僕の伴侶は最古の竜

ライ

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契約の儀偏

初めての友とのふれあい

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「はじめまして、私はあなたたち人が、上級の竜と呼ぶ存在です。私がここに来たのはあなたの血に惹かれたからです」と。
竜に言われて気が付いたが、僕の左足の付け根に、小さな傷があった。
いつ、ついたかわからない。
僕は混乱しながら、竜に僕のことを話した。
僕がここにいるのは、母が僕は生きてはいけないと言い、僕を殺そうとしたからだと、話し僕も自己紹介をした。
「はじめまして、僕の名前は、シャルト、ウルティナ帝国側から来ました」
竜はにこりと、笑顔を向け、「まだ小さな子供なのにとても礼儀正しく、好い目を向けますね。私は気に入りました、あなたいえ、シャルト、私と生涯の伴侶の契約をしませんか?」
と驚くことを言いました。
人は極限まで追いつめられると、混乱を通り越して、冷静になれるようです。
冷静になって、考えてみましたが契約とは確か竜が気にいった人間に、もちかける寿命や力を伸ばすためのもののはずです、だが僕はもう死を望んでいる、ただの人形のような存在だ。
そんな存在である僕に、この気高く美しい竜が、その契約をもちかけているという。
何かの冗談かなと思い、竜にそれを伝えてみた。そうしたら、竜は笑い出した。
「ふふ、あなたは面白い、普通の人間ならば、喜んで契約したいと言ってくるのに、あなたは私の言葉を聞いて、何かの冗談だと思ってしまうなんて、やはり私の目に狂いはないわね、冗談じゃないわ、私はあなたと、シャルトと共に生きたいわ、だから契約しましょう。私と」
僕は受け止めきれない現象に、直面し、気を失った、まあ現実逃避である。
目が覚めると、当たり前のように黒く美しい竜が、僕のそばでちょこんと座り、僕が目覚めたことに気付いたのか、その秀麗な顔をこちらに向けることで、現実逃避も意味を成さなかったことを僕に教える。
「目が覚めたようで何よりだわ、でも私はあなたのことを、諦めるつもりは微塵もないからあなたが諦めなさい。それに大分昔にも、あなたと同じように、竜との契約を嫌がっていた人間がいたけど、竜のしつこさに諦めて契約したそうよ。竜は気にいった人間を逃がすことはないのよ」
と目が覚めて間もない僕に受け入れたくない事実を、突きつけてきた。
僕は竜の言葉になかば呆れ半分、感心半分の、気持ちになりながら、竜の言葉に、後押しされるように、僕は覚悟を決めて、竜の申し出を受け入れることにしました。
このように美しい竜が、僕を欲しているのです。
それに答えない選択肢は、僕には無かったようです。
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