両手で包む。
サシャはアーヴィンの翠眼に吸い込まれるように唇を重ねた。重ねるだけのキスをして、離れるとアーヴィンは目を丸くしていた。
しかし一拍置いて、サシャの身体を強く抱きしめてきた。
「嘘じゃないよな?!」
「うん、もう嘘は言わないよ」
抱きしめる力が少し弱くなって、サシャの肩口にあったアーヴィンの顔と見つめ合う。
アーヴィンは今にも泣きそうな顔をしていて感極まっているようだった。
嘘はもう言わない。誰かを傷つけるだけだし、サシャは嘘をつく理由もない。
未だ納得いかないこの気持ちも、きっといつか解けて行くのだろうと思う。
「結婚してくれ!」
「え、それはちょっと」
それまでは、アーヴィンが少し調子に乗ったら言い返すくらいは今後もしていくことにする。
姿をパタリと見なくなったからだ。
サシャは事務方で、ほとんど事務室に引きこもっているようなものだし、アーヴィンも恐らく討伐やら訓練やらで忙しいのかもしれない。
やっぱり実在するんだな、と思ったのは、アーヴィンの噂がサシャの耳にも入ってきた時だった。
アーヴィン=イブリックはサシャ=ジルヴァールの元彼であり、捨てられたのに寄りを戻しにここまでやってきたという噂が流れていた。
アーヴィンはティムと付き合っていたからサシャを捨てた訳では無いのにな、なんて考えたが、わざわざこんなややこしいことを否定して回るのもおかしな話で止めておいた。
アーヴィンは働き者だという話も耳にした。
たまたま食堂でアーヴィンの話をしていたアーヴィンの同僚がいて、「地味な仕事も、面倒な仕事も率先して行う。困っていたらすぐ手を貸してくれるし、相談にも乗ってくれる良い奴だ」という話をしていた。
サシャはそれを聞いて、なんだか誇らしくなりつつも、アーヴィンは確かに相談に乗ってくれるが嘘もつくぞと言ってやりたくなってしまった。
アーヴィンと再会したのは、あの公開仲直りから2週間が経った時だった。
サシャは定刻通りにエドガー団長の所へ書類を取りに向かっていた。
本来ならばわざわざ書類を取りに行く必要は無いのだが、サシャは勝手に父親像を騎士団長に押し付けており、ちょっとでも役に立ちたいと思っているために団長室へいつも行っている。
上司のコリンにも、「甲斐甲斐しいねぇ」なんて揶揄されるレベルで毎日行っていた。
そしてなぜだかエドガー団長とサシャは恋仲なのではないかと疑う声もあるらしい。
サシャはなぜそんな風に噂をされるのか分からなかった。本当に書類を受け取っているだけである。
そもそもエドガー団長は結婚をしていて、愛妻家である。
団長室をノックすると、部屋の中から返事が聞こえたのでドアを開けるとエドガー団長は執務机の書類をまとめていた。
そして、ドアの近くにはアーヴィンが立っていた。
びっくりしすぎてサシャは思わず後ろに仰け反ってしまった。
「サシャ。あー、ちょっと待っててくれ。今書類を渡す。あああ、渡したいやつがどっかいった」
エドガー団長はサシャの様子には気づいておらず、ガサガサと書類をまとめ続けていた。
アーヴィンと思わず目を合わす状況となり、サシャは目線を泳がせてしまった。
「サシャ、後で話したい」
「あ、後で?」
エドガー団長の前では話をするのは控えたのだろうか。
確かに下っ端同士、団長室で会話をするのは気が引けるというか失礼だ。
しかし、サシャは後でアーヴィンに会わなくてはならないというイベントに怯えた。
「あーサシャ、今日の分はこれだ。いつもすまん」
「いえ。あ、えと、じゃあ私はこれで」
「アーヴィンと話すなら今から行ってこい。コリンには俺から言っとく」
返事をするのが怖くて先延ばしにしようとしたイベントを、エドガー団長は余計な気を遣って開催させようとしてくる。
エドガー団長は公開仲直りを見ているし、サシャとアーヴィンが辺境に来た理由も分かっているからこその配慮だ。
それは分かっているが、今のサシャはまだ気持ちが整理できていないし、その配慮はありがたくなかった。
「団長、失礼しました」
「あ、ちょ…し、失礼しました」
サシャが戸惑っていると、アーヴィンは団長へ挨拶をしてサシャの手を掴んできた。そのまま扉の外へと引っ張られるため、サシャも挨拶をして外に出た。
強引なところは変わらないんだな、と思い出に浸りながらアーヴィンに引っ張られ続けた。
団長室から少し離れた空き部屋に入った。 アーヴィンはよく空き部屋なんかを知っていたな、なんて感心してしまった。
空き部屋と言っても倉庫のような役割で、木箱が多く置かれている。ほんの少しだけ埃っぽいような気もする。
アーヴィンは掴んでいた手を離さないまま、神妙な面持ちで話し始めた。
「エドガー団長とできているというのは、本当か?」
「は」
よもやそんな噂話をアーヴィンが信じているとは思わず、サシャは目を丸くした。
何度も言うがエドガー団長は愛妻家で、ノーマルだ。
サシャは眼中に無いと思われるのに、どうしてこうもみんなホモにするのか。
サシャは驚きつつも、どう返答していいのか考えあぐねていた。
否定すれば良いだけだが、いつもの余裕そうなアーヴィンがどこにもないのだ。
そもそもサシャの初恋を奪った事に関していえば許していない。
アーヴィンの嘘を許していないと同義の様な気もするが、サシャにとっては少し違う。サシャが嘘をつかれたのは、自分の常識知らずが身の内から出ただけである。
しかし、クラークを結果傷つけることになったことは許せないのだ。
サシャはエドガー団長との噂の真偽を聞かれる度に、心底軽蔑した顔で否定することに決めているのだが、少し意趣返しをしたい。
「そうだって言ったら?」
質問に質問で返すのは卑怯だ。
アーヴィンの顔をチラリと見ると、口に手を当ててショックを受けているようだった。
「エドガー団長は、その」
「あのね、私がいくら世間知らずでも不倫はしない」
サシャがそう言うと、アーヴィンはポカンと口を開いた。どうやら本気でサシャの言葉を信じそうになっていたようだった。
少しだけ、溜飲が下がった気になった。
こんなに簡単にアーヴィンが騙されるとは思っていなかった。
しかも一瞬で血の気が引いていったアーヴィンを見たのは初めてだったので、すぐに否定してしまった。
アーヴィンはため息をついてその場にしゃがみ込んだ。サシャの手はまだ握られたままだ。
「サシャの言葉は心臓に悪い」
「みんなそれ聞いてくるから、つい。…ごめんね」
サシャもしゃがみ、アーヴィンと目線を一緒にしてから謝った。
「サシャは、もうここでは1人じゃないんだな。そんな風に冗談が言えるほど、心が落ち着いてる」
アーヴィンの翠眼が少しだけ揺らいでいる。
それなのにアーヴィンはどこか嬉しそうにしていた。
「サシャ。君ともう一度やり直したい」
「そ、れは。前にも聞いた」
「あれは出会い方をやり直したかった。そうじゃなくて」
掴まれた手に力が篭もるのを感じた。痛くはない。久しぶりにアーヴィンの体温を感じる。
サシャの全身が、どこか納得できないまま、歓喜に包まれている。
納得できない。
あんな騙し方をしておいて、あんな目を、言葉を自分にかけておいて、どうしてこんなにサシャを惹き付けてくるのか。
最低な男だと分かっているのに、縋るような瞳に見つめられてサシャの身体は石像のように動けなくなる。
「好きだ。君ともう一度恋人になりたい」
縋るような余裕のない表情で訴えるように伝えてくる彼に、本当は、ふざけないでとかありえないとか、少しは罵倒しても許されると思った。
アーヴィンがサシャを傷つけたのは間違いないし、そのくらいしたって文句を言われる筋合いなどないと思っていた。
けれど、サシャは限界だった。
アーヴィンが居ることを確かに感じるのに、会えないことも。
アーヴィンとこうやって手を触れられないことも。
アーヴィンがくれるキスの心地良さも。
陽の香りがする体温も。
抱きしめてくれる腕の優しい強さも。
もうサシャは知っているのだ。
「……うん、いいよ」
「い、いいのか?」
アーヴィンはまさか良い返事が聞けるとは思っていなかった様子だった。
簡単にサシャから赦したことに、素直に驚いていた。
「その代わりちゃんと責任取って。アーヴィンが私に教えたんだから」
アーヴィンの頬を両手で包む。
サシャはアーヴィンの翠眼に吸い込まれるように唇を重ねた。重ねるだけのキスをして、離れるとアーヴィンは目を丸くしていた。
しかし一拍置いて、サシャの身体を強く抱きしめてきた。
「嘘じゃないよな?!」
「うん、もう嘘は言わないよ」
抱きしめる力が少し弱くなって、サシャの肩口にあったアーヴィンの顔と見つめ合う。
アーヴィンは今にも泣きそうな顔をしていて感極まっているようだった。
嘘はもう言わない。誰かを傷つけるだけだし、サシャは嘘をつく理由もない。
未だ納得いかないこの気持ちも、きっといつか解けて行くのだろうと思う。
「結婚してくれ!」
「え、それはちょっと」
それまでは、アーヴィンが少し調子に乗ったら言い返すくらいは今後もしていくことにする。
297
あなたにおすすめの小説
無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~
紫鶴
BL
早く退職させられたい!!
俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない!
はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!!
なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。
「ベルちゃん、大好き」
「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」
でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。
ーーー
ムーンライトノベルズでも連載中。
推しのために自分磨きしていたら、いつの間にか婚約者!
木月月
BL
異世界転生したモブが、前世の推し(アプリゲームの攻略対象者)の幼馴染な側近候補に同担拒否されたので、ファンとして自分磨きしたら推しの婚約者にされる話。
この話は小説家になろうにも投稿しています。
【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
【完結】浮薄な文官は嘘をつく
七咲陸
BL
『薄幸文官志望は嘘をつく』 続編。
イヴ=スタームは王立騎士団の経理部の文官であった。
父に「スターム家再興のため、カシミール=グランティーノに近づき、篭絡し、金を引き出せ」と命令を受ける。
イヴはスターム家特有の治癒の力を使って、頭痛に悩んでいたカシミールに近づくことに成功してしまう。
カシミールに、「どうして俺の治癒をするのか教えてくれ」と言われ、焦ったイヴは『カシミールを好きだから』と嘘をついてしまった。
そう、これは───
浮薄で、浅はかな文官が、嘘をついたせいで全てを失った物語。
□『薄幸文官志望は嘘をつく』を読まなくても出来る限り大丈夫なようにしています。
□全17話
αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
君さえ笑ってくれれば最高
大根
BL
ダリオ・ジュレの悩みは1つ。「氷の貴公子」の異名を持つ婚約者、ロベルト・トンプソンがただ1度も笑顔を見せてくれないことだ。感情が顔に出やすいダリオとは対照的な彼の態度に不安を覚えたダリオは、どうにかロベルトの笑顔を引き出そうと毎週様々な作戦を仕掛けるが。
(クーデレ?溺愛美形攻め × 顔に出やすい素直平凡受け)
異世界BLです。
末っ子王子は婚約者の愛を信じられない。
めちゅう
BL
末っ子王子のフランは兄であるカイゼンとその伴侶であるトーマの結婚式で涙を流すトーマ付きの騎士アズランを目にする。密かに慕っていたアズランがトーマに失恋したと思いー。
お読みくださりありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる