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10.秘密裏の護衛
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レイモンドは邸に戻ると執務室に入り、側近のフィリップから報告を受ける。
「尋問は進んだか?」
「はい、スレバン公爵家の縁故の者だと話しています。
女性一人攫うなど簡単だと思って、引き受けたそうですが、私どもの影が警護していたとは思ってなかったそうです。」
「何故スレバン家が?」
「アリス様をスレバン家に引き入れようと婚約を呼びかけても、予想外にカーティア男爵家が拒否するため、しびれを切らしたようです。」
「何故そこまで、アリスを?」
「ギフトがあるからと聞いたそうですが、具体的にははっきりとは聞いていないそうです。」
レイモンドの顔つきが変わる。
アリスのギフトがバレている?
「何故ギフトがあると知ったんだ。」
「神殿の過去書類を整理していた神父がたまたま見つけて、スレバン家の者に神殿への便宜をはかってもらうために話し、スレバン家で使えると判断したそうです。」
過去にギフトを調べるために神殿を訪れていた時のが、バレたか。
僕が当時もっと大人なら、握り潰したのに。
「わかった。」
「アリスから預かっているロイを呼んでくれ。」
「かしこまりました。」
「お呼びですか?」
ロイが不安そうな顔をしながら、執務室にやって来る。
「鍛錬中悪いね。
そこ、かけて。」
ロイはおそるおそるソファに座る。
今までレイモンドに直接声をかけられたことはない。
基本的にレイモンドは忙しく、見習いの身のロイには雲の上の人物なのだ。
「アリスが攫われそうになった話は知っているかい?」
「はい、こちらの私兵の方々が取り押さえたと伺っています。」
「そうだ。
実はアリスには以前から僕の私兵が影となって護衛している。」
「・・・。」
「びっくりしたかい?
アリスには内緒にしているけどね。」
「今回攫われそうになって、アリスに気づかれてしまったんだ。
アリスに護衛していることを伝えたら、自分にはもったいないから、いらないと言うだろう?
だけど、僕はアリスを絶対に守りたいんだ。
だから、勝手に護衛をつけて、内緒にしている。
これは僕の自己満足だから、誰に何を言われてもやめるつもりはない。
今回攫われそうになったのは、ある家系がアリスを手に入れようと危険な行動に出たからなんだ。
今後はこのようなことのないように手を回すつもりだ。
でも、今回のことでアリスの価値について注目される可能性がある。
だから、より一層警護を強めたい。
だが、アリスにはいらない不安を持たせたくないから、あえて話していないんだ。
ここからは君に関係するんだが、アリスには君の鍛錬の一環として君に教えるために、アリスに護衛をつけていたと話した。
アリスは君の鍛錬のためなら護衛を受けると言っている。
だから、アリスの護衛に君に加わってほしい。
そうすれば、君と指導者の私兵達がアリスの周りにいても不思議に思わないだろう。
勉強になるはずだし、給金も出す。
頼む。」
「わかりました。
むしろ僕には学べるチャンスだし、アリスさんが事件に巻き込まれるのは僕も嫌なので、やります。」
「ありがとう、同志。」
「尋問は進んだか?」
「はい、スレバン公爵家の縁故の者だと話しています。
女性一人攫うなど簡単だと思って、引き受けたそうですが、私どもの影が警護していたとは思ってなかったそうです。」
「何故スレバン家が?」
「アリス様をスレバン家に引き入れようと婚約を呼びかけても、予想外にカーティア男爵家が拒否するため、しびれを切らしたようです。」
「何故そこまで、アリスを?」
「ギフトがあるからと聞いたそうですが、具体的にははっきりとは聞いていないそうです。」
レイモンドの顔つきが変わる。
アリスのギフトがバレている?
「何故ギフトがあると知ったんだ。」
「神殿の過去書類を整理していた神父がたまたま見つけて、スレバン家の者に神殿への便宜をはかってもらうために話し、スレバン家で使えると判断したそうです。」
過去にギフトを調べるために神殿を訪れていた時のが、バレたか。
僕が当時もっと大人なら、握り潰したのに。
「わかった。」
「アリスから預かっているロイを呼んでくれ。」
「かしこまりました。」
「お呼びですか?」
ロイが不安そうな顔をしながら、執務室にやって来る。
「鍛錬中悪いね。
そこ、かけて。」
ロイはおそるおそるソファに座る。
今までレイモンドに直接声をかけられたことはない。
基本的にレイモンドは忙しく、見習いの身のロイには雲の上の人物なのだ。
「アリスが攫われそうになった話は知っているかい?」
「はい、こちらの私兵の方々が取り押さえたと伺っています。」
「そうだ。
実はアリスには以前から僕の私兵が影となって護衛している。」
「・・・。」
「びっくりしたかい?
アリスには内緒にしているけどね。」
「今回攫われそうになって、アリスに気づかれてしまったんだ。
アリスに護衛していることを伝えたら、自分にはもったいないから、いらないと言うだろう?
だけど、僕はアリスを絶対に守りたいんだ。
だから、勝手に護衛をつけて、内緒にしている。
これは僕の自己満足だから、誰に何を言われてもやめるつもりはない。
今回攫われそうになったのは、ある家系がアリスを手に入れようと危険な行動に出たからなんだ。
今後はこのようなことのないように手を回すつもりだ。
でも、今回のことでアリスの価値について注目される可能性がある。
だから、より一層警護を強めたい。
だが、アリスにはいらない不安を持たせたくないから、あえて話していないんだ。
ここからは君に関係するんだが、アリスには君の鍛錬の一環として君に教えるために、アリスに護衛をつけていたと話した。
アリスは君の鍛錬のためなら護衛を受けると言っている。
だから、アリスの護衛に君に加わってほしい。
そうすれば、君と指導者の私兵達がアリスの周りにいても不思議に思わないだろう。
勉強になるはずだし、給金も出す。
頼む。」
「わかりました。
むしろ僕には学べるチャンスだし、アリスさんが事件に巻き込まれるのは僕も嫌なので、やります。」
「ありがとう、同志。」
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