39 / 40
学園偏
嵐の前の静けさ
しおりを挟む
ディオミスが教師として来て、ひと月が経った。
つまり僕の誕生日もあと一日二日でくると言うことだ。
ティアは何か忙しそうにしていたけど、とりあえずは放っておいた。
そしてティアにとって待ちに待った僕の誕生日当日。
彼女は僕を起こしてから一緒に朝食を食べ、そのあとに
(夜を楽しみにしていてね)
とかわいらしい顔で僕に言い、どこかへ飛んで行った。
今日はディオミスの授業が無いので、彼女と四六時中一緒にいなくても問題はなかった。
今日の授業はエラキルサイカが担当だった。
歴史の授業はもうそろそろ、古代の竜騎がやった伝説の話が出てきた。
この話には真実もあれば嘘の伝説もあるようで、何が事実で何が嘘の伝説か誰も分かりません。
まあ当たり前だ、今ここにある伝説を作ったであろう主はもう死んでいる。
どうであったかなど当時の人間しか知らないし、当時の人間では分からなかったことが未来でどういうことか分かる時だってある。
まあ伝説の真偽は当時でなくては分からないだろうが。
この伝説の中には一人の竜騎が5000頭の竜を葬ったというような絵空事のような内容から、3人の竜騎が一国をひと月で壊滅させたという可能かもしれない内容までさまざまある。
その中に黒竜と契約した者の生き胆は不老不死の妙薬になるだとか、竜の血を浴びると身体が強靭になるとか言った確かめるのは難しそうな内容の伝説というか伝承?のようなものまであった。
僕にとっては前者の伝承は自分の身があぶないかなと、少しは思った。
最後の1頭であるティアと契約している僕の肝を、食らいたいと思うやつはたくさんいそうだ。
しかしそう簡単に人に殺されるような弱い鍛え方はしていない。
一番心配なのは彼女の命が狙われることだ。
そう思うと僕は恐ろしすぎて、目に映るすべての人間を殺しそうになってしまう。
僕の思考の方がよっぽど恐ろしいと思うが、彼女が僕のすべてなのだからそう思うのも当然だ。
彼女に傷一つでもつけようものならば、僕はそいつに生まれたことを後悔させるくらいに、痛めつける自分の姿が容易に想像できる。
その時になったら一瞬で殺してしまうかもしれないが。
怒りに我を失って。
こんな感情に支配される僕のことを彼女は愛してくれるだろうか?
怖いと思われるかな。
こんな物騒な感情なんて。
でも僕は君だけいればそれでいい、そう思うほどに君のことを愛しているんだ。
僕の気持ちの端っこだけでも君に伝わればいいな。
つまり僕の誕生日もあと一日二日でくると言うことだ。
ティアは何か忙しそうにしていたけど、とりあえずは放っておいた。
そしてティアにとって待ちに待った僕の誕生日当日。
彼女は僕を起こしてから一緒に朝食を食べ、そのあとに
(夜を楽しみにしていてね)
とかわいらしい顔で僕に言い、どこかへ飛んで行った。
今日はディオミスの授業が無いので、彼女と四六時中一緒にいなくても問題はなかった。
今日の授業はエラキルサイカが担当だった。
歴史の授業はもうそろそろ、古代の竜騎がやった伝説の話が出てきた。
この話には真実もあれば嘘の伝説もあるようで、何が事実で何が嘘の伝説か誰も分かりません。
まあ当たり前だ、今ここにある伝説を作ったであろう主はもう死んでいる。
どうであったかなど当時の人間しか知らないし、当時の人間では分からなかったことが未来でどういうことか分かる時だってある。
まあ伝説の真偽は当時でなくては分からないだろうが。
この伝説の中には一人の竜騎が5000頭の竜を葬ったというような絵空事のような内容から、3人の竜騎が一国をひと月で壊滅させたという可能かもしれない内容までさまざまある。
その中に黒竜と契約した者の生き胆は不老不死の妙薬になるだとか、竜の血を浴びると身体が強靭になるとか言った確かめるのは難しそうな内容の伝説というか伝承?のようなものまであった。
僕にとっては前者の伝承は自分の身があぶないかなと、少しは思った。
最後の1頭であるティアと契約している僕の肝を、食らいたいと思うやつはたくさんいそうだ。
しかしそう簡単に人に殺されるような弱い鍛え方はしていない。
一番心配なのは彼女の命が狙われることだ。
そう思うと僕は恐ろしすぎて、目に映るすべての人間を殺しそうになってしまう。
僕の思考の方がよっぽど恐ろしいと思うが、彼女が僕のすべてなのだからそう思うのも当然だ。
彼女に傷一つでもつけようものならば、僕はそいつに生まれたことを後悔させるくらいに、痛めつける自分の姿が容易に想像できる。
その時になったら一瞬で殺してしまうかもしれないが。
怒りに我を失って。
こんな感情に支配される僕のことを彼女は愛してくれるだろうか?
怖いと思われるかな。
こんな物騒な感情なんて。
でも僕は君だけいればそれでいい、そう思うほどに君のことを愛しているんだ。
僕の気持ちの端っこだけでも君に伝わればいいな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる