前世は仕事のやりすぎによる過労死を経験したので次の人生ではのんびり生きたい

学園編

学園案内

「ふふ、君は相変わらず面白いね。とりあえず、学園案内をするから出よう？」
キラキラ笑顔を崩さずに言って、手を差し出した。
私もとりあえず、
「ええ、案内をよろしくお願いいたします」と彼の手を取ることなく立ち上がり、頭を下げて願った。
差し出されたままの手を引っ込めて、
「もちろん、そのために来たんだから」
と先ほどよりもキラキラしい笑顔で答えた。
気のせいか、先ほどよりも寒気が強くなった気が。ああ上着が欲しい。
部屋から出て、アルシェイドによる学園案内が始まった。
学園は城のような形で、上のほうが学園生と教員たちが住む寮のようだ。
上のほうが教員たちの寮、教職舎で、その下に女子寮と男子寮がある。
女子寮と男子寮の間の階に一年生の担当教員が住んでる。
何でも、かなり前に男子が女子の寮に忍びこんで、無理やり襲おうとした事件があったらしく、そんなことが起きないための配慮だと。
アルシェイドはその説明の後、ぶつぶつ何かしゃべっていた。
下の階は授業用の教室があり、学年別でなく、授業内容別で分けられている。
外での授業もあり、城の回りにある土地はすべて学園の所有地だ。
この学園を保つためにどんだけ金かけているのか想像したくない広さだ。
だいたいの案内が終わり、最後に教員室に連れていかれた。
アルシェイドが中に入って、５分くらいで出てきた。
「グレーティ、今日は学園案内だけらしいから後は寮の君の部屋に行って荷物の整理をするといいよ。明日、先生が迎えに行くらしいから」
アルシェイドの言葉に、
「わかりました。今日は誠にありがとうございました」
と答え、早々に寮の自分の部屋に向かった。
寮への道順は先ほど教えてもらったので、ついてきそうな、アルシェイドに大丈夫だと言って帰ってもらった。