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第一章=新たな世界にて
【二話】草原のど真ん中で。
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これは夢なのだろうか。
いや、まだ寝ていないはず、、、
しかし、夜八時で外は暗かったはずなのにここは昼間のように明るい。別の世界か何かなのだろうか。
「どこだ、ここ。」
突然のことに戸惑っていると近くから聞き覚えのある声で聴き覚えのあるセリフが聞こえた。
「ん。」
振り返るとそこには佐藤が立っていた。
「佐藤、、、」
誰か知っている人がそばにいるだけでこれほど安心するものなのかと思った。
「この場所に心当たりあるか。」
「ん。」
「ないか。だよな。俺もない。」
一体全体ここはどこで、どのようにしてこんな場所にたどり着いたのか分からず、帰れるのかどうかも定かではない。
普通なら恐怖や焦りといったものが出てくるだろう。でもどこまでも広がるこの広大な草原はこれまで過ごしていた窮屈な日本社会とまるで対立するかのように「自由であれ」と訴えかけていた。
「風が気持ちいい。」
すると、佐藤が草原の中で寝転がり始めた。
「ちょ、おま、流石にそれは、、、」
言いかけて、
「いや、俺もそうしよ。」
ものすごく気持ちの良い時間だった。
そして、いつのまにか俺たちは二人して草原のど真ん中で寝てしまっていた。
目を覚ますと日は沈み掛けていて空は茜色だった。
「佐藤、佐藤。起きろ。」
「ん。」
「とりあえず夜になると危ないからどこかに行かないか。」
「ん。」
俺たちは立ち上がり果てしなく続く草原の中を右往左往しながら歩き始めた。
どれくらい歩いただろう。景色が一向に変わらない。日はより一層落ちて段々と暗くなりお互いの顔を認識するのが難しくなってきていた。
「光源が欲しいな。」
夜になり冷え込んできた。俺たちは薄着で肌寒さに身震いした。
「歩いている方向は正しいのか?」
もうお互いを認識できない。柄にもないことだが、逸れてしまっては元も子もないので手を繋ぐ。
どこからか狼の遠吠えが聞こえてきて、どうか襲わないでくださいと切に願った。
すると、遠くの方に小さなオレンジ色のボヤけた点が宙に浮いているのが見えた。
「なんだ、あれ。」
その方向に歩いているうちに段々とその点は大きくなっていった。
「もしかして、あれ光か?」
見えない顔を合わせて、俺たちはそれに向かって走り出した。
すると、その光は近づくにつれ小刻みに揺れていることに気がついた。そして、その背後になにやら人らしき影があることにも。
「もしかして、あれはランプか。誰かがランプを持っているんだ。」
人の気配に興奮し俺たちはその人に駆け寄った。
「あの!」
「うわぁぁぁぁぁ!」
相手は俺たちに気が付かなかったらしく、声をかけたあ途端大声で驚いていた。
「す、すみません。驚かせて、、、」
「あ、いや、大丈夫だ。というか君たちはここで何をしているんだい?こんな夜にこんなところで。」
「え、あ、えと、迷い込んでしまったみたいでどこに向かっているのか分からなくて、、、」
すると、相手は驚いた顔をして「それは大変だ。案内してあげるからついてきなさい」と近くの村まで連れていってくれた。
連れていかれた先には小さな宿があり、そこに一室を貸してもらった。「夕食どきにもう一度会おう」と言われ、とりあえず一旦部屋に入った。
「人に会えてよかったな。」
「ん。」
冷え込んでいたから風邪をひいてしまったのだろうか、佐藤は少し咳き込んでいる気がした。
「夕食時ってことはあとちょっとだよな?」
「ん。」
「ここ時計がないから時間がどのくらいなのか分からないな、、、」
この部屋は実家の自分部屋くらいの大きさで六畳程、ベッドが二つと小さなクローゼット、それから机と椅子が一脚ずつ置いてあった。
異世界系アニメで見たことがある感じの宿に少し似ていた。
少しすると、ドアをノックする者があり、「はい。」と返事をする。すると、「俺だ。」と声がした。先ほど案内をしてくれた人だ。
扉を開けるとさっきとは違う服装でその人が立っていた。
「あれ、服が違う、、、」
「ああ、これな。そこのクローゼットに入ってるよ。ここの宿の宿泊者用の服だよ。二人も着るといい。」
「あ、分かりました。」
クローゼットを開けるとそこには白い浴衣に似た服が掛かっていた。
着方は見当がついたので佐藤とともに着替え、元の服をたたみクローゼットにしまう。そのまま一緒に階下の食堂に向かった。
いや、まだ寝ていないはず、、、
しかし、夜八時で外は暗かったはずなのにここは昼間のように明るい。別の世界か何かなのだろうか。
「どこだ、ここ。」
突然のことに戸惑っていると近くから聞き覚えのある声で聴き覚えのあるセリフが聞こえた。
「ん。」
振り返るとそこには佐藤が立っていた。
「佐藤、、、」
誰か知っている人がそばにいるだけでこれほど安心するものなのかと思った。
「この場所に心当たりあるか。」
「ん。」
「ないか。だよな。俺もない。」
一体全体ここはどこで、どのようにしてこんな場所にたどり着いたのか分からず、帰れるのかどうかも定かではない。
普通なら恐怖や焦りといったものが出てくるだろう。でもどこまでも広がるこの広大な草原はこれまで過ごしていた窮屈な日本社会とまるで対立するかのように「自由であれ」と訴えかけていた。
「風が気持ちいい。」
すると、佐藤が草原の中で寝転がり始めた。
「ちょ、おま、流石にそれは、、、」
言いかけて、
「いや、俺もそうしよ。」
ものすごく気持ちの良い時間だった。
そして、いつのまにか俺たちは二人して草原のど真ん中で寝てしまっていた。
目を覚ますと日は沈み掛けていて空は茜色だった。
「佐藤、佐藤。起きろ。」
「ん。」
「とりあえず夜になると危ないからどこかに行かないか。」
「ん。」
俺たちは立ち上がり果てしなく続く草原の中を右往左往しながら歩き始めた。
どれくらい歩いただろう。景色が一向に変わらない。日はより一層落ちて段々と暗くなりお互いの顔を認識するのが難しくなってきていた。
「光源が欲しいな。」
夜になり冷え込んできた。俺たちは薄着で肌寒さに身震いした。
「歩いている方向は正しいのか?」
もうお互いを認識できない。柄にもないことだが、逸れてしまっては元も子もないので手を繋ぐ。
どこからか狼の遠吠えが聞こえてきて、どうか襲わないでくださいと切に願った。
すると、遠くの方に小さなオレンジ色のボヤけた点が宙に浮いているのが見えた。
「なんだ、あれ。」
その方向に歩いているうちに段々とその点は大きくなっていった。
「もしかして、あれ光か?」
見えない顔を合わせて、俺たちはそれに向かって走り出した。
すると、その光は近づくにつれ小刻みに揺れていることに気がついた。そして、その背後になにやら人らしき影があることにも。
「もしかして、あれはランプか。誰かがランプを持っているんだ。」
人の気配に興奮し俺たちはその人に駆け寄った。
「あの!」
「うわぁぁぁぁぁ!」
相手は俺たちに気が付かなかったらしく、声をかけたあ途端大声で驚いていた。
「す、すみません。驚かせて、、、」
「あ、いや、大丈夫だ。というか君たちはここで何をしているんだい?こんな夜にこんなところで。」
「え、あ、えと、迷い込んでしまったみたいでどこに向かっているのか分からなくて、、、」
すると、相手は驚いた顔をして「それは大変だ。案内してあげるからついてきなさい」と近くの村まで連れていってくれた。
連れていかれた先には小さな宿があり、そこに一室を貸してもらった。「夕食どきにもう一度会おう」と言われ、とりあえず一旦部屋に入った。
「人に会えてよかったな。」
「ん。」
冷え込んでいたから風邪をひいてしまったのだろうか、佐藤は少し咳き込んでいる気がした。
「夕食時ってことはあとちょっとだよな?」
「ん。」
「ここ時計がないから時間がどのくらいなのか分からないな、、、」
この部屋は実家の自分部屋くらいの大きさで六畳程、ベッドが二つと小さなクローゼット、それから机と椅子が一脚ずつ置いてあった。
異世界系アニメで見たことがある感じの宿に少し似ていた。
少しすると、ドアをノックする者があり、「はい。」と返事をする。すると、「俺だ。」と声がした。先ほど案内をしてくれた人だ。
扉を開けるとさっきとは違う服装でその人が立っていた。
「あれ、服が違う、、、」
「ああ、これな。そこのクローゼットに入ってるよ。ここの宿の宿泊者用の服だよ。二人も着るといい。」
「あ、分かりました。」
クローゼットを開けるとそこには白い浴衣に似た服が掛かっていた。
着方は見当がついたので佐藤とともに着替え、元の服をたたみクローゼットにしまう。そのまま一緒に階下の食堂に向かった。
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