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第3章 鴉
第57話 混血児
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「あれが群れ…」
眼下に広がる祖人の群れを見て俺は呟いた。
リリカは群れを睨み付けながら俺に話す。
「そうだ、あれが群れだ」
「あれは…俺たちと同じ…」
俺がそう言いかけるとリリカは冷ややかな視線を俺に浴びせながら
「俺たちと同じ人間とでも言いたそうだな」
「…はい」
「あそこにいる子供の祖人、あれも我らと対峙すれば、牙を剥き喉をかっ切りにくる」
「…」
「それが現実だ。それとも何か?同じ人間だったらお前は闘わないというのか?」
「それは…」
「今我々の眼下にいるのが、倒すべき敵なのだ」
「…はい」
確かにリリカの言う通りだ…祖人は俺たちの敵で、害を為すものそして祖人も人間を見れば襲いかかって来る。これは祖人と人間の長く続く戦いなのだ。
しばらく祖人の群れを眺め、リリカが声を挙げる。
「このまま北へ向かいそうだな」
アルクがそれに答える。
「ええ、連中の装備からして再南下して壁に迫るということはなそうですね」
「よし。行くか」
そういうとリリカは馬を曳き、東の方向へ進み出した。
祖人を追うでもなく、別の方向へ進みだしたため俺はアルクに声を掛ける。
「どこに行くんですか?」
「協力者の所へ行く」
「協力者?」
「あえば分かる」
雪が降り積もる山の中を2時間程歩いていくと、切りたった山肌に数件の丸太小屋が建てられ、周囲には柵が張り巡らされ家畜のヤギがその柵の中をウロウロとしている。
リリカはその光景に特に警戒もすることなく近づいていき、一つの小屋の扉をノックし声を掛ける。
「リリカだ。入るぞ」
するとな中から男の声が聞こえ扉が開く。
「おーーよく来た!」
その声の主は流暢に喋り、リリカが笑顔を見せその小屋の人物と話をしている。
「早く入れ、外は寒いだろ」
その声の主が中から出てきて手招きをし俺たちを迎え入れようとする。
その顔は突き出した顎に大きな犬歯の特徴的な顔、防寒具をきちんと着込んでいるとはいえ2時間前に眼下にその姿を焼き付けた祖人そのものであった。
「え?」
俺は腰の剣に手を掛け、後ずさりをする。
「アルクさん!」
「大丈夫だよ」
「でも、祖人ですよ!」
そういうとその男は俺の方をみて話しかけてくる。
「お前は見ない顔だな新人か…」
リリカの声が聞こえ
「すまない。非礼を詫びる」
「リリカさんは謝る必要ないさ。だれだった初対面はこの顔に驚く」
祖人の男はそういうと小屋の中に入っていく。
アルクが俺に話しかける。
「彼らが俺たちの協力者だから」
「協力者って祖人だったんですか?」
「まあ、見た目はな」
そう言うとアルクとバルジも小屋の中に入っていき、俺もそれに続いて小屋の中に入っていく。
小屋の中央部にある囲炉裏には火が灯されている。5人で座るには十分な広さがあり、囲炉裏を囲むように5人で座る。そして部屋の中は暖かく、俺たちは外套脱いで側に置く。
リリカは袋を取り出し祖人の男にそれを渡している。
男は中身を確認し
「おーい」
人を呼ぶと奥から、祖人の女が現れその袋を受け取り又奥へと入っていく。
リリカが話し始める。
「最近の奴らの動きは?」
「部族同士がくっつきました」
「ふむ」
「今までになかったことです」
「そうだな…祖人は部族同士の連携取らないからな」
「この動き何かありそうですね」
「…その動き注意深く探ってくれ」
「分かりました」
俺はあまりに祖人の男が流暢にリリカと話をしているのを聞き驚いている。その姿、形からはこれほど流暢に話しができるとはとても思えない。驚いている俺に祖人の男が話しかけてくる。
「祖人があまりに流暢に喋っているから驚いたといったような顔だな」
「い、いえ…」
「俺はハンク。ウィンタール生まれの祖人と人間の混血児だ」
ハンクはそう言って右手を差し出してくる。俺もそれに答え右手を差し出し握手をする。
「混血児…」
「そう…俺や妹のアリンは祖人と人間との間に生まれた」
「さっきのは妹さんなんですね」
「ああ、妹アリンだ」
俺とハンクが話をしている横で、リリカは難しい顔をしアルクに話し始める。
「アルク、この動きどう見る?」
「まだなんとも…連中も少なくなってきた部族同士なら合体したほうが良いって思っただかもしれませんし」
「しかし我々にとっていい動きではないな」
「ええ、そうですね。一応隊長の耳にもいれておいたほうがいいかと」
「確かにな。私から報告しておく」
奥から鍋を持ってきたアリンが、囲炉裏に鍋を掛ける。そしてひと煮立ちすると部屋中にヤギ肉の煮えた美味しそうな匂いが充満しアンリが鍋の中身を皿に移しだす。
「どうぞ」
アリンも祖人の外見をしているが流暢に話をする。
煮込まれたヤギ肉や芋が入ったスープの入った皿を受け取る。スープを配り終えるとハンクが酒をつぎ出す。
すこし白く濁った酒で、一口口に入れてみる。かなり度数がキツイが独特な香りと口当たりでまずくはない。
「変わった味ですけど美味しいです」
俺がハンクにそう言うと、顔をほころばせ
「そうだろ?ここで作った酒なんだ」
ハンクはそういってキツイ酒をグイッと飲み干した。
その後もグイグイと酒を飲み干したハンクは酔ったのか俯いて、ポツリポツリ俺に話と話し始めた。
「俺たち兄妹はリリカさんのおかげで生きていられるんだ」
「何かあったんですか?」
「混血児…半端者。祖人にも人間にも成れない物…」
ハンクは真っ赤な顔を上げ悔しそうな顔し
「俺たちは壁の向こうに住んでいたんだ。この顔で壁の向こうで暮らすそれはどういうことか分かるか?」
祖人が壁の向こうで暮らす…それは…
「祖人が人間と生活することはできない。つまり俺と妹は生まれてはいけない者だったんだ」
「兄さん!飲み過ぎですよ」
アリンがハンクに声を掛けハンクがヨタヨタと立ち上がる。
「すまん。小便してくる」
アリンは髪で左目を隠すように伸ばしているが、振り向きざまにその下が見える。爛れたような古い火傷のあとが見えた。
眼下に広がる祖人の群れを見て俺は呟いた。
リリカは群れを睨み付けながら俺に話す。
「そうだ、あれが群れだ」
「あれは…俺たちと同じ…」
俺がそう言いかけるとリリカは冷ややかな視線を俺に浴びせながら
「俺たちと同じ人間とでも言いたそうだな」
「…はい」
「あそこにいる子供の祖人、あれも我らと対峙すれば、牙を剥き喉をかっ切りにくる」
「…」
「それが現実だ。それとも何か?同じ人間だったらお前は闘わないというのか?」
「それは…」
「今我々の眼下にいるのが、倒すべき敵なのだ」
「…はい」
確かにリリカの言う通りだ…祖人は俺たちの敵で、害を為すものそして祖人も人間を見れば襲いかかって来る。これは祖人と人間の長く続く戦いなのだ。
しばらく祖人の群れを眺め、リリカが声を挙げる。
「このまま北へ向かいそうだな」
アルクがそれに答える。
「ええ、連中の装備からして再南下して壁に迫るということはなそうですね」
「よし。行くか」
そういうとリリカは馬を曳き、東の方向へ進み出した。
祖人を追うでもなく、別の方向へ進みだしたため俺はアルクに声を掛ける。
「どこに行くんですか?」
「協力者の所へ行く」
「協力者?」
「あえば分かる」
雪が降り積もる山の中を2時間程歩いていくと、切りたった山肌に数件の丸太小屋が建てられ、周囲には柵が張り巡らされ家畜のヤギがその柵の中をウロウロとしている。
リリカはその光景に特に警戒もすることなく近づいていき、一つの小屋の扉をノックし声を掛ける。
「リリカだ。入るぞ」
するとな中から男の声が聞こえ扉が開く。
「おーーよく来た!」
その声の主は流暢に喋り、リリカが笑顔を見せその小屋の人物と話をしている。
「早く入れ、外は寒いだろ」
その声の主が中から出てきて手招きをし俺たちを迎え入れようとする。
その顔は突き出した顎に大きな犬歯の特徴的な顔、防寒具をきちんと着込んでいるとはいえ2時間前に眼下にその姿を焼き付けた祖人そのものであった。
「え?」
俺は腰の剣に手を掛け、後ずさりをする。
「アルクさん!」
「大丈夫だよ」
「でも、祖人ですよ!」
そういうとその男は俺の方をみて話しかけてくる。
「お前は見ない顔だな新人か…」
リリカの声が聞こえ
「すまない。非礼を詫びる」
「リリカさんは謝る必要ないさ。だれだった初対面はこの顔に驚く」
祖人の男はそういうと小屋の中に入っていく。
アルクが俺に話しかける。
「彼らが俺たちの協力者だから」
「協力者って祖人だったんですか?」
「まあ、見た目はな」
そう言うとアルクとバルジも小屋の中に入っていき、俺もそれに続いて小屋の中に入っていく。
小屋の中央部にある囲炉裏には火が灯されている。5人で座るには十分な広さがあり、囲炉裏を囲むように5人で座る。そして部屋の中は暖かく、俺たちは外套脱いで側に置く。
リリカは袋を取り出し祖人の男にそれを渡している。
男は中身を確認し
「おーい」
人を呼ぶと奥から、祖人の女が現れその袋を受け取り又奥へと入っていく。
リリカが話し始める。
「最近の奴らの動きは?」
「部族同士がくっつきました」
「ふむ」
「今までになかったことです」
「そうだな…祖人は部族同士の連携取らないからな」
「この動き何かありそうですね」
「…その動き注意深く探ってくれ」
「分かりました」
俺はあまりに祖人の男が流暢にリリカと話をしているのを聞き驚いている。その姿、形からはこれほど流暢に話しができるとはとても思えない。驚いている俺に祖人の男が話しかけてくる。
「祖人があまりに流暢に喋っているから驚いたといったような顔だな」
「い、いえ…」
「俺はハンク。ウィンタール生まれの祖人と人間の混血児だ」
ハンクはそう言って右手を差し出してくる。俺もそれに答え右手を差し出し握手をする。
「混血児…」
「そう…俺や妹のアリンは祖人と人間との間に生まれた」
「さっきのは妹さんなんですね」
「ああ、妹アリンだ」
俺とハンクが話をしている横で、リリカは難しい顔をしアルクに話し始める。
「アルク、この動きどう見る?」
「まだなんとも…連中も少なくなってきた部族同士なら合体したほうが良いって思っただかもしれませんし」
「しかし我々にとっていい動きではないな」
「ええ、そうですね。一応隊長の耳にもいれておいたほうがいいかと」
「確かにな。私から報告しておく」
奥から鍋を持ってきたアリンが、囲炉裏に鍋を掛ける。そしてひと煮立ちすると部屋中にヤギ肉の煮えた美味しそうな匂いが充満しアンリが鍋の中身を皿に移しだす。
「どうぞ」
アリンも祖人の外見をしているが流暢に話をする。
煮込まれたヤギ肉や芋が入ったスープの入った皿を受け取る。スープを配り終えるとハンクが酒をつぎ出す。
すこし白く濁った酒で、一口口に入れてみる。かなり度数がキツイが独特な香りと口当たりでまずくはない。
「変わった味ですけど美味しいです」
俺がハンクにそう言うと、顔をほころばせ
「そうだろ?ここで作った酒なんだ」
ハンクはそういってキツイ酒をグイッと飲み干した。
その後もグイグイと酒を飲み干したハンクは酔ったのか俯いて、ポツリポツリ俺に話と話し始めた。
「俺たち兄妹はリリカさんのおかげで生きていられるんだ」
「何かあったんですか?」
「混血児…半端者。祖人にも人間にも成れない物…」
ハンクは真っ赤な顔を上げ悔しそうな顔し
「俺たちは壁の向こうに住んでいたんだ。この顔で壁の向こうで暮らすそれはどういうことか分かるか?」
祖人が壁の向こうで暮らす…それは…
「祖人が人間と生活することはできない。つまり俺と妹は生まれてはいけない者だったんだ」
「兄さん!飲み過ぎですよ」
アリンがハンクに声を掛けハンクがヨタヨタと立ち上がる。
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