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私のお店・2.5
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「それじゃリンティス様。これ、食べますか」
ふと思い出して鈴がホットサンドメーカーを開くと、ふわりと熱気と共に香りが立った。実に腹の空く匂いだ。
「なんだ?」
子どものように目を輝かせて身を乗り出す彼はちょっと可愛い。
「カレーのホットサンドです。ちょっと辛いかもしれませんけど」
「食べる食べる」
さすがにこの世界では、カレーのようにスパイシーなものは受けないだろうと自分の夜食用に作ったもので、中身はキーマカレーに野菜を足したもの。出来上がった段階で電源は切っていたからそこまで焦げてはいない。
二重生活はリンティスの加護もあってかそこまで疲れない。ただまあ、ちょっとゆっくり考えたい事があってもなかなかその時間が取れないのは確かだ。
熱い辛いと言いながら嬉しそうにホットサンドを平らげているリンティスに、冷ましたお茶を煎れてやりながら鈴は語る。
ホットサンドメーカーは昔友人達に買ってもらった、鈴の大事な秘密兵器だ。自分でアタッチメントを購入してもいる。家庭用なので一度に作れる量は少ない、けれどホットサンドもワッフルもミニたい焼きもミニ焼きドーナツも作れるのだ。
「この辺りの人は、あんまり甘いもの食べないんですよ。値段説明しても、そんなに安い訳ないとか思うらしくて。かといってがっつり系はご飯ものになっちゃうからなあ」
「ご飯ものも美味いのにな。たまにあちらで出してる昼飯はどうなんだ」
鈴の愚痴ともとれる言葉に、ぺろりとホットサンドを平らげたリンティスが応じる。
「昼飯……ランチセットですか。あれも基本はご飯に合わせるメニューだからなあ」
悩みながら鈴は冷蔵庫を開けた。業務用としては小さいサイズだが、家庭用に比べればずっと大きい。中身は日によってバラバラ、今日はキャベツのパック(千切り済み業務用)とパン粉をまぶしたフライが並んでいる。
「んー、明日のランチの白身魚のフライが売れ残るようなら、やってみましょうか。ソースかタルタルなら、パンには合うよね」
「……それも美味そうだな」
思わず、というようにリンティスが漏らした。
「この辺の人は、お魚は食べますか?」
「いや、そもそも海は離れているからな。この辺りまで新鮮な状態で運べない。川の魚も食べられるが、数は少ないし」
それではまた、売れないかもしれないとは思ったが鈴の基本は元の世界での生活だ。ここではそう売れなくてもいい、のだがせめて閑古鳥は勘弁してほしい。
ふと思い出して鈴がホットサンドメーカーを開くと、ふわりと熱気と共に香りが立った。実に腹の空く匂いだ。
「なんだ?」
子どものように目を輝かせて身を乗り出す彼はちょっと可愛い。
「カレーのホットサンドです。ちょっと辛いかもしれませんけど」
「食べる食べる」
さすがにこの世界では、カレーのようにスパイシーなものは受けないだろうと自分の夜食用に作ったもので、中身はキーマカレーに野菜を足したもの。出来上がった段階で電源は切っていたからそこまで焦げてはいない。
二重生活はリンティスの加護もあってかそこまで疲れない。ただまあ、ちょっとゆっくり考えたい事があってもなかなかその時間が取れないのは確かだ。
熱い辛いと言いながら嬉しそうにホットサンドを平らげているリンティスに、冷ましたお茶を煎れてやりながら鈴は語る。
ホットサンドメーカーは昔友人達に買ってもらった、鈴の大事な秘密兵器だ。自分でアタッチメントを購入してもいる。家庭用なので一度に作れる量は少ない、けれどホットサンドもワッフルもミニたい焼きもミニ焼きドーナツも作れるのだ。
「この辺りの人は、あんまり甘いもの食べないんですよ。値段説明しても、そんなに安い訳ないとか思うらしくて。かといってがっつり系はご飯ものになっちゃうからなあ」
「ご飯ものも美味いのにな。たまにあちらで出してる昼飯はどうなんだ」
鈴の愚痴ともとれる言葉に、ぺろりとホットサンドを平らげたリンティスが応じる。
「昼飯……ランチセットですか。あれも基本はご飯に合わせるメニューだからなあ」
悩みながら鈴は冷蔵庫を開けた。業務用としては小さいサイズだが、家庭用に比べればずっと大きい。中身は日によってバラバラ、今日はキャベツのパック(千切り済み業務用)とパン粉をまぶしたフライが並んでいる。
「んー、明日のランチの白身魚のフライが売れ残るようなら、やってみましょうか。ソースかタルタルなら、パンには合うよね」
「……それも美味そうだな」
思わず、というようにリンティスが漏らした。
「この辺の人は、お魚は食べますか?」
「いや、そもそも海は離れているからな。この辺りまで新鮮な状態で運べない。川の魚も食べられるが、数は少ないし」
それではまた、売れないかもしれないとは思ったが鈴の基本は元の世界での生活だ。ここではそう売れなくてもいい、のだがせめて閑古鳥は勘弁してほしい。
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