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第1章 世界の果てと老騎士
第9話 決戦ー後編ー
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「う、ううん」
眼を開けると視界がぼやけている、顔を振って視界をもとに戻そうとする。徐々に視界がクリアになっていき、自分が今置かれている状況を理解する。
どうやら俺は刺されてはいない、そして目の前には剣を持たず、仁王立ちをしているアルファルドの姿があり、それに剣を振りかぶり斬ろうとしている覚者の姿がある。
助けなきゃ!アルファルドを助けなきゃ!!!
俺はまず手を握ってみる、ぎゅっと力が入り剣を握りしめる。次に膝を曲げてみる…すっと膝が曲がり、上体に勢いをつけて起き上がる。
体は動く!動くなら戦える!!
俺は地面を蹴って、ハヤブサよりも早く地面を飛ぶように走った。
その時だったアルファルドが俺の方を向き眼があったのだ、彼は穏やかな顔をし何かつぶやいていた。
そしてその剣が振り下ろされ、アルファルドはその場に倒れこんだ。
「うおおおおおおおおお!!!!!!」
俺は自然に声が出ていた、頬を熱い液体がつたっているのが分かる。
覚者はこちらを向く、アルファルドを斬った剣を振りかぶり、俺がたどり着くタイミングで振り下ろしている。
俺はその手前で真上に飛び上がっており、奴の剣は空をきる。俺はそのまま真っ直ぐに剣を振り下ろす。奴はそれを体をよじってかわし、体勢を崩しながら剣を突きあげてくる。俺はそれを空中で体をひねりながらかわす。
地面に着地した瞬間、俺はゴムマリのように跳ねて間合いを詰め、自分の右肩の方に振り上げた剣で斬りかかる。
奴はそれを剣を使って逸らす。体勢の崩れた俺に奴の剣が迫ってくる。俺は体を反らすと、剣先が鼻先をかすめていく。
そしてお互いの剣が当たる距離で打ち合いが始まる。
激しい金属音とともに目の前で火花が散る。
時間にすれば30秒ほどであるのだろうが、俺が体感していた時間は1時間にも2時間にも感じられる長さであった。
お互いに一歩も引かない真っ向からの打ち合い。その消耗は激しく、少し間合いをとり息を整える。
「はぁはぁ」
数秒で普通の呼吸にもどる。
奴はまだ逃げる気配はない…
俺はアルファルドが目の前で殺されたというのに、怒りや悲しみといった感情は感じられなかった…いやその瞬間は両方あったのだろう、でも今はひどく冷静になっている。そしてあることに気が付く、奴のその身のこなしは今まで俺が5000回も戦ってきた奴と瓜二つであるということに。
覚者が間合いを詰め斬りかかってくる。
――右肩からの袈裟斬り。
俺は半歩引いてその攻撃をかわす。
次は振り下ろした剣をそのまま逆袈裟斬り。
それも半歩だけ動きかわす。
奴は次、次と攻撃を繰り出してくる。しかし俺は全ての攻撃をその攻撃のほんの少し前にわかってしまういや相手の動きが体にしみ込んでいるといったほうがいい。
奴に感情があるのならば、狼狽しなぜあたらないと叫んでいるだろう。それほどに俺の動きは洗練され無駄な動きがなかった。
そして俺は剣を持つ右手をだらりと下げる。
それをみた奴は、このときとばかりに飛び上がり斬りかかってくる。
俺はその攻撃を半歩だけ動いてかわし、右手を振り上げて斬りつける。
ゴンという鈍い金属音がする。
両方の手首のついた剣が地面に落ちている。
覚者は先のない手首から煤のようなものを噴き出しながら後ずさりし、そしてあきらめたのかそのまま仁王立ちになる。
「さよなら、兄さん」
自然と口からでていた。俺の兄弟子だった人へむけて贈る言葉だった。
そして俺は振り上げた剣をそのまま振り下ろす。すると奴は傷口から黒い煤を噴き出しながら倒れる。
終わった…全てが終わった…アルファルド、全て終わったよ。これでいいんだろ?
俺はアルファルドの方を見る。すると胸が上下に動いていた。俺はまだ息がある!と活気づき、すぐに駆け寄る。すると気が付いたのかこちらを向き苦しそうに口を開く。
アルファルドは苦しそうに息も絶え絶えといった状態で口を開く。
「俺を…ヘテロのところに…」
「でも今動かしたら!!」
「いい、俺は今ここで死んでもいい…俺はヘテロに言わなければいけないことがあるんだ…」
「……わかった」
そして俺はアルファルドに肩を貸し、煤を噴き出しながら倒れている覚者のもとに連れて行く。
アルファルドは座りこみ覚者の兜を外し、膝の上に頭を置いて話しかける。
「すまなかったなヘテロ、お前を騙すことになってしまった、あの時は謝ることが出来なかったが…やっとお前に謝ることができた……」
ヘテロは安らかな顔をしたまま、うっすらと笑っている。
「どうだ、お前の弟弟子は強いだろ?お前よりも強くなるぞ」
アルファルドの目から涙がこぼれ、ヘテロの顔に一粒落ちた。
ヘテロの体が金色の細かい粒子になり消えていく。
「ヘテロ!!お前が俺の弟子でよかった!!ありがとう!!」
ヘテロは安らかな笑顔のままで消えていった。
アルファルドの傷は急所を避けて斬られていた、ヘテロさんが恐らく狙ってやったものだろう。
ヘテロさんもまた、俺達に解放されることを望んでいたのかもしれない。
あのあとすぐにアルファルドは胸に入れていた鉄製の入れ物に入れていた、ブランデーが一緒に斬られていることに気づいて
「ヘテロ!!あの野郎わざとブランデー狙いやがったな!!許さん!!」
とすぐに言うほど元気になっていた。
そして俺たちは旅を終え集落に戻った。
そして数週間が経ちアルファルドの傷が癒えたころ俺に話があると言い出した。
アルファルドはベッドに座っており、俺が部屋に入るなり、真剣な表情で口を開く。
「ラグウェル、貴様はもう私よりも強いな」
「俺、勝ったことないよまだ、ついにもうろくしたか……」
「おい、何を言ってやがる、お前は3年前から俺より強かっただろ」
「い、いや」
俺は今まで手を抜いたつもりもなかったし、いつでも本気で勝負をしていたと思っていた。確かに3年前のあたりの勝負から何か違和感のようなものは感じる事があった。
「俺は手を抜いてません、みたいな顔してからに、全部お見通しだっての」
「い、いや俺は手を抜いたつもりなんかなかったけど…」
「フン、こりゃ重症だな、無意識に手を抜いていやがる、そんなお前はもう私の弟子卒業だ!」
「え?どういうこと?もうここにはいられないってこと?」
「ああ、そうだお前はこれをもって十王国へいくんだ」
そう言ってアルファルドは封筒を俺に差し出す。
「これを騎士学校にいるムルジムに渡すんだ」
「そ、そんな急に言われても」
「とにかく師匠がきめたことだからな、3日以内にいけよ、いいな3日以内だぞ!!」
そう俺に告げたアルファルドの表情ははどこか寂しそうに見えた。
眼を開けると視界がぼやけている、顔を振って視界をもとに戻そうとする。徐々に視界がクリアになっていき、自分が今置かれている状況を理解する。
どうやら俺は刺されてはいない、そして目の前には剣を持たず、仁王立ちをしているアルファルドの姿があり、それに剣を振りかぶり斬ろうとしている覚者の姿がある。
助けなきゃ!アルファルドを助けなきゃ!!!
俺はまず手を握ってみる、ぎゅっと力が入り剣を握りしめる。次に膝を曲げてみる…すっと膝が曲がり、上体に勢いをつけて起き上がる。
体は動く!動くなら戦える!!
俺は地面を蹴って、ハヤブサよりも早く地面を飛ぶように走った。
その時だったアルファルドが俺の方を向き眼があったのだ、彼は穏やかな顔をし何かつぶやいていた。
そしてその剣が振り下ろされ、アルファルドはその場に倒れこんだ。
「うおおおおおおおおお!!!!!!」
俺は自然に声が出ていた、頬を熱い液体がつたっているのが分かる。
覚者はこちらを向く、アルファルドを斬った剣を振りかぶり、俺がたどり着くタイミングで振り下ろしている。
俺はその手前で真上に飛び上がっており、奴の剣は空をきる。俺はそのまま真っ直ぐに剣を振り下ろす。奴はそれを体をよじってかわし、体勢を崩しながら剣を突きあげてくる。俺はそれを空中で体をひねりながらかわす。
地面に着地した瞬間、俺はゴムマリのように跳ねて間合いを詰め、自分の右肩の方に振り上げた剣で斬りかかる。
奴はそれを剣を使って逸らす。体勢の崩れた俺に奴の剣が迫ってくる。俺は体を反らすと、剣先が鼻先をかすめていく。
そしてお互いの剣が当たる距離で打ち合いが始まる。
激しい金属音とともに目の前で火花が散る。
時間にすれば30秒ほどであるのだろうが、俺が体感していた時間は1時間にも2時間にも感じられる長さであった。
お互いに一歩も引かない真っ向からの打ち合い。その消耗は激しく、少し間合いをとり息を整える。
「はぁはぁ」
数秒で普通の呼吸にもどる。
奴はまだ逃げる気配はない…
俺はアルファルドが目の前で殺されたというのに、怒りや悲しみといった感情は感じられなかった…いやその瞬間は両方あったのだろう、でも今はひどく冷静になっている。そしてあることに気が付く、奴のその身のこなしは今まで俺が5000回も戦ってきた奴と瓜二つであるということに。
覚者が間合いを詰め斬りかかってくる。
――右肩からの袈裟斬り。
俺は半歩引いてその攻撃をかわす。
次は振り下ろした剣をそのまま逆袈裟斬り。
それも半歩だけ動きかわす。
奴は次、次と攻撃を繰り出してくる。しかし俺は全ての攻撃をその攻撃のほんの少し前にわかってしまういや相手の動きが体にしみ込んでいるといったほうがいい。
奴に感情があるのならば、狼狽しなぜあたらないと叫んでいるだろう。それほどに俺の動きは洗練され無駄な動きがなかった。
そして俺は剣を持つ右手をだらりと下げる。
それをみた奴は、このときとばかりに飛び上がり斬りかかってくる。
俺はその攻撃を半歩だけ動いてかわし、右手を振り上げて斬りつける。
ゴンという鈍い金属音がする。
両方の手首のついた剣が地面に落ちている。
覚者は先のない手首から煤のようなものを噴き出しながら後ずさりし、そしてあきらめたのかそのまま仁王立ちになる。
「さよなら、兄さん」
自然と口からでていた。俺の兄弟子だった人へむけて贈る言葉だった。
そして俺は振り上げた剣をそのまま振り下ろす。すると奴は傷口から黒い煤を噴き出しながら倒れる。
終わった…全てが終わった…アルファルド、全て終わったよ。これでいいんだろ?
俺はアルファルドの方を見る。すると胸が上下に動いていた。俺はまだ息がある!と活気づき、すぐに駆け寄る。すると気が付いたのかこちらを向き苦しそうに口を開く。
アルファルドは苦しそうに息も絶え絶えといった状態で口を開く。
「俺を…ヘテロのところに…」
「でも今動かしたら!!」
「いい、俺は今ここで死んでもいい…俺はヘテロに言わなければいけないことがあるんだ…」
「……わかった」
そして俺はアルファルドに肩を貸し、煤を噴き出しながら倒れている覚者のもとに連れて行く。
アルファルドは座りこみ覚者の兜を外し、膝の上に頭を置いて話しかける。
「すまなかったなヘテロ、お前を騙すことになってしまった、あの時は謝ることが出来なかったが…やっとお前に謝ることができた……」
ヘテロは安らかな顔をしたまま、うっすらと笑っている。
「どうだ、お前の弟弟子は強いだろ?お前よりも強くなるぞ」
アルファルドの目から涙がこぼれ、ヘテロの顔に一粒落ちた。
ヘテロの体が金色の細かい粒子になり消えていく。
「ヘテロ!!お前が俺の弟子でよかった!!ありがとう!!」
ヘテロは安らかな笑顔のままで消えていった。
アルファルドの傷は急所を避けて斬られていた、ヘテロさんが恐らく狙ってやったものだろう。
ヘテロさんもまた、俺達に解放されることを望んでいたのかもしれない。
あのあとすぐにアルファルドは胸に入れていた鉄製の入れ物に入れていた、ブランデーが一緒に斬られていることに気づいて
「ヘテロ!!あの野郎わざとブランデー狙いやがったな!!許さん!!」
とすぐに言うほど元気になっていた。
そして俺たちは旅を終え集落に戻った。
そして数週間が経ちアルファルドの傷が癒えたころ俺に話があると言い出した。
アルファルドはベッドに座っており、俺が部屋に入るなり、真剣な表情で口を開く。
「ラグウェル、貴様はもう私よりも強いな」
「俺、勝ったことないよまだ、ついにもうろくしたか……」
「おい、何を言ってやがる、お前は3年前から俺より強かっただろ」
「い、いや」
俺は今まで手を抜いたつもりもなかったし、いつでも本気で勝負をしていたと思っていた。確かに3年前のあたりの勝負から何か違和感のようなものは感じる事があった。
「俺は手を抜いてません、みたいな顔してからに、全部お見通しだっての」
「い、いや俺は手を抜いたつもりなんかなかったけど…」
「フン、こりゃ重症だな、無意識に手を抜いていやがる、そんなお前はもう私の弟子卒業だ!」
「え?どういうこと?もうここにはいられないってこと?」
「ああ、そうだお前はこれをもって十王国へいくんだ」
そう言ってアルファルドは封筒を俺に差し出す。
「これを騎士学校にいるムルジムに渡すんだ」
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