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大きなボウルを取り出すと、アラシは材料をどんどん入れていきました。

新鮮な卵がぷるるん。
とろぅり、柔らかいバター。
サラサラ砂糖に、とくとく牛乳。

ナギはそこにふるった粉を入れ、泡立て器でよく混ぜます。
つやつやでもったり、いい生地ができました。

「さあ、焼きましょう」

フライパンを取り出したナギに、アラシは「ちょっと待って」と声をかけます。
そして「ふふ」となにやら楽しそうな顔で小さな瓶を取り出しました。

「お兄ちゃん、それは?」

「砂漠のもとだよ」

「そんな食材、あったっけ?」

「食べてみてのお楽しみさ」

まるでいたずらっ子のような顔をして、アラシは瓶の中身を生地にパラパラとふりいれたのでした。
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