14 / 37
第14話 呪いの解き方
しおりを挟む
「アンデッドはお前には浄化できんじゃろうが……」
ぼそっと呟くシスディアス。
「あっそう」
俺は無表情で拳を握りしめる。
「止めて!! 解く呪い解きますから殴らないで!」
「じゃあさっさと解けよ。俺には100連が待ってるんだ」
「100連とか意味わからんことばっかり言いおってからに……」
ブツブツと文句をいいながら眼を閉じると今度はブツブツと呪文のようなものを唱え始める。
唱え始めてから数分が立つと目を開くシスディアス。
「解いた。呪いは解いたぞ」
「ほんとか?嘘だったら分かってるよな?俺にはすぐに分かるからな」
「解いたと言っておろうが!!」
千里眼! アリシア・アリステル。
念ずるといつもの青い球が現れ、グーンとアップになる。
仰向けに横になる美少女の姿が映し出されるが何も変化がない
「は? 何にも変化ないんだけど? お前、殴られたいの?」
「ふふふ。貴族のお嬢様を呪いを解くのに必要な最後の物。それ年頃の男の口吻じゃ」
「え? く、口吻!!」
「お主……もしや口吻もしたことがないのか?」
シスディアスは俺のことを見下したような感じで見ている。
「いや。普通にあるし……口吻の一つや二つ俺にはなんのことはない!」
「ふん。そんな事はどうでもいい。さ、早く儂を人間にもどせ。儂は全部話した、アリシアを元に戻す方法も教えたぞい」
「んなもん俺が知るわけ無いだろ。自分で勝手に元に戻れよ。それじゃあな」
「儂が知るか!! お主が儂をアンデッドにしたのじゃろうが……人間に戻せ!! はぁぁぁアンデッドになったら浄化されるまで消えることはないことはお前も知っておろうが! このまま脳みそが朽ち果てたら儂はただの歩く死体じゃ……あーうーといって歩くだけの死体になるんじゃぞ!!」
もうこいつの話を最後まで聞く義理もないし、早く帰って……アリシアさんに口吻して、100連の最速ムーブを決めなければ。今引けば★★★★★が出る気がするというか出るはず。
「口吻して起きなかったらぶっ飛ばしにくるかならそれじゃ!」
「は? 儂をこのままで放置するのか! せめて浄化ぐらいせんか!!」
瞬間移動! アリシアの寝室
と念じるとベッドに横になるアリシアさんの姿がある。
俺が戻って来たのを見てディアゴさんが話しかけてくる。
「シスディアスはどうなりました? アリシア様には何の変化もございませんが……」
「実は……」
俺はアリシアの呪いを解く最後に口吻が必要ということを説明する。
「まさか……そんな事が必要とは……」
手で顔を覆ったディアゴさんは覚悟を決めた様子で俺に話しかけてくる。
「ウェブ様……お願いします。本来ならばご主人様が決めることでありますが……シスディアスを倒したあなたこそお嬢様に口吻をするにふさわしいお方かと……」
「……わかりました……」
目をつぶって横になるアリシアさんを抱き起こす。
その真っ黒で美しい髪に整った顔立ち……それに薄い唇……もう報酬や紙のことなんてどうでも思えてくる。
俺の目の前にいるのは絶世の美女といってもいい、その彼女に俺は生まれて初めての口吻をする……
心臓がドクバクドクバクして喉が飛び出しそう……心臓が口から出ててきたら心臓と口吻か……などとくだらない事を考えながら俺は自分の唇をアリシアさんの薄い唇に近づけていく。
もうお互いの息が掛かる距離まで顔を近づける。
「う、ううーん」
という声が聞こえするとアリシアさんがその黒曜石のような真っ黒で大きな瞳を開く。息が掛かる至近距離に見ず知らずの俺の顔があったのだ……「きゃーー!!」と叫ぶとパチーン! と思いっきり俺の頬を叩く。
まあ俺の頑丈はSだから痛くはない……痛くはないが……俺、まだ口吻してないんだが……
「や、やったーー!! め、目覚めた!!」
ディアゴさんも叫ぶ。
俺はそのままアリシアさんから飛び退く。
ディアゴさんが涙ながらにアリシアさんに事細かく説明をする。
その説明を受けたアリシアさんは顔を真っ赤にさせ両手で顔を隠して謝ってくる。
「ほんとに申し訳ありません……あなたが私を救ってくださった方なのに……こんな仕打ちをしてしまって……」
「べ、別に気にしてませんから……」
「命の恩人の顔を叩くなんて……私、一生の恥です……」
俺は首を横に振るとこういった。
「大丈夫ですよ。アリシアさん、見知らぬ男が目の前に急に現れたら誰でもああしますよ」
「私……夢で見てたんです……男の人が私に呪いを掛けたシスディアスから救ってくれるところを……」
「ええ。俺、頑張りましたよ……」
俺はディアゴさんの方を見て
「ディアゴさん! 俺頑張ったんで報酬を下さい!」
と言い放つ。
俺とアリシアさんの話を涙を流しながらウンウンと頷いて聞いているディアゴさんハッとして話し始める。
「あ、ああ。その報酬ですが、ご主人様から直にお渡しになられたいと、お嬢様をお目覚めさせられるお方が現れたその時にはとご主人様がそう申されておりましたので……」
「で、いつなの?」
「3日後でございます。ご主人さまは所用で王都に行かれておりますので……」
は?フェス終わってるし。シスディアスを速攻でやっつけてきた意味がないし、アリシアさんに口吻もできずに頬まで叩かれた上にお預けとかふざけんなよ。
「却下。ディアゴさん今すぐ下さい。金貨3枚」
「ですから……」
「下さい! 約束でしょ?」
俺の迫力に気圧されたのかディアゴさんは「わ、わかりました……」と言って小袋の中から金貨3枚を取り出す。
俺はそれを両手を差し出して受け取り「それじゃ」と言って瞬間移動、穴と念じた。
そして俺の手には金貨3枚、目の前には穴という状況を作り出した。
ぼそっと呟くシスディアス。
「あっそう」
俺は無表情で拳を握りしめる。
「止めて!! 解く呪い解きますから殴らないで!」
「じゃあさっさと解けよ。俺には100連が待ってるんだ」
「100連とか意味わからんことばっかり言いおってからに……」
ブツブツと文句をいいながら眼を閉じると今度はブツブツと呪文のようなものを唱え始める。
唱え始めてから数分が立つと目を開くシスディアス。
「解いた。呪いは解いたぞ」
「ほんとか?嘘だったら分かってるよな?俺にはすぐに分かるからな」
「解いたと言っておろうが!!」
千里眼! アリシア・アリステル。
念ずるといつもの青い球が現れ、グーンとアップになる。
仰向けに横になる美少女の姿が映し出されるが何も変化がない
「は? 何にも変化ないんだけど? お前、殴られたいの?」
「ふふふ。貴族のお嬢様を呪いを解くのに必要な最後の物。それ年頃の男の口吻じゃ」
「え? く、口吻!!」
「お主……もしや口吻もしたことがないのか?」
シスディアスは俺のことを見下したような感じで見ている。
「いや。普通にあるし……口吻の一つや二つ俺にはなんのことはない!」
「ふん。そんな事はどうでもいい。さ、早く儂を人間にもどせ。儂は全部話した、アリシアを元に戻す方法も教えたぞい」
「んなもん俺が知るわけ無いだろ。自分で勝手に元に戻れよ。それじゃあな」
「儂が知るか!! お主が儂をアンデッドにしたのじゃろうが……人間に戻せ!! はぁぁぁアンデッドになったら浄化されるまで消えることはないことはお前も知っておろうが! このまま脳みそが朽ち果てたら儂はただの歩く死体じゃ……あーうーといって歩くだけの死体になるんじゃぞ!!」
もうこいつの話を最後まで聞く義理もないし、早く帰って……アリシアさんに口吻して、100連の最速ムーブを決めなければ。今引けば★★★★★が出る気がするというか出るはず。
「口吻して起きなかったらぶっ飛ばしにくるかならそれじゃ!」
「は? 儂をこのままで放置するのか! せめて浄化ぐらいせんか!!」
瞬間移動! アリシアの寝室
と念じるとベッドに横になるアリシアさんの姿がある。
俺が戻って来たのを見てディアゴさんが話しかけてくる。
「シスディアスはどうなりました? アリシア様には何の変化もございませんが……」
「実は……」
俺はアリシアの呪いを解く最後に口吻が必要ということを説明する。
「まさか……そんな事が必要とは……」
手で顔を覆ったディアゴさんは覚悟を決めた様子で俺に話しかけてくる。
「ウェブ様……お願いします。本来ならばご主人様が決めることでありますが……シスディアスを倒したあなたこそお嬢様に口吻をするにふさわしいお方かと……」
「……わかりました……」
目をつぶって横になるアリシアさんを抱き起こす。
その真っ黒で美しい髪に整った顔立ち……それに薄い唇……もう報酬や紙のことなんてどうでも思えてくる。
俺の目の前にいるのは絶世の美女といってもいい、その彼女に俺は生まれて初めての口吻をする……
心臓がドクバクドクバクして喉が飛び出しそう……心臓が口から出ててきたら心臓と口吻か……などとくだらない事を考えながら俺は自分の唇をアリシアさんの薄い唇に近づけていく。
もうお互いの息が掛かる距離まで顔を近づける。
「う、ううーん」
という声が聞こえするとアリシアさんがその黒曜石のような真っ黒で大きな瞳を開く。息が掛かる至近距離に見ず知らずの俺の顔があったのだ……「きゃーー!!」と叫ぶとパチーン! と思いっきり俺の頬を叩く。
まあ俺の頑丈はSだから痛くはない……痛くはないが……俺、まだ口吻してないんだが……
「や、やったーー!! め、目覚めた!!」
ディアゴさんも叫ぶ。
俺はそのままアリシアさんから飛び退く。
ディアゴさんが涙ながらにアリシアさんに事細かく説明をする。
その説明を受けたアリシアさんは顔を真っ赤にさせ両手で顔を隠して謝ってくる。
「ほんとに申し訳ありません……あなたが私を救ってくださった方なのに……こんな仕打ちをしてしまって……」
「べ、別に気にしてませんから……」
「命の恩人の顔を叩くなんて……私、一生の恥です……」
俺は首を横に振るとこういった。
「大丈夫ですよ。アリシアさん、見知らぬ男が目の前に急に現れたら誰でもああしますよ」
「私……夢で見てたんです……男の人が私に呪いを掛けたシスディアスから救ってくれるところを……」
「ええ。俺、頑張りましたよ……」
俺はディアゴさんの方を見て
「ディアゴさん! 俺頑張ったんで報酬を下さい!」
と言い放つ。
俺とアリシアさんの話を涙を流しながらウンウンと頷いて聞いているディアゴさんハッとして話し始める。
「あ、ああ。その報酬ですが、ご主人様から直にお渡しになられたいと、お嬢様をお目覚めさせられるお方が現れたその時にはとご主人様がそう申されておりましたので……」
「で、いつなの?」
「3日後でございます。ご主人さまは所用で王都に行かれておりますので……」
は?フェス終わってるし。シスディアスを速攻でやっつけてきた意味がないし、アリシアさんに口吻もできずに頬まで叩かれた上にお預けとかふざけんなよ。
「却下。ディアゴさん今すぐ下さい。金貨3枚」
「ですから……」
「下さい! 約束でしょ?」
俺の迫力に気圧されたのかディアゴさんは「わ、わかりました……」と言って小袋の中から金貨3枚を取り出す。
俺はそれを両手を差し出して受け取り「それじゃ」と言って瞬間移動、穴と念じた。
そして俺の手には金貨3枚、目の前には穴という状況を作り出した。
68
あなたにおすすめの小説
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる