あの世に行ったら追い返された

ライ

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交渉偏

老婆との攻防戦本戦第二回戦

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ふふ私も年頃の女の子、お年寄りは大切にしろと言われても限度がある。
ここまで虚仮にされては私の気が治まらない、私は頭の中の何かが切れたようで、
感情のままに老婆に対して言った。
「別におばあさんの言葉が聞こえなかったからもう一度聞いたわけじゃなくて、服を脱げなんて言われるわけないと思ったから、もう一度聞いたんだよ。それなのに聞き間違えじゃないなんて逆になんで脱がなきゃならないんだよ。私はまだ恋人に肌を許したことのない、うら若き乙女だ。
いくら同性だからって家族でもないおばあさんに裸を見られなきゃいけないって何の罰ゲームだ  私はまだ悪いことなんてしていないのにどんな仕打ちだよ!!」
はあはあ息を荒げながら、私は渾身の叫びを老婆にぶつけた。
私の言葉に驚いたのか、老婆は多少後ろに下がりながらも
「そいなことワシに言われても、おまえさんは六文銭を持っとらんのじゃろう?ならこの川を渡るにはワシがおまえさんの服を脱がせにゃおまえさんはこの川を渡れんのよ」
と仕方なさそうに言ったが。
「ふん別に私は川を渡れなくたって気にならない、全部そっちの都合じゃないか私の知ったことじゃない」
と老婆に答えたら老婆はため息をつきながら無理やり私の服を脱がせようとした。
「いいから脱がんか!」
「い・や・だ」
私も負けじと脱がされないように、自分の服の裾を押さえていたとき。
シャリとまた砂利をふむ足音がどこからともなくやってきた。
しかも今度の足音は木製の下駄のような音だった。
音の主は、端正な顔をした男だった。
男は私と老婆の、服脱げ脱がない攻防を見た後に老婆にこう言った
「何やってるんだおばば」
男の言葉に慌てながら老婆が敬礼する勢いで
「あっあのこの者が六文銭を持っていないとのことで、服を脱がせようと試みていたのですが、  この者、大変抵抗しまして手間取っているだけでございます。けっ決してあなた様を煩わせるようなことはしません」
とビビりながら最早土下座する勢いでまくし立てた。
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