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第2章 騎士学校
第21話 勝敗の行方
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俺の目の前に通常より細い木剣をもったマーフが立っている。俺は流れで仕方なくこの勝負を受けてしまったことを少しだけ後悔する。こんな勝負する前から結果は決まっている。
マーフは自分が勝って当たり前、これから剣聖と勝負をするという気満々というような表情で
「早くやりましょ」
と急かす。
「はいはい、ささっと終わらせましょ」
当然、俺は負けるつもりなんてサラサラない。さっさと終わらせてこの女に俺の実力を見せてしまえばいい。あまりにもの実力差であの女号泣するかもしれん。そうなったらちょっと可哀想かもしれないがそれは仕方ない。あくまでも勝負なのだから全力を尽くす。
俺は開始の合図で一気に間合いを詰める。これで終わりだ。どうせこいつは殺気を込めたところでそれすらもわからないはず。
ロンドが中央に立ち右手を挙げる。
お互いが剣を構え…
俺が剣を水平に構えているのに対しあの女は敢えて納刀するかのように腰に剣を当て、左足でトントンと床を鳴らしリズムを取っているようにも見える。あの女、戦い方を知らないのかそれとも…
ロンドの右手が振り下ろされる。
その瞬間、俺は剣を振り上げ床を蹴りゴムまりのように跳ね一気に間合いを詰める。そして剣を振り下ろしマーフの右肩を捉えた。はい俺の勝ち…マーフはまるで踊りを踊っているかのように足でリズムを取り、そのリズムに合わせて俺の剣をかわしていた。そして俺の剣が空を斬った瞬間腰に下げている剣の先が俺の体を捉えようとしている。
俺は猫が高いところから落ちるときのようにクルリと体にひねりを加え、剣先をかわす。体勢を崩しながら左腕を伸ばす。すると左手で床を捉えるそして左腕一本で体を飛び上がらせ間合いを取る。
こいつ…できる!!
俺の斬撃をかわしたのはアルファルド以来…
マーフは驚きの表情を見せる。
「あんた…やるわねぇ…」
「そっちこそ」
その一瞬の出来事に周囲も唖然としたようで、皆が息を飲んで見守っているというのが分かる。
マーフは構えを変え、左腕を真っ直ぐに伸ばし人指し指と親指の間に細い木剣を置く。
「私の必殺技。かわしたことのある人はレグルスだけ。受けてみる?」
「当たるはずがない。そしてお前に勝つ」
「それはこれを見てからにして」
あの華奢な体のどこにそんな力が、いや基礎訓練を見る限りそんな力あるとはとても思えないというような速さで俺との間合いを詰めてくる。
その剣先が届くか届かないかというような距離で剣先が伸びてくるのが見える。
突きだ。
何の変哲も無い普通の突きだ。
なにが必殺技だ。ただの鋭い突きじゃないか、普通に体を捻りかわす。そして剣先は頬をかすめていく。それを見ながらマーフの胴体に切り込むはずだった。頬をかすめ突き抜けていった剣先が目の前に現れる。
え!なんで?俺は一瞬、混乱をするが間一髪のところで首を捻り、剣先は俺の鼻の先をかすめていく。今度こそ反撃だと剣を引こうとすると…
そんなバカな!!かわしたはずの剣先がまた目の前に現れた。
まさかこの突きは!!
グイッと上体をそらし剣先から逃れる。4発目があれば…もうかわすことはできない…マーフの剣先は俺の前髪に触れながら通過していくる。剣先の行方を目で追う。俺は床を蹴り距離を取った。
俺は全身に鳥肌が立つ感覚を覚え
「ふー」
と一息をつく。
マーフは目を輝かせ
「凄い…私の三段突きをああやってかわすなんて」
かわされた悔しさというよりも喜んでいるようにすら見える。
「あれすげぇな、やられそうになった」
俺はそういって腕にできた鳥肌を見せた。
「これで私のほうが強いってわかったわよね」
「俺に三段突きはできないが、強さなら俺のほうが強い」
フッとマーフ鼻で笑う。
俺は彼女の弱点がおぼろげながら見えてきた。
おそらくは……
俺はタンッと床を蹴り距離と詰める。お互いの息が掛かる距離で剣を振り回す。ブン、ブンと空気を斬る音とマーフは足で床をリズミカルに叩く音が講堂に響く。
俺の攻撃全てをあの女は踊りでも踊るかのように全てかわしている。そしてかわしながらも踊りにアクセントつけるかのごとく反撃を加えてくる。
◇◆◇
ラグウェルとマーフの戦いをレグルスと校長は眺めている。
校長はレグルスに話しかける。
「あの子強いな、流石はおぬしが推薦しただけのことはあるな」
「そうでしょう。あの華奢な体であそこまで強いとはだれも思えませんよ、彼女の瞬発力と速さは私より上ですし、あの三段突きは私とて真似できませんよ」
「剣聖であるお主より上とな」
「あくまでも瞬発力と速さだけですがね」
「なるほどな」
校長は納得したような表情をみせる。
ラグウェルは近距離まで間合いを詰め、近距離での打ち合い始める。
レグルスは腕を組み難しい顔をし
「あいつ気がついたか」
一人呟いた。
校長は目を見張り
「おーあの子ラグウェルの攻撃を見切っておるわ」
「彼わざとやってますね」
「なに?わざとだと?」
「彼はマーフの弱点に気がついたのでしょう」
「その弱点とは?」
「見ていれば気が付きますよ」
校長は二人の戦いを注意深く見ている。
「そうか、なるほどな」
「気が付きました?さすが校長」
「マーフは回避しかしておらんな。攻撃を受けておらん」
「そうです彼女は彼の斬撃を受けることができない」
「非力さゆえか」
「そしてラグウェルの攻撃は速く重い」
「攻撃を力で止めることができない、どちからのスタミナ果てるまで続く。そして彼女は非力だ」
「そうか…」
マーフの表情は徐々に追い詰められ余裕がなくなっていっている。
「もうすぐ終わりますよ」
レグルスはそういって目を細めた。
◇◆◇
1分程だろうか、俺とマーフは近距離で打ち合っている。相変わらず俺の剣は空を斬っているのだが、マーフの反撃の手数が少なくなり、かわすのに精一杯という感じになる。
今まで自信に満ち溢れるよな表情だったものが一変し必死になっている。
今のマーフの心境はこうだろう。この打ち合いを早く終わらなければ!反撃をしなければ!
そしてその反撃の打ち込みは甘くなる。
その時がきた。俺はわざと反撃がしやすくなるポイントに打ち込む。
そこに丁度のタイミングで打ち込んできた。
カーン!
木剣同士がぶつかり合う音ともにマーフが持っていた細身の木剣がクルクルと回転しながら高くに舞い上がり、俺はマーフの首元に木剣を当てた。
すぐに状況を理解したのか
「あーあ負けちゃった」
マーフは割とあっさりした感じで負け認めた。
絶対、わめきながら負けをみとめないとか言うと思っていたので拍子抜けする。
マーフは俺に右手を差し出し
「あなたとはいいライバルになれそうだわ。よろしくね」
俺も右手を出し握手をする。
「次も負けない」
「私こそ次は必ず勝つ!」
そう言ってマーフにニコッと俺に笑いかけた。
そうして今日の授業が終わった。
◇◆◇
マーフはメイドと馬車に乗り帰路についた。
同乗をしているメイドに話しかける。
「あーあ負けちゃった」
「はい、私も見ておりました。世の中は広いでしょ?お嬢様より強い人は一杯いるのです」
マーフは下を向き、ワナワナと肩を震わせ、目から大粒の涙をこぼしながら
「私もっと強くなる、強くなってみんなに認められる剣聖になる」
そのメイドはマーフをそっと抱きしめ
「その場で泣かずによく我慢しましたね。悔しくてたまらかったでしょうに」
馬車の中、マーフは負けて初めて声を上げて泣いた。
マーフは自分が勝って当たり前、これから剣聖と勝負をするという気満々というような表情で
「早くやりましょ」
と急かす。
「はいはい、ささっと終わらせましょ」
当然、俺は負けるつもりなんてサラサラない。さっさと終わらせてこの女に俺の実力を見せてしまえばいい。あまりにもの実力差であの女号泣するかもしれん。そうなったらちょっと可哀想かもしれないがそれは仕方ない。あくまでも勝負なのだから全力を尽くす。
俺は開始の合図で一気に間合いを詰める。これで終わりだ。どうせこいつは殺気を込めたところでそれすらもわからないはず。
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お互いが剣を構え…
俺が剣を水平に構えているのに対しあの女は敢えて納刀するかのように腰に剣を当て、左足でトントンと床を鳴らしリズムを取っているようにも見える。あの女、戦い方を知らないのかそれとも…
ロンドの右手が振り下ろされる。
その瞬間、俺は剣を振り上げ床を蹴りゴムまりのように跳ね一気に間合いを詰める。そして剣を振り下ろしマーフの右肩を捉えた。はい俺の勝ち…マーフはまるで踊りを踊っているかのように足でリズムを取り、そのリズムに合わせて俺の剣をかわしていた。そして俺の剣が空を斬った瞬間腰に下げている剣の先が俺の体を捉えようとしている。
俺は猫が高いところから落ちるときのようにクルリと体にひねりを加え、剣先をかわす。体勢を崩しながら左腕を伸ばす。すると左手で床を捉えるそして左腕一本で体を飛び上がらせ間合いを取る。
こいつ…できる!!
俺の斬撃をかわしたのはアルファルド以来…
マーフは驚きの表情を見せる。
「あんた…やるわねぇ…」
「そっちこそ」
その一瞬の出来事に周囲も唖然としたようで、皆が息を飲んで見守っているというのが分かる。
マーフは構えを変え、左腕を真っ直ぐに伸ばし人指し指と親指の間に細い木剣を置く。
「私の必殺技。かわしたことのある人はレグルスだけ。受けてみる?」
「当たるはずがない。そしてお前に勝つ」
「それはこれを見てからにして」
あの華奢な体のどこにそんな力が、いや基礎訓練を見る限りそんな力あるとはとても思えないというような速さで俺との間合いを詰めてくる。
その剣先が届くか届かないかというような距離で剣先が伸びてくるのが見える。
突きだ。
何の変哲も無い普通の突きだ。
なにが必殺技だ。ただの鋭い突きじゃないか、普通に体を捻りかわす。そして剣先は頬をかすめていく。それを見ながらマーフの胴体に切り込むはずだった。頬をかすめ突き抜けていった剣先が目の前に現れる。
え!なんで?俺は一瞬、混乱をするが間一髪のところで首を捻り、剣先は俺の鼻の先をかすめていく。今度こそ反撃だと剣を引こうとすると…
そんなバカな!!かわしたはずの剣先がまた目の前に現れた。
まさかこの突きは!!
グイッと上体をそらし剣先から逃れる。4発目があれば…もうかわすことはできない…マーフの剣先は俺の前髪に触れながら通過していくる。剣先の行方を目で追う。俺は床を蹴り距離を取った。
俺は全身に鳥肌が立つ感覚を覚え
「ふー」
と一息をつく。
マーフは目を輝かせ
「凄い…私の三段突きをああやってかわすなんて」
かわされた悔しさというよりも喜んでいるようにすら見える。
「あれすげぇな、やられそうになった」
俺はそういって腕にできた鳥肌を見せた。
「これで私のほうが強いってわかったわよね」
「俺に三段突きはできないが、強さなら俺のほうが強い」
フッとマーフ鼻で笑う。
俺は彼女の弱点がおぼろげながら見えてきた。
おそらくは……
俺はタンッと床を蹴り距離と詰める。お互いの息が掛かる距離で剣を振り回す。ブン、ブンと空気を斬る音とマーフは足で床をリズミカルに叩く音が講堂に響く。
俺の攻撃全てをあの女は踊りでも踊るかのように全てかわしている。そしてかわしながらも踊りにアクセントつけるかのごとく反撃を加えてくる。
◇◆◇
ラグウェルとマーフの戦いをレグルスと校長は眺めている。
校長はレグルスに話しかける。
「あの子強いな、流石はおぬしが推薦しただけのことはあるな」
「そうでしょう。あの華奢な体であそこまで強いとはだれも思えませんよ、彼女の瞬発力と速さは私より上ですし、あの三段突きは私とて真似できませんよ」
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「なるほどな」
校長は納得したような表情をみせる。
ラグウェルは近距離まで間合いを詰め、近距離での打ち合い始める。
レグルスは腕を組み難しい顔をし
「あいつ気がついたか」
一人呟いた。
校長は目を見張り
「おーあの子ラグウェルの攻撃を見切っておるわ」
「彼わざとやってますね」
「なに?わざとだと?」
「彼はマーフの弱点に気がついたのでしょう」
「その弱点とは?」
「見ていれば気が付きますよ」
校長は二人の戦いを注意深く見ている。
「そうか、なるほどな」
「気が付きました?さすが校長」
「マーフは回避しかしておらんな。攻撃を受けておらん」
「そうです彼女は彼の斬撃を受けることができない」
「非力さゆえか」
「そしてラグウェルの攻撃は速く重い」
「攻撃を力で止めることができない、どちからのスタミナ果てるまで続く。そして彼女は非力だ」
「そうか…」
マーフの表情は徐々に追い詰められ余裕がなくなっていっている。
「もうすぐ終わりますよ」
レグルスはそういって目を細めた。
◇◆◇
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今まで自信に満ち溢れるよな表情だったものが一変し必死になっている。
今のマーフの心境はこうだろう。この打ち合いを早く終わらなければ!反撃をしなければ!
そしてその反撃の打ち込みは甘くなる。
その時がきた。俺はわざと反撃がしやすくなるポイントに打ち込む。
そこに丁度のタイミングで打ち込んできた。
カーン!
木剣同士がぶつかり合う音ともにマーフが持っていた細身の木剣がクルクルと回転しながら高くに舞い上がり、俺はマーフの首元に木剣を当てた。
すぐに状況を理解したのか
「あーあ負けちゃった」
マーフは割とあっさりした感じで負け認めた。
絶対、わめきながら負けをみとめないとか言うと思っていたので拍子抜けする。
マーフは俺に右手を差し出し
「あなたとはいいライバルになれそうだわ。よろしくね」
俺も右手を出し握手をする。
「次も負けない」
「私こそ次は必ず勝つ!」
そう言ってマーフにニコッと俺に笑いかけた。
そうして今日の授業が終わった。
◇◆◇
マーフはメイドと馬車に乗り帰路についた。
同乗をしているメイドに話しかける。
「あーあ負けちゃった」
「はい、私も見ておりました。世の中は広いでしょ?お嬢様より強い人は一杯いるのです」
マーフは下を向き、ワナワナと肩を震わせ、目から大粒の涙をこぼしながら
「私もっと強くなる、強くなってみんなに認められる剣聖になる」
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