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トップを狙え! PVP始めました
第12話 ショーグン動く
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――イース地方 エウロペア地区。
この草原が広がるエウロペア地区。その中央に鎮座しているのが、コルタナ城という欧風のデザインで、石で作られた城がオブジェクトとして置かれている。
そのオブジェクトを間借りしているのがクラン、エウロペア防衛軍。
城の中の玉座の間では、玉座に偉そうに座っているライオネル族の男とハイエルフ族の女性キャラの二人がいる。
ライオネル族の男は、防衛軍トップのショーグンこと、ラッキー・イレブン。
金髪のロングヘアーに尖った耳をしたハイエルフの女性は防衛軍ナンバー2で闘技場ランキング2位のエンジェルことユリィ・マーシー。
エンジェルは頬に手を当て少し悩み事があるかのようにショーグンに話し掛ける。
「ショーグン、今ランキングで登り調子のムカデを知ってる?」
「ん? ムカデ? もう潰れただろ。キングは叩き潰したぞ。あとは勝手に解散すると思ってたが」
「昨日、ゴルドフィンが負けたわ」
「あいつはランカーの中でも最弱。ムカデにだって負けることもあるだろう」
「しかし、そのムカデ今まで無敗だとか」
「あっそう、これからは上位陣が当たる。負ける訳がない」
ショーグンはその猫の様な顔で自信に溢れたような表情をしている。
エンジェルは空中を操作し話始める。どうやらどこからTELが来たようだ。そして驚きの声を上げる。
「どうしたの?……え……負けた?……分かったわ……」
そのまま聞いた内容にショーグンに伝える。
「ラビットが負けたわ……」
それを聞きショーグンは目を細める。
「ほう……8位だったかなラビットは」
「ええ。このままじゃ対人講習会に影響が出かねないわ」
「……潰すか……」
「ええ。折角軌道に乗って来たところなのに、ここで邪魔される訳にはいかないものね」
「そうだな……でそのムカデの名前は?」
「エイジ2525」
「そいつの情報を出来るだけ集めるんだ。2日でできるか?」
「ええ、任せて」
エンジェルはそう言うと得意気な表情を見せる。
「あと防衛軍の闘技場での試合は禁止だ。いいな禁止だぞ」
「そうね……これ以上負ける訳にはいかないものね」
「ムカデは俺、自らの手で叩き潰す」
「ええ、そうね……ムカデの新星をあなたが完全に叩き潰せばもうムカデが復活する目はない。PvP最強クラン、エウロペア防衛軍の完成よ」
「ああ、今度こそムカデに引導を渡してやる。そして真なる最強クランになった暁には、RMT計画も完全なるものになる」
ショーグンはそう言うと拳をポキポキと鳴らした。
◇◆◇
「やったなエイジ! 今の奴は防衛軍で8位のランカーだ」
「うん」
ゴルドフィン戦でのこともあり、シゲゾーとも話をした結果、強くなる近道はなく、経験を積むしかないということになった。
まあここで普通の少年マンガなら修行して強くなるぜ的な展開が待っているんだろうけど……
俺達が選んだ道はデバフ『暗闇』の解禁。短期間で自分の実力を上げるのは厳しい……ならばデバフでなんとかするしかない!
暗闇は相手の視覚を完全に奪ってしまうというもの。近接物理、遠隔物理ジョブにとっては致命的なデバフ。
まあ、詠唱魔法ジョブには効かないけど、そっちには効果絶大の腹痛があるからね。
でも俺のスキルの特性上、絶対にデバフに罹る。暗闇の中を歩かなくてはいけない。
暗闇の中を矢印が出るとはいえ歩いて待合室から試合場に行かなければならないのである。
1分以内に待ち合い室から試合場に着かなければ、敗北になってしまう。だから嫌だったのだが背に腹は変えられない。
ということで、エウロペア防衛軍でランキング8位を暗闇で撃破したのだ。
「おい、あれ防衛軍3位のエジタンだ」
シゲゾーの視線の先にはエルフ族のランサーが防衛軍の取り巻きを引き連れて闘技場にやって来ている。
受け付けの前に向かう。
「見ていくか?」
シゲゾーが俺にそう話し掛ける。
「うん」
と頷き観客入り口に向かおうとすると……
「は? 闘技場禁止? エンジェルあんた何言ってんだ?」
そう言うエジタンの声が受け付けに響く。
「ショーグンの命令だって!? なんでだよ! ……分かった……」
そう言うとエジタンはくるりと踵を返す、そして取り巻きに伝える。
「防衛軍は闘技場禁止だ。ショーグンがいいと言うまでな」
そう言うと怒りの表情でエジタンは闘技場を後にした。
「なんで禁止なんだ? 俺のレートが上がりにくくなるんだが……」
何気にそう呟くとシゲゾーは興奮気味に答える。
「あれはお前を警戒してんだよ。お前と戦って負けることを警戒してる……もしかしたらショーグンを引っ張り出せたかもしれん……」
「まさかぁ……まだ13位だよ。俺」
「防衛軍メンバーの一桁ランカーを倒したことで、危機感が出てきたんじゃないか? 若い芽は早目に叩き潰すってことだろう」
「叩き潰すか…….」
この草原が広がるエウロペア地区。その中央に鎮座しているのが、コルタナ城という欧風のデザインで、石で作られた城がオブジェクトとして置かれている。
そのオブジェクトを間借りしているのがクラン、エウロペア防衛軍。
城の中の玉座の間では、玉座に偉そうに座っているライオネル族の男とハイエルフ族の女性キャラの二人がいる。
ライオネル族の男は、防衛軍トップのショーグンこと、ラッキー・イレブン。
金髪のロングヘアーに尖った耳をしたハイエルフの女性は防衛軍ナンバー2で闘技場ランキング2位のエンジェルことユリィ・マーシー。
エンジェルは頬に手を当て少し悩み事があるかのようにショーグンに話し掛ける。
「ショーグン、今ランキングで登り調子のムカデを知ってる?」
「ん? ムカデ? もう潰れただろ。キングは叩き潰したぞ。あとは勝手に解散すると思ってたが」
「昨日、ゴルドフィンが負けたわ」
「あいつはランカーの中でも最弱。ムカデにだって負けることもあるだろう」
「しかし、そのムカデ今まで無敗だとか」
「あっそう、これからは上位陣が当たる。負ける訳がない」
ショーグンはその猫の様な顔で自信に溢れたような表情をしている。
エンジェルは空中を操作し話始める。どうやらどこからTELが来たようだ。そして驚きの声を上げる。
「どうしたの?……え……負けた?……分かったわ……」
そのまま聞いた内容にショーグンに伝える。
「ラビットが負けたわ……」
それを聞きショーグンは目を細める。
「ほう……8位だったかなラビットは」
「ええ。このままじゃ対人講習会に影響が出かねないわ」
「……潰すか……」
「ええ。折角軌道に乗って来たところなのに、ここで邪魔される訳にはいかないものね」
「そうだな……でそのムカデの名前は?」
「エイジ2525」
「そいつの情報を出来るだけ集めるんだ。2日でできるか?」
「ええ、任せて」
エンジェルはそう言うと得意気な表情を見せる。
「あと防衛軍の闘技場での試合は禁止だ。いいな禁止だぞ」
「そうね……これ以上負ける訳にはいかないものね」
「ムカデは俺、自らの手で叩き潰す」
「ええ、そうね……ムカデの新星をあなたが完全に叩き潰せばもうムカデが復活する目はない。PvP最強クラン、エウロペア防衛軍の完成よ」
「ああ、今度こそムカデに引導を渡してやる。そして真なる最強クランになった暁には、RMT計画も完全なるものになる」
ショーグンはそう言うと拳をポキポキと鳴らした。
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「やったなエイジ! 今の奴は防衛軍で8位のランカーだ」
「うん」
ゴルドフィン戦でのこともあり、シゲゾーとも話をした結果、強くなる近道はなく、経験を積むしかないということになった。
まあここで普通の少年マンガなら修行して強くなるぜ的な展開が待っているんだろうけど……
俺達が選んだ道はデバフ『暗闇』の解禁。短期間で自分の実力を上げるのは厳しい……ならばデバフでなんとかするしかない!
暗闇は相手の視覚を完全に奪ってしまうというもの。近接物理、遠隔物理ジョブにとっては致命的なデバフ。
まあ、詠唱魔法ジョブには効かないけど、そっちには効果絶大の腹痛があるからね。
でも俺のスキルの特性上、絶対にデバフに罹る。暗闇の中を歩かなくてはいけない。
暗闇の中を矢印が出るとはいえ歩いて待合室から試合場に行かなければならないのである。
1分以内に待ち合い室から試合場に着かなければ、敗北になってしまう。だから嫌だったのだが背に腹は変えられない。
ということで、エウロペア防衛軍でランキング8位を暗闇で撃破したのだ。
「おい、あれ防衛軍3位のエジタンだ」
シゲゾーの視線の先にはエルフ族のランサーが防衛軍の取り巻きを引き連れて闘技場にやって来ている。
受け付けの前に向かう。
「見ていくか?」
シゲゾーが俺にそう話し掛ける。
「うん」
と頷き観客入り口に向かおうとすると……
「は? 闘技場禁止? エンジェルあんた何言ってんだ?」
そう言うエジタンの声が受け付けに響く。
「ショーグンの命令だって!? なんでだよ! ……分かった……」
そう言うとエジタンはくるりと踵を返す、そして取り巻きに伝える。
「防衛軍は闘技場禁止だ。ショーグンがいいと言うまでな」
そう言うと怒りの表情でエジタンは闘技場を後にした。
「なんで禁止なんだ? 俺のレートが上がりにくくなるんだが……」
何気にそう呟くとシゲゾーは興奮気味に答える。
「あれはお前を警戒してんだよ。お前と戦って負けることを警戒してる……もしかしたらショーグンを引っ張り出せたかもしれん……」
「まさかぁ……まだ13位だよ。俺」
「防衛軍メンバーの一桁ランカーを倒したことで、危機感が出てきたんじゃないか? 若い芽は早目に叩き潰すってことだろう」
「叩き潰すか…….」
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