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番外編
兄弟 sideダリル
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ダリル=ジルヴァールは、結婚をしてシェルヴェン家に入ることとなり、ダリル=シェルヴェンとなった。
今日はダリルは全く会ったことがないが、ディランの友人がどうしてもダリルを参加させて欲しい、という事で渋々ディランの友人との飲み会に参加することになった。
「おいおい、マジだったよ。サシャ=ジルヴァールの弟?うわ…」
自己紹介をして、二言目がこれだった。エメ=リュデュイという人物は小柄な少年の風貌をしており、口は悪いが底抜けに明るそうな人物であった。
「てかもう結婚したの?大丈夫?騙されてない?」
隣にいる人物はクラーク=アクセルソン、穏やかで優しそうな印象が特徴的だった。
「おいおい。俺がアーヴィンみたいなことするかよ」
ダリルの隣でニヤついているディランとは、つい最近夫婦となった。いや、夫夫と言うべきか。
「いやいやお前、信じられねー。こないだまで女紹介しろってうるさかったくせに」
「うるせぇエメ。見ろこの可愛さを」
「うげぇ、急にディランが惚気だした」
エメは本気で気持ち悪がっていそうだった。
「そもそもどうしてこうなったの?」
「僕の噂を消す代わりに、条件を付けられて……」
「条件?」
クラークが聞いて、答えるとクラークは低い声で尋ねてきた。
そしておそらく彼の中である結論に至ったようだった。
「ディラン、まさか君……」
「クラークは気づくよなぁ? ははは」
「さ、サシャと同じことをさせたのか!ほんと信じられないほどのクズだな!君は!」
ゲラゲラ笑っているディランにクラークが叫ぶ。
兄もアーヴィンにキスの練習と騙されてキスをしていたのだが、ディランも似たような事をしてきたことを言っているのだろう。
「こんなクソ野郎のどこが好きなんだ?こいつマジで人の不幸も噂も笑うわ、うるさいわで良いとこなくないか?」
「おいこらエメ、聞き捨てならねぇ」
「いやその通り過ぎて否定できないよ」
「クラーク…いいか?俺は騙したんじゃない。契約を交わしたんで見返りを求めたに過ぎない。アーヴィンほどのクズじゃないぞ」
ディランが2人にボロクソ言われ、さすがのダリルもどう答えていいか一瞬戸惑った。
「ディランは……僕の約束、ちゃんと守ってくれたし…その…助けてくれて嬉しかったから」
「はー、見ろよこの可愛さ」
「うるさい!」
あまりにも可愛いを言いながら頭を撫でてくるのでさすがに窘めた。人前では恥ずかしいから止めて欲しい。
多分顔は酒だけのせいじゃなく真っ赤になっている。
「大丈夫?嫌なことされてない?」
クラークに心底心配される。
ダリルはゆっくり首を振って返事をした。
嫌なことは本当にない。
ディランはダリルを猫可愛がるが、グイグイと近づいたりしなくなった。ダリルが近づくまでただひたすら待ってくれるのだ。
そして何より閨では、びっくりするほど優しいのだ。本当にディランかと疑いたくなるほど、優しく丁寧に扱ってくる。
ダリルはいつもゆっくりゆっくりと官能を引き出されるような揺さぶられ方をする。最近はそれにハマりすぎてディランが動かなくても気持ちよくなるようになってしまった。
もう少し乱暴にしても、とたまに思った時は、察しがいいこの男はそういう風にしてくれる。
その事を思い出して更に耳まで赤くすると、理解したようなディランがニヤついた顔でこっちを見ている。
「サシャに凄く似てるとは思わなかったけど、そういう風にもじもじする所そっくりだね」
「おいクラークあんま見んな、減る」
「兄上に似てるのは嫌だ…」
サシャとはこれから先も会うことはないだろうと思う。ダリルがしてきたことを思えば当たり前だし、ダリルもどう接していいか分からない。
「なんか嫌なことあったらすぐに言えよ?な?」
「うんうん、すぐに言ってね。別れたくなったらどうにかしてあげるからね」
「え…」
「2人ともマジでやめろや」
そんな風に言われると少し不安になってくる。
けれどもダリルが何か言わないと、きっとこの2人はずっと心配しそうなので、勇気を出すことにした。
「……だ、大丈夫、です。ディランは、優しいから」
2人とも目を丸くしてダリルを見ていた。ディランは相変わらずニヤついている。
「ディランが優しい?! 洗脳されてんじゃねーか!!」
「本当に心配になってきた。サシャもこうやって騙されたんだろうな…」
エメは叫び、クラークは遠い目をしていた。
「というか、ディランがダリルと結婚したってことは、アーヴィンとディランて義兄弟……」
「俺がアーヴィンを義兄さんと呼ぶんだぜ……震えてくるだろ」
「うげーーー!」
エメの叫び声が、居酒屋に響いた。
ディランは愉快そうに笑っていて、人の嫌がることをする天才との結婚は早まったかもしれない、と心の中で思ったのは内緒である。
今日はダリルは全く会ったことがないが、ディランの友人がどうしてもダリルを参加させて欲しい、という事で渋々ディランの友人との飲み会に参加することになった。
「おいおい、マジだったよ。サシャ=ジルヴァールの弟?うわ…」
自己紹介をして、二言目がこれだった。エメ=リュデュイという人物は小柄な少年の風貌をしており、口は悪いが底抜けに明るそうな人物であった。
「てかもう結婚したの?大丈夫?騙されてない?」
隣にいる人物はクラーク=アクセルソン、穏やかで優しそうな印象が特徴的だった。
「おいおい。俺がアーヴィンみたいなことするかよ」
ダリルの隣でニヤついているディランとは、つい最近夫婦となった。いや、夫夫と言うべきか。
「いやいやお前、信じられねー。こないだまで女紹介しろってうるさかったくせに」
「うるせぇエメ。見ろこの可愛さを」
「うげぇ、急にディランが惚気だした」
エメは本気で気持ち悪がっていそうだった。
「そもそもどうしてこうなったの?」
「僕の噂を消す代わりに、条件を付けられて……」
「条件?」
クラークが聞いて、答えるとクラークは低い声で尋ねてきた。
そしておそらく彼の中である結論に至ったようだった。
「ディラン、まさか君……」
「クラークは気づくよなぁ? ははは」
「さ、サシャと同じことをさせたのか!ほんと信じられないほどのクズだな!君は!」
ゲラゲラ笑っているディランにクラークが叫ぶ。
兄もアーヴィンにキスの練習と騙されてキスをしていたのだが、ディランも似たような事をしてきたことを言っているのだろう。
「こんなクソ野郎のどこが好きなんだ?こいつマジで人の不幸も噂も笑うわ、うるさいわで良いとこなくないか?」
「おいこらエメ、聞き捨てならねぇ」
「いやその通り過ぎて否定できないよ」
「クラーク…いいか?俺は騙したんじゃない。契約を交わしたんで見返りを求めたに過ぎない。アーヴィンほどのクズじゃないぞ」
ディランが2人にボロクソ言われ、さすがのダリルもどう答えていいか一瞬戸惑った。
「ディランは……僕の約束、ちゃんと守ってくれたし…その…助けてくれて嬉しかったから」
「はー、見ろよこの可愛さ」
「うるさい!」
あまりにも可愛いを言いながら頭を撫でてくるのでさすがに窘めた。人前では恥ずかしいから止めて欲しい。
多分顔は酒だけのせいじゃなく真っ赤になっている。
「大丈夫?嫌なことされてない?」
クラークに心底心配される。
ダリルはゆっくり首を振って返事をした。
嫌なことは本当にない。
ディランはダリルを猫可愛がるが、グイグイと近づいたりしなくなった。ダリルが近づくまでただひたすら待ってくれるのだ。
そして何より閨では、びっくりするほど優しいのだ。本当にディランかと疑いたくなるほど、優しく丁寧に扱ってくる。
ダリルはいつもゆっくりゆっくりと官能を引き出されるような揺さぶられ方をする。最近はそれにハマりすぎてディランが動かなくても気持ちよくなるようになってしまった。
もう少し乱暴にしても、とたまに思った時は、察しがいいこの男はそういう風にしてくれる。
その事を思い出して更に耳まで赤くすると、理解したようなディランがニヤついた顔でこっちを見ている。
「サシャに凄く似てるとは思わなかったけど、そういう風にもじもじする所そっくりだね」
「おいクラークあんま見んな、減る」
「兄上に似てるのは嫌だ…」
サシャとはこれから先も会うことはないだろうと思う。ダリルがしてきたことを思えば当たり前だし、ダリルもどう接していいか分からない。
「なんか嫌なことあったらすぐに言えよ?な?」
「うんうん、すぐに言ってね。別れたくなったらどうにかしてあげるからね」
「え…」
「2人ともマジでやめろや」
そんな風に言われると少し不安になってくる。
けれどもダリルが何か言わないと、きっとこの2人はずっと心配しそうなので、勇気を出すことにした。
「……だ、大丈夫、です。ディランは、優しいから」
2人とも目を丸くしてダリルを見ていた。ディランは相変わらずニヤついている。
「ディランが優しい?! 洗脳されてんじゃねーか!!」
「本当に心配になってきた。サシャもこうやって騙されたんだろうな…」
エメは叫び、クラークは遠い目をしていた。
「というか、ディランがダリルと結婚したってことは、アーヴィンとディランて義兄弟……」
「俺がアーヴィンを義兄さんと呼ぶんだぜ……震えてくるだろ」
「うげーーー!」
エメの叫び声が、居酒屋に響いた。
ディランは愉快そうに笑っていて、人の嫌がることをする天才との結婚は早まったかもしれない、と心の中で思ったのは内緒である。
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