前世は仕事のやりすぎによる過労死を経験したので次の人生ではのんびり生きたい

ライ

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学園編

46話

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自分の部屋についた私は荷物の整理をした。
荷物は服と文房具(ここではペンとインク)などが私が持ってきたものだ。
先に届けられた荷物があり、それに貴族として持っていたほうがいいと、父が言った物がたくさん詰まっていた。
部屋もかなり広く、寮というよりはホテルと言ったほうがいいほどの部屋だ。
豪華過ぎる、子供に与えていいのか、こんな広い部屋。
家具類も父の意向により、我が家にあったものを運びいれていた。
慣れたものがあるのは安心するのでありがたいが、父の愛が相も変わらず重く感じる。
クローゼットに服をいれ、机に文房具などをいれ終われば自分が持ってきた荷物の整理は終わる。
問題なのは、父が送ってくれた、貴族として持っていたほうがいいものたちの整理だ。
私の髪と目の色に合わせた装飾品から始まり、護身用のナイフや編み物の道具(貴族の女性の嗜み)、ティーセットなどがたくさん詰まっている。
装飾品はそのままでいいだろう。
使う時に引っ張りだせばいい。
護身用のナイフは机にでもしまっておこう。
ティーセットは壊れないように保管。
編み物道具はやるときだせばいいので、これも放置。
とりあえず荷物の整理も終わったので、明日に備えて今日は早めに寝よう。
寝るために向かった、寝室にあるベッドは1人で寝るには不必要なほど、でかかった。
大人が3人くらい寝ても大丈夫なほどの大きさだ。
寝る前に一言、広すぎんだよ!
心の中で叫び、気がすんだ。
私は広すぎるベッドに入って眠った。
目が覚めると、隣に誰かが眠っていた。
抱きついている状態だ。
意味がわからん。
見た目は金色の髪に20代後半の男性だ。
私がもぞもぞ動いて起き上がろうとすると、抱きついている男性も目が覚めたようだ。
男性の目はアメジストを嵌め込んだような紫色をしています。
この色彩に見覚えがあるような?
寝起きで思考がまとまりません。
「起きたのか、ティエ」
「とりあえず、あなた誰ですか?」
ずっと思っていたことを吐き出した。
「うん?俺のことわからない?」
「わからないから聞いている。だいたいなんで私のベッドに潜りこんで、抱きついている」
「なぜ抱きついているかなんて、そんなの決まっているじゃないか、俺が抱きつきたいからだよ。俺のことわからないなんてひどいな。本当にわからない?」
 「わかりません」
「俺は、紫皇だよ」
しおう、しおう、紫皇?
頭が男性の言った言葉を理解するまで、少し時間がかかってしまった。
しかし、紫皇とは私と契約した幻獣の名前のはず。
ますますわからん。
私が首を傾げていると、紫皇と名乗った男性は、くつくつ笑っていた。
「あ~おもしろい。ティエは知らなかったんだ?高位の幻獣は人に化けることができるんだよ」
にっこり笑顔で男性改め、私の契約獣である紫皇が正体をカミングアウトした。
確かに、途中からそうではないかと思っていたが、まさかそんなことはないだろうと思って思考から削除されていた。
盲点である。
紫皇はまだ笑いの発作が治まらないようで、プルプルと震えている。
私は殴ってもいいと思う、この失礼極まりない野郎を。
「あ~笑った。いって」
私はとりあえず、紫皇の頭にチョップをかました。
グーだと私の手が痛くなるから。
朝から疲れた。
今の時間は朝の6時くらい。
いつもより早く起きてしまったようだ。
アルシェイドは先生が迎えにくると言っていたが、何時くらいなのかはわからない。
一応、もう初登校の用意はしておこう。
部屋着から、外用の服に着替え、水属性の魔法を使って桶に水をはり自分の顔を洗った。
単純な魔法なら少しは制御できるようになった。
ほんの少しだけだが。
「なあなあ、俺のことは無視?」
さっきからうるさい。
右から左に聞き流していたが、さすがに目の前に顔を近づけられれば、無視もできない。
「はあ、出ていけと言わないだけマシじゃないか。とりあえず、迎えがくるまでは良いけど私が出た後は外にいてよ」
「つめてーな、まあいいけど、なんかあったらちゃんと俺を呼べよ」
「なんかって何?。だいたい、この学園は守りが硬い。危険があるわけないじゃない」
「確かにかなり強い魔法結界が施されているが、俺みたいに高位の幻獣なら破れる。危なくなる前に必ず呼べ」
「はいはいわかりました。呼べばいいんでしょ。危なくなったら」
「分かればいい。俺はもう出たほうがよさそうだな。じゃあ頑張れよ」
しつこく言い、ふいにドアの方を見たあと、私の額に唇を押しつけて、窓から外に出ていった。
紫皇が出た後すぐに、ノックがされた。
コンコン
「ファルストークさん、案内に来ました。起きていますか?」
柔らかい雰囲気の女性の声だ。
「はい。今出ます」
言葉の後に、グレーティエは自室から出て、案内役の女性教師についていった。
向かった先は二階にある部屋だった。
女性教師はドアをノックして、「編入生を連れて来ました」と声をかけた。
いよいよ、グレーティエの学園生活が始まる。
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