大人の階段登れなかったおっさんと黒ギャルの同棲日記

くろすけ

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お誕生日

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 年も明けて旅行から帰ると、また日常が始まった。

 女の人と旅行に行ったのも初めてだったし、高校の制服着せて2人の女の子と一緒に旅行なんて僕にとっては非現実的な楽しい旅行だった。

 ある日、瑠璃るりが出ていった。別に喧嘩した訳ではない。

 瑠璃るりに新しい彼女ができたらしい。彼女と一緒に住むと出て行ったのだ。

 その行動力に呆気にとられていたが瑠璃るりは割とそんな感じらしい。若さを感じた。

 それからは、茉莉まつりと2人の生活が戻った。なんか以前より更に茉莉まつりが甘えん坊になった気がする。

 部屋に居る時は、僕にくっついて離れなくなった。前からだけど更に酷くなった気がする。トイレすら個室では無くなってしまった。

「あー、もう40歳かぁ。」

 と何気なく呟いたのを茉莉まつりに聞かれてしまい誕生日の話になった。

 実は1週間後が僕の誕生日だったのだ。茉莉まつりは驚いて

「何で教えてくれなかったの?」

 と激オコだったが、聞かれなかったからと言えばきっと火に油を注ぐ事になると思い、素直に謝った。

 ちょうど誕生日が話題になったので茉莉まつりの誕生日を聞いた。茉莉まつりの誕生日は僕の誕生日の更に1ヶ月後だった。

 茉莉まつり曰く、お誕生日はビッグイベントだから普通は付き合い始めに聞くものだ!と説教された。

 いやいや、自分だって聞いてこなかったじゃないか?とか思ったが、それはスルーしてみた。

 その後は、特に変わった事もなく普通に過ごしていたが、お誕生日当日にデートに誘われた。

 女の人にお誕生日を祝ってもらうのは初めての体験なので、凄く緊張したがレストランに着いて更に緊張した。

 こんなお店初めてで僕なんかじゃ場違い感がハンパなかった。

 場所も銀座という事でかなりビビっていたのだが、店内に入るとウェイターが皆んな外人だった。食事をしているお客さんも品の良さそうな人しか居ない。

 更に日本人なのに笑いながら英語で話をしてる人も居たり。デリヘルスタッフの僕なんかが、居ていい場所じゃないよな?とか頭の中でぐるぐる回っていた。

 コース料理を食べた事ない訳じゃないが、こんな料理初めて食べた。出て来た瞬間にお高いと解るレベル。美味しかったw

 食事が終わりコーヒーと一緒にお誕生日ケーキが出て来た。ちっちゃいケーキだったけど、チョコでお皿に僕の名前が描いてあった。

 ちょっと感動した。

「ありがとう。こんなお店でお祝いしてもらえてびっくりした。」

 と言うと茉莉まつりは微笑みながら僕にプレゼントを手渡してくれた。

 こんなお店でお祝いしてくれただけでも感動してるのにプレゼントまで用意してくれてたなんて・・・。

 プレゼントを開けてみると腕時計だった。

 でも、これは僕の知ってる腕時計ではない。ズッシリとした重厚感。明らかに高そうだった。

 人生初の女の子からのプレゼントが人生初の機械式腕時計だった。

 後でググったら値段にびっくりした。値段を知って改めて茉莉まつりにお礼を言うと

「1週間しかなかったから、あんなんしか買えなくてごめんね。」

 とか言われたが、茉莉まつりの頭の中はバグってんのか?と本気で思った。

 1ヶ月後の茉莉まつりのお誕生日に向けて僕が必死になったのは言うまでもない。

 プレゼントを何にするか、悩みながら高級ブランドのお店に生まれて初めて入った。

 一応、小綺麗な格好をして行ったので怪しまれてはいない模様。

 茉莉まつりはお誕生日を迎えて20歳になる女の子。歳相応な物が良いよなーっと物色していて、リュックが目に着いた。

 これが良いなっと思ったが、この時初めて気がついた。

 え?このお店の商品全て値札が付いていないんだが?え?高級ブランドのお店ってこれが普通なの?

 僕は変な汗がダラダラと流れる感覚でパニくった。どーしよ?とキョドったが勇気を出して

「済みません。コレお願いします。」

 と値段もわからないまま店員に声を掛けた。店員も慣れた感じで

「贈り物でよろしいですか?」

 と確認をして包装してくれた。

 ちなみに値段は30万だった。

 何なんこれ?世の男はこんな事を普通にやってるのか?尊敬するわ!と心の中で思った。

 これでも腕時計の値段には届いていなかったが、それでも僕にとって上限一杯一杯の値段だった。

 お誕生日当日、茉莉まつりは凄く喜んでくれたので少しほっとした。

佐々木ささっちが、こんな事してくれるなんて思ってなかったから嬉しい!」

 と茉莉まつりは言っていた。まあ、確かに女の人に何かしたりするの初めてだから期待してなかったんだろうな。だけどお誕生日ってお祝いする側も楽しいんだなって知る事が出来た貴重な体験でした。
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