25 / 120
第2章 騎士学校
第25話 誘拐
しおりを挟む
俺とシャウラがいつものように下校していると、黒塗りの馬車が横滑りしながら俺たちの前に止まる。
バーンという音とともに馬車の扉が開く。中からマーフのメイド、アリシアが青ざめた表情で慌てた様子で話しかけてくる。
「マーフ様が!」
アリシアさんは慌てており、混乱しているように見える。シャウラがゆっくりとした口調で話しかける。
「アリシアさん落ち着いて、ゆっくり話をしてください」
その言葉でハッと我に返り、息を呑んで少し落ち着いた様子で話を始める。
「さっき馬車が無法者達に囲まれて…マーフ様を出せとそれで私たちを守るため御独りで…」
俺とシャウラは顔を見合わせる。シャウラと俺は驚きを隠せない。
マーフだったら大丈夫だとは思うが…さすが多人数に囲まれるとまずいか…早く見つけないと俺ははやる気持ちを抑えてアリシアさんに話しかける。
「分かったその場所を教えてくれ」
アリシアさんから連れて行かれた場所を教わり、シャウラと2人で走って向かう。
連れ去られた現場に着く、そこは貧民街の入り口で道路には夕方から酔っぱらった男どもが座り込んだりしており一目見て治安の悪さが分かる。
「僕の方が土地勘がある。2人で一緒に探したほうが早い」
シャウラととも貧民街に入っていき、俺は目に着いた道路に横になっている酔っぱらいに話しかける。
「短髪の赤髪の女の人みなかった?」
「しらねぇぇぇよーーーそんなことより俺に酒をおごってくれよーーー」
酒くせぇぇぇこんな奴にきいても無駄か…
するとシャウラが近くに店を構えているおばちゃんと話をしに行き帰ってきた。
「あっちへ10人ぐらいの男の人と一緒にいったって」
貧民街の奥を指さす。木造の長屋が密集して建てられており慣れた人間では無ければ入ることを拒むように感じさせる。
シャウラは特に臆することもなく奥へ進んでいく。
俺が堂々としているシャウラをみていると
「不思議かい?」
「普通の人間は貧民街には近づかないんだろ?」
「僕の故郷みたいなところだから」
真っすぐに貧民街の奥に向かって歩きながら話す。
「シャウラは貧民街出身なのか…」
「うん…7歳までここで暮らしていた」
幼い子供たちが貧民街を走り回っているのを遠目で見ている。
シャウラはハッとし
「今はそんなことどうでもいいよ!早く探さないと!」
俺はコクリと頷く。
シャウラは道行く人にマーフの行方を尋ね、迷いなく奥へ進んで行く。奥に行くにつれ道は迷路のように細く入り組んでおり、その雰囲気はあの同じ風景が続き入った者の方向感覚を奪う生者の森にも似た雰囲気を感じる。
シャウラはその後も貧民街の住民に話を聞きながら、どんどんと貧民街の中心部に近づいていく。中心部に近づくとおおよその当たりをつけたのか人に聞くことを止め早足で歩きだす。
「分かったのか?」
「うん、大人数が入れる場所は限られてるからね」
夕暮れの赤い空の下、シャウラが指さした場所は木造の古く大きな建物で貧民街では一番大きな建物だった。
「貧民街の住民は元をたどればとある貴族だったんだ、この貧民街もその大昔は貴族街といわれていたらしいよ」
「へぇぇ」
「政治闘争に負けて、貴族追われ一族の資産は全て没収され貧民になった」
「貴族も安泰じゃないんだな」
「あの建物は大昔のその貴族の本家が住んでいたとされる大屋敷の一部で倉庫だったんだ。今は貧民街の象徴のようになっているけどね」
俺とシャウラが建物の前に立つ。耳を澄ますと中からガヤガヤと大勢の人間たちがいるような音が聞こえてくる。
「ここにいるな」
俺がそう言うとシャウラは黙って頷く。
「いいかシャウラお前はここにいろ」
「え?僕も行くよ」
「だめだ。中は100人はいそうだ。お前がいると足手まといになるんだ分かってくれ」
俺は真剣な表情でシャウラを見る。
「…うん…分かったよ。でも無茶はしないでね」
そして俺は手近にある木の棒を手にし扉を開ける。
◇◆◇
「はぁはぁはぁ」
薄暗い広い建物の中で女性の息を切らした声が響いている。
マーフは100人は優に超える男たちに囲まれ一人ずつ襲い掛かってくる男と戦っている。そして数人の男は床で倒れ気絶している、マーフの消耗激しいようでその小さな肩で息をしている。
マーフの脳裏にもう限界という言葉が浮かぶ。
私は一体何人の男と戦ったんだろう…
馬車を十数人の男たちに取り囲まれ、こうするしかなかった…もし私がこうしなければアリシアや馬車の運転手さんに危害が及ぶことになりかねない…
マーフは足でリズムを取りながら襲い掛かってくる男をさらりとかわし、木剣で急所を一突きする。そしてもんどりうって倒れる男。
これを何回か繰り返していくうちに体からは汗が吹き出し息は切れる。
それものそのはずマーフは木剣、相手は真剣や刃のついた斧や槍を使い襲い掛かってくるのだ木剣と戦うような緊張感ではない…
なぜか男たちは一斉に襲い掛かってくることはせずに、1人ずつ襲い掛かってくる。
最初の5人ほどは余裕があった。徐々に剣を持つ握力も少なくなっていくことが自分で分かる。
そして間髪入れずに新しい男が襲ってくる。
それをなんとかかわし、攻撃をしようとする。しかしもうマーフの体力は限界だった…
剣で急所突くと同時に剣を落としてしまう。急所を突かれたはずの男はほとんどダメージが無い様子で、マーフの顔に平手打ちをし取り囲んでいる男の足元にマーフの体は吹っ飛ばされる。
取り囲んでいる男たちが左右に分かれ
「私に楯突いたらこうなる」
奥から聞いたことのある声が聞こえてくる。その声は主は私の大嫌いなやつの声…
「スタンツ・アタリア!!」
「いったろ剣聖など何の役にも立たんと、数こそ力だそして数を操るのは金だ!」
そういってスタンツはマーフを倒した男に袋を渡している。
マーフはスタンツを睨み口を開く。
「こんなことをしてアリステル家を敵に回すことになりますよ」
「貴様の叔父は私達には逆らえんよ、さてこれからお前の処遇だが…ここでこの男たちの慰みものになるか。騎士学校を今すぐやめ私の婚約者になるどちらがいい?」
「あなたの婚約者になるぐらいなら今ここで死を選びます!!」
マーフがそう叫んだ瞬間。ガーンという音ともに倉庫の扉が開き、夕焼けで赤く染まる空と影になった一人の人間が剣のようなものを手にし立っているのが見えた。
バーンという音とともに馬車の扉が開く。中からマーフのメイド、アリシアが青ざめた表情で慌てた様子で話しかけてくる。
「マーフ様が!」
アリシアさんは慌てており、混乱しているように見える。シャウラがゆっくりとした口調で話しかける。
「アリシアさん落ち着いて、ゆっくり話をしてください」
その言葉でハッと我に返り、息を呑んで少し落ち着いた様子で話を始める。
「さっき馬車が無法者達に囲まれて…マーフ様を出せとそれで私たちを守るため御独りで…」
俺とシャウラは顔を見合わせる。シャウラと俺は驚きを隠せない。
マーフだったら大丈夫だとは思うが…さすが多人数に囲まれるとまずいか…早く見つけないと俺ははやる気持ちを抑えてアリシアさんに話しかける。
「分かったその場所を教えてくれ」
アリシアさんから連れて行かれた場所を教わり、シャウラと2人で走って向かう。
連れ去られた現場に着く、そこは貧民街の入り口で道路には夕方から酔っぱらった男どもが座り込んだりしており一目見て治安の悪さが分かる。
「僕の方が土地勘がある。2人で一緒に探したほうが早い」
シャウラととも貧民街に入っていき、俺は目に着いた道路に横になっている酔っぱらいに話しかける。
「短髪の赤髪の女の人みなかった?」
「しらねぇぇぇよーーーそんなことより俺に酒をおごってくれよーーー」
酒くせぇぇぇこんな奴にきいても無駄か…
するとシャウラが近くに店を構えているおばちゃんと話をしに行き帰ってきた。
「あっちへ10人ぐらいの男の人と一緒にいったって」
貧民街の奥を指さす。木造の長屋が密集して建てられており慣れた人間では無ければ入ることを拒むように感じさせる。
シャウラは特に臆することもなく奥へ進んでいく。
俺が堂々としているシャウラをみていると
「不思議かい?」
「普通の人間は貧民街には近づかないんだろ?」
「僕の故郷みたいなところだから」
真っすぐに貧民街の奥に向かって歩きながら話す。
「シャウラは貧民街出身なのか…」
「うん…7歳までここで暮らしていた」
幼い子供たちが貧民街を走り回っているのを遠目で見ている。
シャウラはハッとし
「今はそんなことどうでもいいよ!早く探さないと!」
俺はコクリと頷く。
シャウラは道行く人にマーフの行方を尋ね、迷いなく奥へ進んで行く。奥に行くにつれ道は迷路のように細く入り組んでおり、その雰囲気はあの同じ風景が続き入った者の方向感覚を奪う生者の森にも似た雰囲気を感じる。
シャウラはその後も貧民街の住民に話を聞きながら、どんどんと貧民街の中心部に近づいていく。中心部に近づくとおおよその当たりをつけたのか人に聞くことを止め早足で歩きだす。
「分かったのか?」
「うん、大人数が入れる場所は限られてるからね」
夕暮れの赤い空の下、シャウラが指さした場所は木造の古く大きな建物で貧民街では一番大きな建物だった。
「貧民街の住民は元をたどればとある貴族だったんだ、この貧民街もその大昔は貴族街といわれていたらしいよ」
「へぇぇ」
「政治闘争に負けて、貴族追われ一族の資産は全て没収され貧民になった」
「貴族も安泰じゃないんだな」
「あの建物は大昔のその貴族の本家が住んでいたとされる大屋敷の一部で倉庫だったんだ。今は貧民街の象徴のようになっているけどね」
俺とシャウラが建物の前に立つ。耳を澄ますと中からガヤガヤと大勢の人間たちがいるような音が聞こえてくる。
「ここにいるな」
俺がそう言うとシャウラは黙って頷く。
「いいかシャウラお前はここにいろ」
「え?僕も行くよ」
「だめだ。中は100人はいそうだ。お前がいると足手まといになるんだ分かってくれ」
俺は真剣な表情でシャウラを見る。
「…うん…分かったよ。でも無茶はしないでね」
そして俺は手近にある木の棒を手にし扉を開ける。
◇◆◇
「はぁはぁはぁ」
薄暗い広い建物の中で女性の息を切らした声が響いている。
マーフは100人は優に超える男たちに囲まれ一人ずつ襲い掛かってくる男と戦っている。そして数人の男は床で倒れ気絶している、マーフの消耗激しいようでその小さな肩で息をしている。
マーフの脳裏にもう限界という言葉が浮かぶ。
私は一体何人の男と戦ったんだろう…
馬車を十数人の男たちに取り囲まれ、こうするしかなかった…もし私がこうしなければアリシアや馬車の運転手さんに危害が及ぶことになりかねない…
マーフは足でリズムを取りながら襲い掛かってくる男をさらりとかわし、木剣で急所を一突きする。そしてもんどりうって倒れる男。
これを何回か繰り返していくうちに体からは汗が吹き出し息は切れる。
それものそのはずマーフは木剣、相手は真剣や刃のついた斧や槍を使い襲い掛かってくるのだ木剣と戦うような緊張感ではない…
なぜか男たちは一斉に襲い掛かってくることはせずに、1人ずつ襲い掛かってくる。
最初の5人ほどは余裕があった。徐々に剣を持つ握力も少なくなっていくことが自分で分かる。
そして間髪入れずに新しい男が襲ってくる。
それをなんとかかわし、攻撃をしようとする。しかしもうマーフの体力は限界だった…
剣で急所突くと同時に剣を落としてしまう。急所を突かれたはずの男はほとんどダメージが無い様子で、マーフの顔に平手打ちをし取り囲んでいる男の足元にマーフの体は吹っ飛ばされる。
取り囲んでいる男たちが左右に分かれ
「私に楯突いたらこうなる」
奥から聞いたことのある声が聞こえてくる。その声は主は私の大嫌いなやつの声…
「スタンツ・アタリア!!」
「いったろ剣聖など何の役にも立たんと、数こそ力だそして数を操るのは金だ!」
そういってスタンツはマーフを倒した男に袋を渡している。
マーフはスタンツを睨み口を開く。
「こんなことをしてアリステル家を敵に回すことになりますよ」
「貴様の叔父は私達には逆らえんよ、さてこれからお前の処遇だが…ここでこの男たちの慰みものになるか。騎士学校を今すぐやめ私の婚約者になるどちらがいい?」
「あなたの婚約者になるぐらいなら今ここで死を選びます!!」
マーフがそう叫んだ瞬間。ガーンという音ともに倉庫の扉が開き、夕焼けで赤く染まる空と影になった一人の人間が剣のようなものを手にし立っているのが見えた。
0
あなたにおすすめの小説
この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~
夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。
全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった!
ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。
一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。
落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!
無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。
死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった!
呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。
「もう手遅れだ」
これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。
故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。
一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。
「もう遅い」と。
これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!
「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい
夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。
彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。
そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。
しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる