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学園編
VS流行り病の前に前哨戦
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ルークを領地に送り届けてからすぐに王都に駆けた。
流石の黒影も、王都からモルト領を休憩なしで往復するのはきつかったようで、凄く疲れてる。
王都に着いてすぐに、仮家の厩舎に黒影を連れていき、古い寝藁を交換する。
疲れている黒影に褒美を沢山用意し、新しくした寝藁で寝かせ、私は王宮へと向かった。
王宮の門の前で、別れる前に父が言っていたように、宰相に呼ばれていると言って通してもらおうとしたのに、門の衛兵は私の言葉を疑って通してくれなかった。
「ですから!私は宰相に呼ばれているのです、ちゃんと確認してください!」
「はっ、お前のような小娘を宰相閣下が呼ぶわけなかろう!吐くならもっとましな嘘を吐くんだな!確認する必要がどこにある!」
「仕事をしないんですか?」
「はあ?何を言っている?下手な嘘は通じないからと意味の分からんことを言って俺を惑わそうとでもしているのか」
「そのままの意味です。ここで確認を怠ることは門番として怠慢なのではありませんか?」
「ふん!必要のないことをしないのは怠慢とは言わん。小娘の嘘に付き合う必要はないと言うことだ。とっとと帰れ!」
埒があかない。
このままじゃ父に会うどころか王宮にすら入れないじゃないか。
どうすればいい?
あーだこーだと門番と話し始めてはや10分、ギャーギャーと騒ぐ音で何事かと、駆け付けた、真面目そうな騎士に説明をした。
「なるほど、君は本当に宰相様に呼ばれているのだね?」
「はい、誓って嘘は吐いておりません」
「わかった。ではその君の言葉が真実か、こちらで確認をしよう。名を聞いてもいいかね?」
「あ!、名乗り忘れてました。私、リア・モルトです」
「モルト!?」
私は急ぎ過ぎていて、名乗るのをすっかり忘れていた。
なので、改めて名乗ると、先ほどまで私を小娘と言っていた門番がもの凄く驚いた声で叫び、真面目そうな騎士は目を見開く。
「君、あのモルト伯爵の娘か?」
「はい、そうですけど?あのが何を指しているかはわかりませんが」
二人ともに何故か顔面蒼白になってしまった。
(お前やばいことしたっぽいぞ)
(だって、先輩、俺モルト伯爵の顔知らねえし、いきなり来たこんな小さい娘があのモルト伯爵の娘なんて思えねーよ!)
真面目そうな騎士と門番は私から離れてこそこそと話しあっているけど、遠すぎて内容は聞こえないな。
二人がこそこそしていると、王宮側から外に出ようとする一団がやってきた。
「おい、門番が門にいないとはどういうことだ?」
一団を率いていたのは、この国の第一王子で乙女ゲーム、〈ワクワク★学園ライフ★星が導く愛のカタチ〉でメイン攻略対象キャラである、レオン・レグルス・スターレインだった。
そういえば、学園ではほぼ公務で欠席していて、私は会ったことなかったなー。
「もっ、申し訳ございません!!こ、こちらのご令嬢の応対をしていましたので、持ち場を離れてしまいました!」
え?さっきは私のこと小娘とか言ってなかった?
「ご令嬢?」
王子は門番の言葉で私のほうを見る。
貴族としては王族が目の前にいる以上は挨拶をしない選択肢はないので、とりあえずは挨拶をしないと。
「学園の同じクラスではありますが、面と向かってお会いするのは初めてなので名乗らせていただきます。私、モルト伯爵の娘、リア・モルトと申します。王子殿下」
最大限の淑女の礼で王子に挨拶をする。
「ああ、ベガからいきなりデネブに来たという、噂の生徒か。で?君はなぜここにいる?」
「はい、本日は宰相閣下からお呼びがありましたので、こちらに参った次第なのですが、、門番の方に嘘だと疑われてしまい、このような状態になってしまいました」
「なるほど。では私が入城許可をしよう。門番には追って沙汰を下す」
「は!!、この度は私の独断で誠に申し訳ございませんでした!!」
門番は脂汗を流しながら王子に敬礼し、その後に私に向かって頭を下げる。
「いいえ、私も名乗り忘れていたので、気にしないでください」
小娘発言には少しムカッとしたけど、多分結構重いペナルティがあるだろうし、ここで追い打ちをかけるほど外道でもないので、許してます的な雰囲気で答えた。
「ところで、殿下は視察か何かですか?」
「ああ、そのつもりだったが、急ぎの用ではないのでモルト嬢を案内しようと思う」
「へ?」
真面目騎士が王子に話しかけていると思ったらなぜか王子に案内される話が出てくる。
いきなり話をふられたので、王子相手なのも忘れて間抜けな声が漏れる。
「あ、あの!私はだ、大丈夫なので、王子殿下におかれましては、お仕事を優先したほうが良いとおもいます!」
学園に入ってからの一連の攻略対象の反応からすると、王子も私のことを目の敵にしそうだし、そんな人と一緒にいたくないので断固拒否を試みるが。
「なに、あまり学園を休むわけにもいかないので長期休暇で仕事を前倒ししようとは思ったが、同じクラスの生徒と交流を持つほうが私にとっては大事なことだ。それにモルト嬢は王宮に入ったことはないだろう?」
「そ、それは確かにそうなんですけど、、お、王子の手を煩わせるほどでもないですし、婚約者様がおられる王子に何かあってはいけないですし!」
王宮で迷子になるのは困るけど、王子に案内されるほうが私としては避けたい案件、なのになんでこんなに王子は食い下がってくるんだよ。
流石の黒影も、王都からモルト領を休憩なしで往復するのはきつかったようで、凄く疲れてる。
王都に着いてすぐに、仮家の厩舎に黒影を連れていき、古い寝藁を交換する。
疲れている黒影に褒美を沢山用意し、新しくした寝藁で寝かせ、私は王宮へと向かった。
王宮の門の前で、別れる前に父が言っていたように、宰相に呼ばれていると言って通してもらおうとしたのに、門の衛兵は私の言葉を疑って通してくれなかった。
「ですから!私は宰相に呼ばれているのです、ちゃんと確認してください!」
「はっ、お前のような小娘を宰相閣下が呼ぶわけなかろう!吐くならもっとましな嘘を吐くんだな!確認する必要がどこにある!」
「仕事をしないんですか?」
「はあ?何を言っている?下手な嘘は通じないからと意味の分からんことを言って俺を惑わそうとでもしているのか」
「そのままの意味です。ここで確認を怠ることは門番として怠慢なのではありませんか?」
「ふん!必要のないことをしないのは怠慢とは言わん。小娘の嘘に付き合う必要はないと言うことだ。とっとと帰れ!」
埒があかない。
このままじゃ父に会うどころか王宮にすら入れないじゃないか。
どうすればいい?
あーだこーだと門番と話し始めてはや10分、ギャーギャーと騒ぐ音で何事かと、駆け付けた、真面目そうな騎士に説明をした。
「なるほど、君は本当に宰相様に呼ばれているのだね?」
「はい、誓って嘘は吐いておりません」
「わかった。ではその君の言葉が真実か、こちらで確認をしよう。名を聞いてもいいかね?」
「あ!、名乗り忘れてました。私、リア・モルトです」
「モルト!?」
私は急ぎ過ぎていて、名乗るのをすっかり忘れていた。
なので、改めて名乗ると、先ほどまで私を小娘と言っていた門番がもの凄く驚いた声で叫び、真面目そうな騎士は目を見開く。
「君、あのモルト伯爵の娘か?」
「はい、そうですけど?あのが何を指しているかはわかりませんが」
二人ともに何故か顔面蒼白になってしまった。
(お前やばいことしたっぽいぞ)
(だって、先輩、俺モルト伯爵の顔知らねえし、いきなり来たこんな小さい娘があのモルト伯爵の娘なんて思えねーよ!)
真面目そうな騎士と門番は私から離れてこそこそと話しあっているけど、遠すぎて内容は聞こえないな。
二人がこそこそしていると、王宮側から外に出ようとする一団がやってきた。
「おい、門番が門にいないとはどういうことだ?」
一団を率いていたのは、この国の第一王子で乙女ゲーム、〈ワクワク★学園ライフ★星が導く愛のカタチ〉でメイン攻略対象キャラである、レオン・レグルス・スターレインだった。
そういえば、学園ではほぼ公務で欠席していて、私は会ったことなかったなー。
「もっ、申し訳ございません!!こ、こちらのご令嬢の応対をしていましたので、持ち場を離れてしまいました!」
え?さっきは私のこと小娘とか言ってなかった?
「ご令嬢?」
王子は門番の言葉で私のほうを見る。
貴族としては王族が目の前にいる以上は挨拶をしない選択肢はないので、とりあえずは挨拶をしないと。
「学園の同じクラスではありますが、面と向かってお会いするのは初めてなので名乗らせていただきます。私、モルト伯爵の娘、リア・モルトと申します。王子殿下」
最大限の淑女の礼で王子に挨拶をする。
「ああ、ベガからいきなりデネブに来たという、噂の生徒か。で?君はなぜここにいる?」
「はい、本日は宰相閣下からお呼びがありましたので、こちらに参った次第なのですが、、門番の方に嘘だと疑われてしまい、このような状態になってしまいました」
「なるほど。では私が入城許可をしよう。門番には追って沙汰を下す」
「は!!、この度は私の独断で誠に申し訳ございませんでした!!」
門番は脂汗を流しながら王子に敬礼し、その後に私に向かって頭を下げる。
「いいえ、私も名乗り忘れていたので、気にしないでください」
小娘発言には少しムカッとしたけど、多分結構重いペナルティがあるだろうし、ここで追い打ちをかけるほど外道でもないので、許してます的な雰囲気で答えた。
「ところで、殿下は視察か何かですか?」
「ああ、そのつもりだったが、急ぎの用ではないのでモルト嬢を案内しようと思う」
「へ?」
真面目騎士が王子に話しかけていると思ったらなぜか王子に案内される話が出てくる。
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「あ、あの!私はだ、大丈夫なので、王子殿下におかれましては、お仕事を優先したほうが良いとおもいます!」
学園に入ってからの一連の攻略対象の反応からすると、王子も私のことを目の敵にしそうだし、そんな人と一緒にいたくないので断固拒否を試みるが。
「なに、あまり学園を休むわけにもいかないので長期休暇で仕事を前倒ししようとは思ったが、同じクラスの生徒と交流を持つほうが私にとっては大事なことだ。それにモルト嬢は王宮に入ったことはないだろう?」
「そ、それは確かにそうなんですけど、、お、王子の手を煩わせるほどでもないですし、婚約者様がおられる王子に何かあってはいけないですし!」
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